分岐点 (数学)
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数学の一分野、複素解析学において、多価関数の分岐点(ぶんきてん、英: branch point[注釈 1])とは、その点を中心とする任意の閉曲線に沿って一周するときその函数が元の点における値が周回前と周回後で一致しないという意味で不連続となるような点をいう[1]。多価函数をきちんと扱うにはリーマン面の概念が必要であり、従って分岐点の厳密な定義も同概念が用いられる。
分岐点は、代数分岐点、超越分岐点、対数分岐点の三種類に大別することができる。代数分岐点は、例えば z の函数としての w に関する方程式 z = w2 を解くといった場合のように、根の選び方に任意性があるような函数から最もよく現れる分岐点である。ここでは原点が分岐点となっており、実際任意の解に対して、それを原点周りの閉曲線に沿って解析接続することで異なる函数が得られる(すなわち、ここに非自明なモノドロミーがある)。ただ、この函数 w は原点が代数分岐点であるとはいえ、多価函数として矛盾無く定義可能であり、かつ(適当な意味で)原点において連続である。この点は超越分岐点や対数分岐点(つまり多価函数が非自明なモノドロミーだけでなく真性特異性をも持つ場合)とは対照的である。
ただし、幾何学的函数論(英語版)などでは(限定のための修飾辞を付けずに)単に「分岐点」と言えば(先述した意味での分岐点よりも限定して)代数分岐点の意味になるのが普通であるし[2]、複素解析学の別の分科では もっと一般の超越型の分岐点をさしている場合もある。