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ミステリー in パラダイス(原題:Death in Paradise)は、イギリスBBCが製作・放送するミステリードラマ。2023年2月時点でシーズン12まで製作されている。日本ではミステリーチャンネル(旧AXNミステリーチャンネル)などにて放送されている(2023年12月、シーズン12がミステリーチャンネルで放送)。
ミステリー in パラダイス Death in Paradise | |
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ジャンル | 推理ドラマコメディ |
出演者 |
現在
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音楽 |
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製作 | |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
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制作 | BBC |
放送 | |
放送国・地域 | |
放送期間 | 2011年 - |
回数 | 98 |
カリブ海にある架空の島「セント・マリー島」を舞台に、事件を捜査する刑事たちを中心にした物語が展開する[1]。1話完結の物語構成。カリブ海の島の独特な環境・住人を利用した事件・物語となっている。主人公が事件の真相を解明する直前には、必ず警察署で容疑者の相関図の前で急速な閃きと思考をし、一箇所に容疑者全員を集め推理を披露し、犯人を特定する。本格ミステリーの要素が強いのも特徴。
本作はイギリスのテレビ番組で最も人気のある番組のトップ3に入り続けているが、批評家はこの犯罪ドラマを「目立たない」「カリブ海の風景が素敵な、多くを求めない刑事番組」と評している[2]。
この番組は、その筋書きが定型的であることで知られており[3]、各エピソードの長さ、スタイル、物語構成がほぼ同じである。各エピソードは、殺人に至るまでの経緯と、その後の死体発見を示すプレクレジットのシークエンスで始まる。このシークエンスはそのエピソードのゲストキャラクターを紹介する役割も果たしている[4]。その後、セント・マリー島の警察に殺人事件が知らされ、容疑者を特定するための予備調査や事情聴取が行われ、容疑者や事件現場の写真が警察本部のホワイトボードに貼られる[5]。
多くの場合、終盤になると、主役の警部補は、誰かの言動や何らかの出来事によって、あることに気づく。この瞬間、殺人の方法、理由、犯人が誰であるかが警部補に理解されるが、観客には明かされないままである。その後、容疑者が集められ、警部補が証拠品を見ながら話をする。しばしばフラッシュバックが使われ、何が起こったかを示す。犯人と動機が明らかになるのは、エピソードの終盤である[6]。容疑者を集め、事件を解決し、最後に犯人を特定し、逮捕するという手法は、アガサ・クリスティがミス・マープルやエルキュール・ポアロのシリーズで使っている手法に類似している。
通常、各エピソードはコメディタッチのシーンや、警察官たちがキャサリンのバーへ祝杯をあげに行くシーンで終わる[7]。ほとんどのシリーズの最終回では、主人公の警部補が仕事の依頼や個人的な関係でイギリスに戻るよう誘惑されるが、結局は島に残ることを決意する、という小ネタが盛り込まれている(この形式は第6シリーズで覆される)。
本作の舞台はカリブ海に浮かぶ架空の島、セント・マリー。「東カリブ海に浮かぶきれいな島 」とシーズン3第3話で語られている。シーズン4第5話では、マルティニークから「70マイルはある」と言及されている。セント・マリー島は「北西の隣国グアドループの10分の1の大きさ 」で、このことからセント・マリー島の大きさは約160平方キロとなる。セント・マリー島はイギリスの海外領土だが、過去の歴史から国民の約3割がフランス人であり、今でもフランス語が広く使われている。
成り立ちは、グアドループ近郊にある現実の2つの島を混ぜたようなもので、大きさや位置はマリー・ガラント島に、歴史や言語はドミニカに一致している。セント・マリー島には、火山、熱帯雨林、砂糖プランテーション、漁港、空港、大学、修道院、約100の公共ビーチ、刑事法院があるとしている。また、独自の新聞「セント・マリー・タイムス」とラジオ局「ラジオ・セント・マリー」がある。自動車にはフランスのナンバープレートがついている。
主要な町はオノレであり、レジャー・商業用のマリーナ、市場、バー、レストラン、警察署がある。オノレの隣町はポート・ロイヤルである。島の経済は、グアドループ、イギリス、フランスと交易がある。主な宗教はカトリックとブードゥー教である。
シーズン3第7話の主な舞台は、セント・マリー島沖にある、私有地で比較的小さい小島である。このエピソードは、通常のロケ地であるグアドループの北西海岸から約1.9km離れたカフアンヌ島で撮影された。セント・マリー島のビーチから背景に見えることが多い。シーズン6第5話と第6話の主な舞台はロンドンである。
