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バタリーケージ(英語: Battery cage)とは、鶏やウズラ、ウサギなどの近代工場畜産業で使用される、動物の飼育装置のことである。ここでは採卵養鶏業で使用されるバタリーケージを中心に述べる。
現代の工場型畜産を代表する家畜飼育システムのひとつである。一羽当たりの飼育面積は極めて効率的に設定され、日本の一般的な飼育密度は1羽あたり370平方センチメートル以上430平方センチメートル未満程度である[1]。四方と床と天井は金網で囲まれ、前面に飼槽と自動給水器のニップルが設置されている。卵が転がりやすいよう床に傾斜が設けられている。
採卵効率の向上に利点があるが、鶏は羽を広げるための空間と面積が満たず、つつくことのできる敷料や、巣・砂場・止まり木などの習性上必要な素材が設置されず、自然な行動の発現ができず、行動が極端に制限される。ケージを使用しない鶏舎は、ケージ鶏舎に比べて、鶏の「身体に障害を及ぼすほどの痛み」を感じている時間が 64% 少なく、「苦しみを伴う痛み」を感じている時間が 57% 少ない[2]。
バタリーケージは世界で広範囲に使用されている採卵鶏の飼養方法だが、動物の権利や動物福祉の観点から問題視されるようになり[3]、ヨーロッパやアメリカを中心に平飼いや放牧システムへの移行が進む[4]。同じケージ飼育でも止まり木などを設置した改良型ケージ(エンリッチドケージ)[5]もあるが、バタリーケージ・エンリッチドケージを含めた「ケージ飼育」そのものが問題視されており[6]、ケージフリー(ケージ不使用)への移行の動きが広まっている[7]。
ケージフリーはケージ飼育と比較して鶏1羽当たりの労働コストが36%増加する可能性がある。しかしながら日本の採卵養鶏業者の60%がアニマルウェルフェア(動物福祉)飼養を検討すると回答している[5]。また、ケージフリーへの移行は動物福祉が向上するだけでなく、養鶏業者の満足度も大幅に向上するとされる[8]。
ケージフリーを求める市民運動は世界に拡大しており[9][10]、近年では、アジア地域においても、世界最大のアジアのレストランチェーンであるジョリビーや、小売業界トップのカルフール台湾、台湾最大のホテルグループがケージフリーに切り替えることを決定するなど[11][7]、ケージ卵の使用を中止する企業が増えている[12]。また調査によると、東南アジアの消費者の大多数が、ケージフリー鶏卵のみを使用することを食品会社に望んでいるという[13]。
バタリーケージに関する初期の記述は、1931年のMilton Arndtの著書「Battery Brooding」[14]に見られる。この中で鶏のケージ飼育は生産性が高いと記述されている。日本は、1953年ごろのバタリー飼育普及当初は木材や竹製で、1955年ごろから針金製ケージが米国から導入され、1966年頃は1000羽以上を飼育する養鶏の9割がバタリーケージ飼育方式を採用した[15]。
羽繕いには800から1977㎠のスペースを使う必要がある[16]。しかし1羽当たりのケージ空間は狭隘で(日本の平均は400㎠前後[1])、羽繕いは困難となる。
鶏は、巣の中で産卵し、地面をクチバシでつつき、爪で土を掻きエサを探す、止まり木に止まる、砂浴びをする、などの本能的行動欲求[17]を有する。しかしこれらの行動を行う資材(巣・止まり木・敷材・砂場)が設置されていないため欲求を満たせず、ストレスを受ける[18]。
また鶏は恐怖に対して逃避反応する。特にバタリーケージの鶏は刺激になれていないためおびえやすい[27]。ケージは逃避ができない状況であるため福祉上の問題を抱えやすい[28]。
以上のように、行動学見地の傍証は、バタリーケージにおける動物福祉の問題を提示している[24]。
また、バタリーケージは疾病や怪我を誘因する。採卵鶏は、採卵効率に特化した品種改変で、健康的生育に必要なカルシウムも卵殻形成に排出され[29]、ケージ飼養の鶏の骨粗しょう症率は高い[30]。ケージの各面は糞尿の清掃効率向上のために金網で、脚は角質化、裂傷、病変、爪は過度な伸長、捻れ、破損[31]、足裏は金網による接地圧力の遍在で損傷[32]などが頻発し、羽毛も摩耗[33]する。
2008年1月8日に欧州委員会は、採卵鶏のバタリーケージによる飼養の禁止は鶏の健康や動物福祉を改善する、とする報告書を公表、2012年1月1日以降のバタリーケージ禁止は予定どおり実施すべきと結論づけた。欧州食品安全機関(EFSA)、EUが資金提供している研究プロジェクト「LayWel」でも、バタリーケージは深刻な動物福祉上の問題を引き起こし、巣や止まり木などを設置した改良型ケージ(エンリッチドケージ)やケージフリーに変更することで明らかなメリットがあることが確認された[34][35][36]。バタリーケージはケージフリーに比べて衛生状態が良いという利点があるが、LayWelプロジェクトは、次のようにバタリーケージを結論付けている[37]。
