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国道413号の橋 ウィキペディアから
両国橋(りょうごくばし)は、相模川水系の道志川に架かる国道413号の橋である。
相模国・甲斐国の国境だったため、両国橋の名がついた[2]。現在は神奈川県と山梨県の県境で、神奈川県側は相模原市緑区青根(音久和)、山梨県側は南都留郡道志村月夜野である。
この場所では両岸の集落の共同で橋が作られてきたものの、頻繁に流出し、牛馬は浅瀬を渡って行き来していた。1915年(大正4年)4月、両岸が共同で釣橋を建設することになり、工費2235円16銭を投じて工事が行われた。橋は1916年(大正5年)12月に完成、1917年(大正6年)1月15日に開通式が行われた[3]。橋は木製の補剛トラス構造を持ち、橋長は42メートル、幅員は3メートルであった[4]。両国橋キャンプ場の敷地内には、1916年の竣工を記念する記念碑が残っている[2]。
1950年(昭和25年)には鉄橋として架け替えられることになり、7月12日に起工式が行われた。橋は翌1951年(昭和26年)に完成、8月30日に竣工式が行われ、橋を通る道路は県道に編入された[5]。この橋は、道志村としては初めての永久橋であった[6]。橋は当時流行したスパンドレルブレースドリブアーチ橋で[7]、橋長は64.9メートル、幅員は4.5メートルである[8]。橋の開通により、相模原方面からのバスとの連絡が実現した[9]。
しかしこの橋も老朽化し、歩道もない点が問題となり、1980年(昭和55年)度から4年の工期で、それまでの橋の約20m下流側に橋を新設することになった[10]。新しい橋は鋼製、上路式の2ヒンジソリッドリブアーチ橋の1等橋(TL-20)で、橋長は70.5メートル、総幅員は9.5メートル、有効幅員は8.5メートル(車道6.25メートル、歩道2.25メートル)、支間長は66.5メートルで支間割は1.6メートル、66.5メートル、1.6メートルである。アーチリブの高さは10.3メートルである。橋の山梨県側はやや右(川下側)にカーブした床版を有している。路面は1.5%の横断勾配が付けられている。歩道は川下側のみに設けられている。施工は住友重機械工業が担当し、架設工法としてケーブルエレクション斜吊り工法が用いられた[1]。新しい橋は1984年(昭和59年)4月1日から供用が開始された[11][注釈 1]。工事期間中の1982年4月には橋を含む区間が国道413号として指定施行され、橋はその一部となった。
橋のある場所は1991年(平成3年)度より神奈川県が水質測定を行う地点に加えられており[14]、水質汚染が少ない地点としてしばしば上位に挙げられている[15][16][17][18]。附近は釣りの名所として知られる[19]。
また橋は県境上にあるほか、さまざまな境界が橋を基準として設定されている。道志川は橋より下流の神奈川県側を中道志川[20]、上流の山梨県側を奥道志川と呼び分けられている[21]。釣り場の目印ともなっており、橋の上流側では地元漁協による渓魚の放流が行われている[19]。
橋の左岸(山梨県)側すぐの位置に月夜野バス停留所があり、ここを境に運行事業者が変わるため神奈川県方面(神奈川中央交通西 三56 三ヶ木行)と山梨県方面(富士急バス 道志・都留市方面行)はここで乗り継ぎとなる。しかしながら双方の系統共に減便されており、乗り継ぎはほぼ不可能になっている[注釈 2]。また付近には両国橋キャンプ場が存在するとともに[22]、「両国屋」という名称の食堂がある[23]。
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