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数学の複素解析の分野において、ある関数の真性特異点(しんせいとくいてん、英: essential singularity)とは、その近くで関数が極端な挙動を取るような「悪い」特異点のことを言う。
真性特異点が分類されるカテゴリーは、「残り物」あるいは「特に取り扱いづらい」特異点の集団である。すなわち定義によると、ある方法で取り扱うことの出来る二つの特異点のカテゴリーである可除特異点と極に分類されないものが、真性特異点である。
複素平面 C のある開部分集合 U を考える。a を U の元とし、 を正則関数とする。点 a がその関数 f の真性特異点であるとは、可除特異点および極のいずれでもないことを言う。
例えば、関数 f(z) = e1/z に対して z = 0 は真性特異点である。
a を複素数とし、f(z) は a で定義されないが複素平面内のある領域 U において解析的であるとする。また、a のすべての開近傍と U の交わりは空でないとする。
その他の真性特異点の特徴として、その点における f のローラン級数の負の次数の項が無限個存在する(すなわち、そのローラン級数の主要部が無限和)というものがある。それに関連する真性特異点の定義として、ある a に対して、 がどんな整数 n > 0 に対しても微分可能でないなら、a は f (z) の真性特異点である、というものがある[1]。
真性特異点の近くでの正則関数の挙動は、カゾラーティ・ワイエルシュトラスの定理とピカールの大定理によって記述される。後者の定理は、a が関数 f の真性特異点 であれば、a のすべての近傍において、関数 f は高々 1 点を除いてすべての複素数値を無限回取る、というものである。
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