バタリーケージでは、特に巣作り、止まり木、採餌、日光浴といった行動の優先順位、好み、ニーズを満たすことができない。また、厳しい空間的制限は廃用性骨粗鬆症の原因にもなる。これらの欠点は、寄生虫の減少、衛生状態の良さ、管理の簡便さといった利点を上回ると考えている。このような利点は、正常な行動をより豊かに表現できる他のシステム(ケージフリーやエンリッチドケージ)でも実現可能である。
バタリーケージを除き、すべてのシステム(ケージフリーやエンリッチドケージ)が産卵鶏に満足のいく福祉を提供できる可能性がある。
こういったことから、アジアを含め、世界各国で鶏のケージ飼育廃止の市民運動が行われている[38][39][40]。2021年にオーストラリア、バングラデシュ、ブラジル、チリ、中国、インド、マレーシア、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、スーダン、タイ、英国、米国の14か国市民を対象に実施された調査では、「鶏は探索行動や運動ができるスペースが必要である」という質問について、13か国で70%以上の市民が同意した(インドは62.4%)[41]。
卵のサルモネラの要因には、サルモネラに感染した鶏がサルモネラを含んだフンをし、そのフンが鶏卵の表面(卵殻)に付着し残ったままになったり、感染した鶏の体内で卵殻が形成される前に卵巣や卵管を経由してサルモネラが卵の中に侵入してしまうということがある(卵の中に侵入するのはごく一部の血清型:サルモネラ・エンテリティディスなど)。鶏がサルモネラに感染した場合、ヒナでは下痢などの症状が見られることがあるが、成鶏では多くの場合症状はみられない。しかし鶏卵や鶏肉を通じて人が感染した場合は、食中毒を引き起こす原因となる。
日本国内患者から検出されたサルモネラの血清型が一番多かったのはサルモネラ・エンテリティディスと呼ばれるサルモネラ菌だが[42]、このサルモネラ・エンテリティディスについて、2004-2005年に EFSA(欧州食品安全機関)はEU内で鶏の飼養形態ごとの調査を行っており、ケージ(cage)、平飼い(barn)、放牧(free range standard)、オーガニック(organic)比較で、ケージ飼育が最もサルモネラ・エンテリティディス率が高いという結果であった[43]。
そして日本国内患者から検出されたサルモネラの血清型が上位に入っていたサルモネラ・ティフィムリウム[42]についても同様の調査が行われているが、こちらの結果もケージ飼育において最もサルモネラ・ティフィムリウム率が高くなっている[43]。
このEUの報告とは別に、2006年から2010年の間に行われた15の科学的研究のいずれもが、ケージ飼育においてサルモネラ菌の割合が高いと示している[44]。
また採卵効率をあげるために実施される給餌制限(強制換羽)とサルモネラの関係の調査では、強制換羽を行った場合、「鶏がサルモネラに感染しやすくなる」「サルモネラに感染している鶏はふんの中に大量のサルモネラを排せつする」「サルモネラ・エンテリティディスに感染している鶏の卵の内部にサルモネラ・エンテリティディスが侵入する割合が高くなる」との報告がある。報告は、鶏の免疫機能の低下や消化管細菌叢に大きな変化を引き起こし、給餌を制限されてストレス状態にある鶏は、サルモネラ感染のリスクが高くなるとしている[42][45]。
基本的に強制換羽を実施するのはケージ飼育であり[46]、平飼いや放牧飼育では強制換羽は行われないので、ケージ飼育のほうがサルモネラのリスクがさらに高くなるとも言える。
採卵鶏のバタリーケージ飼育のような工場畜産には人獣共通感染症リスクが伴うことが、懸念されている。
2020年7月6日に「次のパンデミックの防止-人獣共通感染症と伝染の連鎖を断ち切る方法(Preventing the next pandemic – Zoonotic diseases and how to break the chain of transmission[47])」が国連環境計画(UNEP)らにより発表された。このレポートには人獣共通感染症の要因の一つは集約畜産にあると言及しており、次のように記載されている。
動物性食品の需要の増加は、集約畜産と工業化を促し、特に畜産の集約化により遺伝的に類似するたくさんの動物を作りだしたが、これらは多くの場合、高い生産性を求めて飼育され、その結果、多くの場合過密飼育になり、理想的な状態ではなくなる。そのような遺伝的に均質な宿主集団は、遺伝的に多様な集団よりも感染に対して脆弱である。貧しい国では、畜産は都市の近くで行われることが多く、バイオセキュリティや家畜排泄物の管理も不十分で、抗菌薬がこれらをカバーするために使用されるという追加のリスク要因もある。1940年以来の、ダム、灌漑プロジェクト、工場型畜産などの農業集約策は、ヒトに発生した感染症の25%以上、人獣共通感染症の50%以上に関連する[47]。
