上海港
ウィキペディアから
ウィキペディアから
上海港(シャンハイこう)は中国上海市にある世界最大の国際貿易港。海上コンテナ輸送量において2021年現在、12年連続世界一位であり、2010年にシンガポール港を抜いた[1][2]。2019年現在、上海港の取扱コンテナは中国全体の16%に上る。
長江河口からすぐのところにある黄浦江の沿岸には古くから港が形成され、北宋の徽宗政和三年(1113年)には華亭県(現在の松江区)に秀州華亭市舶司が置かれ、対外的な港町として発展し始めた。明清代には上海は中国でも有数の港町になった。清代の海禁により上海は対外貿易港としての機能を失ったが、長江・大運河・沿海部を結ぶ国内交通の要として、中国国内でも一二を争う港になった。
アヘン戦争後の南京条約により、上海は1843年に条約港として開港し、広州に代わり中国の対外貿易の中心地となった。黄浦江沿岸には欧米各国による上海租界ができ、上海は中国の輸出入の半分ほどを扱うアジア有数の港湾都市になった。
日中戦争時の第二次上海事変(1937年)で上海港は日本軍に占領され、海外資本は香港に逃れた。国共内戦末期の1949年5月、上海は中国共産党に占領された。以後、上海は中国の首位の貿易港であり続けたものの、その世界的地位は中国経済の混乱と停滞とともに低落していった。
1970年代末の改革開放政策とともに上海は再び発展を開始した。黄浦江の両岸の旧式港湾は海上コンテナを扱えるように改造され、さらに黄浦江を出たところにある長江沿岸にも大規模なコンテナ港湾が完成し、上海港の中心は長江沿岸に移った。
1990年代には上海港は世界のコンテナ港の中でも取扱数上位となり、首位となるのも時間の問題となったが、黄浦江は水深が浅く10メートルに満たず、長江も上流から流れる大量の土砂のために水深は10メートル程度に過ぎなかった。年々大型化するコンテナ船が、いずれ上海港に入港できない超パナマックス級(埠頭に15メートル以上の水深を要求するほどの大きさ)になることが予想されたため、中国政府は上海の30キロメートル沖合、東シナ海に面した杭州湾上の嵊泗列島の大洋山島・小洋山島を埋め立て、世界のハブ港湾となる巨大な洋山深水港を建設した。2005年に開港した洋山深水港はその後も拡張を続け、上海港の新たな中心となっている。
2022年4月に上海市が新型コロナウイルス感染拡大の影響でロックダウンした際には上海港で物流が滞り、代替手段として近隣の寧波市などの港を利用して日本への輸出が行われた。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.