『マルタの鷹』(MALTESE FALCON)は、1987年12月5日に発売された加藤和彦の10枚目のソロ・アルバム。安井かずみとの共作による作品で、9年ぶりに東芝EMIへ復帰してのリリースとなった。
概要 『マルタの鷹』, 加藤和彦 の スタジオ・アルバム ...
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『マルタの鷹』は、加藤和彦がジャズに取り組み、ハードボイルドをテーマに制作したコンセプト・アルバムである。アルバム・タイトルはダシール・ハメットの同名小説から採られた。本作での加藤はヴォーカルのほか、いくつかの楽曲でピアノも弾いており[注釈 1]、セッションには僚友の小原礼、高橋幸宏、清水靖晃[注釈 2]などに加え、イタリアの作編曲家であるカルロ・サヴィーナを招き[注釈 3]、オーケストラの編曲と指揮[注釈 4]を委ねた。レコーディングは東京とパリで行われ[注釈 5]、ミックス・ダウンはパリで行なわれた。なお、レコーディングに使用されたマイクロフォンとイコライザーはヴィンテージの機器が用いられている。後年加藤は『マルタの鷹』を失敗作と見なしており、「ハードボイルドの感じを出そうとしたんだけれども、ジャズと結びつけたのは無理があった」と語っている。
アルバム・カバーと歌詞カードの絵画は金子國義、アーティスト写真は小野寺俊晴によるものである。
全曲作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦、編曲:カルロ・サビーナ・清水靖晃・加藤和彦
アナログ・レコードでは#1から#5までがA面に、#6から#10までがB面に収録されている。
楽曲の収録時間はアナログ・レコードに基づく。
- ARTICHOKE & FRESCOBALDI - (3:22)
- COZY CORNER - (3:05)
- FANCY GIRL - (3:36)
- CHINA TOWN - (3:32)
- DECEMBER SONG - (4:52)
- JOKER - (4:21)
- BACCARAT ROOM - (3:58)
- TURTLE CLUB - (4:22)
- JUST A SYMPATHY - (2:25)
- MIDNIGHT BLUE - (4:24)
- 清水靖晃の多重録音によるインストゥルメンタル。
- Produced by Kazuhiko Kato
- Music by Kazuhiko Kato
- Lyrics by Kazumi Yasui
- Arranged by
- Kazuhiko Kato (#2, #4, #5, #8, #9)
- Yasuaki Shimizu & The Saxophonettes (#3, #7, #10)
- Carlo Savina (#1, #6)
- Cover Painting & Designd by Kuniyoshi Kaneko
- Engineered by Masayoshi Okawa
- Recorded at
- Mixed at
- Assistant Engineers (Paris) - Christophe Marais & Claude Pons
- Co Producer - Seizo Shimokobe
- Studio De La Grande Armee (Paris)
- Co Engineers - Seiji Okumura, Hideyuki Kouno & Mick Lanaro
- Assistant Engineer & Fairlight Operation - Takeshi Tanaka
- Executive Producers - Keiichi Ishizaka & Ichiro Asatsuma
- Published by Fuji Pacific Music Publishers
- Secretary - Yoko Ryu (Kazuhiko Kato Office)
- Recording Coordinators - Akira Ikuta, Lambert Boudier, Catherine Villiers & Norika Sora
- Vintage Microphones & Equalizers by Courtesy of Time Road
- Grazzie - Maestro Carlo Savina & Mirna Savina
- Special Thanks to Following People - Keiko Kawashima, Yumi Tanno, Fumitaka Norita, Henry Dienn, Sam Ohta, Yamaha Shibuya, Office Intenzo Kayako Kijima, Chizuko Yanagawa, Shinji Kanoo, Tomotaka Takehara, Evelyne Hebey & Yoshio Takatsudo
ミュージシャン
- Kazuhiko Kato - Vocal, Acoustic Piano, Cornet, Fairlight C.M.I (omit on #10)
- Yasuaki Shimizu - Saxophone, Clarinet, Acoustic Piano, Fairlight C.M.I (#3, #4, #7, #8, #10)
- Kenji Omura - Electric Guitar (#4, #5)
- Ray Ohara - Erectric Bass (#4, #5, #8)
- Yukihiro Takahashi - Drums (#5, #8)
- Carlo Savina Orchestra (#1, #6)
- Yasuaki Shimizu by the Courtesy of Victor Invitation
- Yukihiro Takahashi by the Courtesy of Tents Record
注釈
加藤は本作の#2,4,5,8,9でピアノを弾き、#2においてはコルネットも吹いている。
カルロ・サヴィーナとは1983年に中山ラビのアルバム『甘い薬を口に含んで』をプロデュースした縁で近づきになった。
加藤によれば、ダイナミックかつ繊細なオーケストラのサウンドを得るために、カルロ・サヴィーナのダイナミックな編曲を、パリのオペラ座のオーケストラに演奏させたという。