同年オックスフォード大学(The Oxford Uehiro Centre for Practical Ethics)は、「次のパンデミックが工場畜産農場で始まるリスクは高い。 動物間、および動物と人間の間の社会的距離は、この産業には存在しない。」とする記事[48] を公開している。
国際獣疫事務局(WOAH、旧OIE)は、ブロイラー(肉用鶏)、肉牛、乳牛、豚の14の動物福祉(アニマルウェルフェア)の基準を策定[49]しており、採卵鶏のアニマルウェルフェア基準も準備中である。この策定の過程で、バタリーケージが大きな議論の対象となっている[50][51][52]。
日本国内では鶏卵大手のアキタフーズ元代表が、元農林水産大臣吉川貴盛に賄賂を渡し、止まり木や巣箱の設置を義務付けるOIE基準案への反対要望を働きかけた鶏卵汚職事件に絡んで、広くメディアなどで取り上げられることとなった[53][54][55][56][57](アキタフーズ元代表は2021年10月に、吉川元農相は2022年5月にともに有罪判決となった[58])。本件は「日本の鶏卵業界は、国際的なアニマルウェルフェアの流れに抗い現状の飼育方法を継続するため、政治家に賄賂を渡した」という構図とも言われる[59]。
日本も加盟するOIE(国際獣疫事務局)は、2016年から採卵鶏のアニマルウェルフェア(動物福祉)基準「アニマルウェルフェアと採卵鶏生産システム」の策定を進めている。 OIEの動物福祉基準は、OIEが作った原案をOIE加盟国に原案が配布し、加盟国の意見を踏まえて内容を修正後、さらに加盟国に意見を照会するという過程を複数回くり返して決定される。日本国内では農水省が設置した有識者によるOIE連絡協議会においてOIE案が検討される[60]。
原案
一次案
二次案
三次案
四次案
五次案
不採択となった本基準については、加盟国の同意が可能な兆しがみられれば再開される予定であるが、2024年5月に開かれたWOHA総会においては再開について言及されていない[73]。
ここでは採卵鶏を金網の中に閉じ込めるケージ飼育という形態そのものは禁止しないが、バタリーケージは禁止する国々を記載する。バタリーケージを禁止する場合、ケージ飼育であっても止まり木や砂場や巣の設置が必要、などの条件が付せられる(このような条件の付せられたケージを改良型ケージ(エンリッチドケージ)と呼ぶ)。
なお、エンリッチドケージであってもバタリーケージと比較して鶏の不快・苦痛度において大差はないされる[6]。そのためエンリッチドケージへの消費者の拒否感は高く[46]、次項で述べるように、ケージ飼育そのものの廃止も進んでいる。
ここでは、バタリーケージ・エンリッチドケージ(改良型ケージ)を含め、採卵鶏のケージ飼育そのものを廃止する動きを記載する。世界中の採卵鶏の 15.8% がケージフリーで飼育されている[7]。なお、採卵鶏の親鳥となる原種鶏(育種の元となる鶏)の80%もケージ飼育されているが、欧米を中心に進むケージフリーの動きに合わせてケージフリーに対応した原種鶏の育種が進められている[95]。
欧州連合
アフリカ
ラテンアメリカ
世界中で約2,500社が、ケージ飼育由来の卵の取り扱い廃止を決定している[143]。米国内では121社に上る[82]。家畜福祉ベンチマークによると、サプライチェーンに卵を含む大手141社のうち73%がケージフリーに取り組んでいる[144]。多くの企業は2022-2025年をケージ廃止の期限として設定しているが、前倒しでケージフリーを実現させる企業も多い。アメリカ最大の薬局チェーンであるCVS/ファーマシーは、2025年をケージフリーの目標として設定していたが、2022年に実現させた[145]。米マクドナルドも2025年をケージフリーの目標として設定していたが2024年に実現させている[146]。
2021年6月、欧州委員会は、EUにおいて、鶏、ウサギ、ウズラなどすべての家畜のケージ(バタリーケージ含む)飼育を禁止するための立法案を提示することを決定。タイムラインやルール、輸入の規制方法、EU加盟国の批准などが今後議論される[147]。
台湾では「フレンドリー卵生産システムの定義とガイドライン」があるものの、採卵鶏のバタリーケージは禁止にはなっていない[148][149]。しかしながら、採卵アヒルのケージ(バタリーケージ含む)飼育については、2022年1月に禁止が施行された[150]。
アジアには世界の商用採卵鶏の大半が生息しており、その90%近くがバタリーケージ飼育である。日本はそのアジアの中でも、採卵鶏のケージフリーへの移行が下位にあり、韓国や中国よりも遅れている[151]。2022年時点でOECD加盟38か国のうち、日本を含む6か国がバタリーケージを禁止していない[152]。