主人公は4代目主人公のネヴィル・パーカーに至るまで、全員イギリス本土から赴任した警部補である[8]。
シリーズの撮影は、小アンティル諸島のフランス領グアドループ島の、主にデシャイ(セント・マリー島のオノレの町を兼ねている)のコミューンで、グアドループ地方観光局の協力のもと撮影されている[16]。オノレ警察署はデシャイの教会堂(1850年代頃の建物)であり[17]、神父の執務室が捜査部屋として登場している[18]。
シリーズ1の撮影は、グアドループ島に長期撮影のためのインフラが整っていないことに加え、カミーユ役のサラ・マーティンスが撮影中に足を骨折して第6話にはほぼ出られず第7話と第8話の撮影にも支障をきたすなど[19]困難を伴った。
ベン・ミラーは、妻を島に帯同できず家族と離れて過ごす時間が長すぎると感じ、シーズン2までで降板した。マーシャルの家族は、最初の3回の半年間撮影に参加し、息子のトーマスは地元の学校に入学した。しかし、シーズン6の撮影中に娘エルシーが誕生して家族が参加できなくなり、「寂しさと空しさ」を感じ、番組からの降板を決意した[20]。
シーズン6第7話からは、ロンドンの同僚ジャック・ムーニー警部補を演じるアーダル・オハンロンが主役を務めることになった[21]。
ジョセフィン・ジュベールはシーズン8第6話でシリーズを去り、代わりにマドレーヌ・デュマ役の女優オード・レガストロワが出演した。ジュベールは番組降板の理由を「他のプロジェクトに集中したい」とした。
オハンロンは2019年10月に番組を去ったことを確認し、最後の出演はシーズン9第4話となった[22]。後任のネヴィル・パーカー警部補役のラルフ・リトルは、同月に明らかになった[23]。
2020年7月、BBCはシャイコ・エイモスとオード・レガステロワの降板を発表し、ジュベールの復帰とマーロン・プライス役の新人タジ・マイルズの登場を発表した[24][25][より良い情報源が必要]。
2022年1月、シーズン11第4話で、ジュベールは自分の演じる役が島を出ると共に番組を去った。彼女の降板は事前に発表されていなかった[14]。
2011年の放送以来キャストを刷新しながら放送を続け、2018年時点では230か国で放送されている[12]。制作国であるイギリスでは、シーズン2以降は1月に放送されている。シーズン10は2020年7月から撮影が開始されたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、例年通りの放送が危ぶまれた[13]。
このシリーズは批評家から様々な評価を得ており、その多くはパターン化したシナリオ構成に向けられたものである。シーズン1は、その新鮮なスタイルと設定が評価された。シーズン3の冒頭に登場したクリス・マーシャルは特に好評で、デイリー・テレグラフ紙のレベッカ・スミスはマーシャルを「追加の成功」と称賛している[26]。シーズン4第1話は「ちょっとした逸脱」として受け入れられた。デイリー・テレグラフ紙のマーク・モナハンは、シリーズのゆったりとしたトーンを批判し、設定以外にユニークな点がなく、あまりにも理路整然としていると評した[27]。
また、植民地主義や人種差別についてのコメントも寄せられている[28]。2011年にシーズン1第1話が放送された後、メトロ紙のテレビ評論家キース・ワトソンは、「地元の人が仕事をこなせないからといって、植民地に警察官をパラシュート降下させるというアイデアは少し酸っぱい味が残る」、シリーズは「消えゆくイギリス帝国の栄光時代への回帰」を思わせると書いた[29]。2021年1月のガーディアン紙のエッセイで、作家のシリン・ケールは、「多くの好意的な視聴者」がついていることは認めつつも、人種的な力学を含むいくつかの面について批判的であった。「もし本作が放送当時すでに時代遅れの番組で、トレンチコートを着たピーター・フォークが「もうひとつだけ」と聞いてくるようなものだったとしたら、今では博物館入りだろう。まず、脇役の部下たちがほとんど黒人で、白人の上司である主人公を『サー』と呼び、明らかに彼らの知恵では解決できないような犯罪について彼を頼りにしている。」[30]
レッドプラネット・ピクチャーズで「ドラマ製作における多様性賞」を受賞した。2015年2月15日に行われたBBCとITVが支援する式典で、サラ・マーティンス、ダニー・ジョン=ジュールズ、ドン・ウォリントン、トビ・バカレが賞を受け取った[31]。
2022年6月29日、ハンフリー・グッドマン役のクリス・マーシャルと、彼の恋人マーサ・ロイド役のサリー・ブレトンが復帰して英国での生活を楽しむというスピンオフ作品『Beyond Paradise』が発表された。この作品は、BBC Oneとブリットボックス・インターナショナルからの委託によるものである[32][33]。撮影は2022年8月に開始された[34]。シーズン1の放送終了後、BBCはシーズン2とクリスマススペシャルの製作を発表した[35]。
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