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トーマス・マンの小説 ウィキペディアから
『ブッデンブローク家の人々』(ブッデンブロークけのひとびと、Buddenbrooks)は、1901年に発表されたトーマス・マンの長編小説。マン自身の一族の物語で、北ドイツ、リューベックの商家の4代にわたる歴史とその衰退を描いている。戦前のヨーロッパにおいてベストセラーとなり、1929年にマンがノーベル文学賞を受賞した際にはこの作品が受賞理由として挙げられた。全体は11の章からなり、副題として「ある一家の没落」(Verfall einer Familie)が付されている。
初代当主である老ヨハン・ブッデンブロークは、現実的な性格を持って商会を立ち上げた人物であり、作中ではすでに引退して次男に商会をゆだねている。2代目ヨハンは商会を維持していき、オランダ領事の名誉職も得るが、1848年の革命の影響で商会に多大な損害を与えてしまう。3代目トーマスは一家を誇りに思い、家長としての威厳を保つように努めるが、その反面自分の精神的な弱さと一族の没落を察知しており、孤軍奮闘の末に心労で倒れる。残された4代目ハノーはすでに現実的な望みを失っており、音楽のみに情熱を傾けている。
作品は当初、兄ハインリヒ・マンとの共作となる予定であったが、兄が不都合になり一人で執筆する形となった。執筆には1897年から1900年まで3年がかけられている。ドイツでは1923年、1959年、2008年と3度映画化されており、また1971年にイタリアで、1979年には独仏合作でそれぞれテレビドラマ化されている。日本では、北杜夫の長編『楡家の人びと』に大きな影響を与えたことで知られている。
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