日本はバタリーケージの使用に規制がなく、2014年時点で92%がバタリーケージ飼育[1]。2020年IEC(国際鶏卵協会)データによると94.1%の農場がバタリーケージ飼育となっている[153][154]。一方で、2022年の調査によると、日本の鶏卵生産者の70%は、日本におけるケージフリーが実現可能であると認識しているともいう。なお、ケージからケージ飼育移行において必要とする支援について、鶏卵生産者の45%が技術的な助言や研修をあげている(資金援助支援は16%)[155][156]。また、小学生の社会科見学で「鶏がかわいそう」という感想にショックを受け、ケージフリーに切り替えたり、平飼い卵の需要に応じたりなどで、ケージフリーの導入に踏み切る農家も一部で見られる[157]。認知度調査によると、国内の8割以上の消費者が、採卵鶏がバタリーケージ飼育をされている現状について、よく認知していない[158]。その一方で、文章と写真でバタリーケージ飼育の問題を説明された後ではどの鶏卵消費者も、鶏の飼育のされ方を重視する傾向が顕著に上昇し、平飼い卵の購入意欲が増したという研究もある[159]。
国としてのケージ廃止の動きはなく、2023年に発表された畜種ごとのアニマルウェルフェア指針も、バタリーケージを容認するものとなっている[160]。2022年か2024年にかけて実施された農林水産省委託プロジェクト研究「鶏及び豚の快適性により配慮した飼養管理技術の開発」においても、バタリーケージを最適化する技術開発となっており、ケージフリーへの移行研究ではないものとなっている[161]。
グローバル企業がサプライチェーンにおいてケージフリーを宣言しても日本国内は除くケースが多い。丸亀製麺などのレストランブランドを世界中に展開する日本企業の株式会社トリドールホールディングスは、2022年、自社HPに、2030年度末までにすべての国で卵をケージフリーにするという目標を公開したが、但し書きで「日本は除く」と書かれている[162]。しかしながら同社は、日本国内において、2022年度は丸亀製麺10店舗、2023年度は全店舗の3%において、使用される生卵を100%ケージフリーである平飼い卵に変更するなど進展はみられる[163][164]。キユーピーは同年8月にケージフリー卵のマヨネーズを新発売した。同社は2022年のキユーピーグループ統合報告書において、「鶏卵の持続可能な調達」という項目を加え、ケージフリー卵について言及している。キユーピーは米国における鶏卵調達については2025年までにケージフリーにする目標を掲げている[163]。2024年7月には米国におけるこの目標を 3 年前倒しの2022年に達成したと報告。また、グローバルで製造販売しているキユーピー・マヨネーズのケージフリー飼養卵の使用率を、2024 年時点での3%から2027年までに10%に引き上げることを目指すという。さらに日本国内で生産されるケージフリー卵の 20%を調達・使用する予定だとし、今後 10 年間で日本におけるケージフリー飼育の割合を現在の 1%から5%に引き上げることをめざすという[165]。
セブン&アイホールディングスもまた、キユーピー同様国外におけるコミットメントではあるが、米国とカナダにおいて100%ケージフリー卵を調達することを目標に掲げている。イオンもマレーシアの店舗における卵調達については100%ケージフリーを目標に掲げている[163]。
日本の動きは非常に遅いものでははあるが、以下のような変化もみられる。
2022年1月18日の報道[166]によると、大阪府の吉村洋文知事が、2025年の大阪・関西万博に向けて、食材調達にはバタリーケージや豚の妊娠ストール禁止など世界水準に沿う「アニマルウェルフェア」を加味した調達を検討すべきだとの考えを示した。またイオンは2020年2月からケージフリー卵の販売を一部店舗から開始、2022年11月からは国内小売業初の全国展開を開始した。さらに2023年9月にはケージフリー卵を使ったマヨネーズを新発売した[167]。また将来的に、売り場の卵の8割を平飼いにする計画を持つ流通大手もあるという[168]。また、従来畜産技術協会のアニマルウェルフェア指針を採用してきた農林水産省は、2024年7月に農林水産省のアニマルウェルフェア指針を策定。強制力はなく、またバタリーケージを制限するものではないが、営巣・止まり木等の付帯設備の設置を将来の推奨事項とした[169]。しかしながら養鶏業界がこれに反対したため、これら付帯設備の設置を必ずしも推奨するものではないという補足が付されることとなった[170]。
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