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ティタノサウルス類もしくはティタノサウリア(Titanosaurs)は、竜脚類恐竜の分類群であり、サルタサウルスやイシサウルスがふくまれている。アルゼンチノサウルスやプエルタサウルスなど地球史上最重量級の陸上動物が含まれており、これらは体重90 tにもおよぶと考えられている。したがって、ティタノサウリアという名前(実際にはグループの命名もとになったティタノサウルス属の名が)はギリシャ神話の古き神々であるティーターンに敬意を示して命名されたものである。ブラキオサウルス科と近縁であり、両者でティタノサウルス形類のクレードを形成する。
ティタノサウルス類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ゼンケンベルク自然博物館に展示されているアルゼンチノサウルスの復元骨格 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジュラ紀後期 - 白亜紀後期 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Titanosauria Bonaparte & Coria, 1993 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
下位分類(種) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本文参照 |
ティタノサウルス類は他の竜脚類と比較して小型な頭部を持ち、この頭部はカマラサウルスやブラキオサウルスのものに似て幅が広いものの、それらより伸長している。鼻腔が大きく(マクロナリア)、鼻骨が隆起している。歯はヘラ状(スプーン型)または杭もしくは鉛筆型のものもいるが、総じて小さい。
首の長さは竜脚類として平均的で、鞭状の尾を持つがディプロドクス科に比べると短い。骨盤は他の竜脚類と類似している一方、胸は幅広く 独特の「幅広な」な姿勢になっていた。結果として、ティタノサウルス類の足跡化石は他の竜脚類より幅が広いものになっている。前肢もがっしりしていて、後肢より長い種も多かった。原始的な竜盤類に先祖返りしたように椎骨は密な構造(穴が開いていない)であった。脊椎は他の竜脚類より柔軟で、機敏で後立ちもしやすかった可能性がある。
化石からは皮膚の印象も見つかっており、多くの種では表皮に大きな鱗の周りに小さなビーズ状の鱗がモザイク状に配された装甲を持つことが分かっている[1]その一種であるサルタサウルスでは曲竜類のような骨質のプレートも見つかっている。2011年に発表された研究にでは、(実際に調査の対象となった)ラペトサウルスを含むティタノサウルス類では皮骨は様々な属で一般にみられ、激しい乾燥などの気候変化時におけるミネラル分の貯蔵庫であった可能性が示された[2][3]。ティタノサウルス類は全て巨大であったが、多くは他の巨大恐竜と比較して平均的な大きさであった。マジャーロサウルス(Magyarosaurus)のように島に生息した矮小種もおり、これはおそらく異所的種分化および島嶼化によるものである。
派生的なティタノサウルス類では両凸型(椎体の関節面が前後とも凸)の椎骨を持っていた[4]。 原始的な状態では両平型もしくは両凹型であった。[4]。ヴェネノサウルスでは両者の中間的な状態であった[4]。
ティタノサウルス類は白亜紀末の大絶滅前の最後の竜脚類の大グループであり、9000万年前から6500万年前の間、支配的な草食動物であった。化石証拠からはディプロドクス科やブラキオサウルス科などの他の竜脚類がジュラ紀末から白亜紀中ごろまでに絶滅し、これと取って代わったことが示唆される。
ティタノサウルス類は生息範囲が広く、2011年12月にはアルゼンチンの研究者により南極大陸での発見の報告があり、これにより全ての大陸から化石が発見されたことになる。4体の保存状態の良いティタノサウルス類の種の化石がイタリアで発見され、2006年5月2日に報告された[5]。ティタノサウルス類は特に南半球の大陸(超大陸ゴンドワナの一部だった)で多く発見されている。オーストラリアでは9600万年前に生息していた。化石はクイーンズランド州で発見されており、体長は25 mほどである[6][7]。またニュージーランドでも化石が発見されている[8]。
白亜紀のティタノサウルス類の糞石に含まれるプラント・オパールや珪化した植物片から広範な植物を選ばず食べていたようだ。2005年に発表された発見では、ソテツや針葉樹といった可能性があるものと期待された植物の化石に加え[9]ヤシ科やイネや竹の祖先を含むイネ科を含む広範な単子葉類にもおよんでおり、草食恐竜と草本の共進化という推測も生じた。
アルゼンチン、パタゴニアのアウカ・マウエボ(Auca Mahuevo)では、サルタサウルスと思われる大規模なティタノサウルス類の営巣跡が発見された。またスペインでも別のコロニーの報告がある。ここでは何百もの雌が後ろ足で穴を掘り、約25個ずつ卵を産み、砂や草木で埋めた。卵は小さく、直径は11-12 cmで、中には化石化した胚が含まれ、完全な皮膚の印象が残されていた。この印象からティタノサウルス類は小さなビーズ状の鱗のモザイク状の装甲に覆われていることが分かった[1] 。膨大な数の個体は群れで行動していた証拠であり、装甲とともにアベリサウルスなどの大型の捕食者から身を守ることが可能であったと推定される[10]
ティタノサウルス類では足跡化石が発見されている。そこには天敵の獣脚類アベリサウルス類の足跡も隣接して発見されたため、両者の間に衝突や争いがあった事が示されている[11]。
ティタノサウルス類は化石記録は断片的ながらも広範に生息しており、平原に住む草食動物としては成功したグループである(現在までに知られている竜脚類の多様性のおよそ1/3におよぶ)。頭骨およびほぼ完全な骨格発見されたのはごく最近になってであるが(ラペトサウルスを参照)、今までにおおよそ50種のティタノサウルス類が発見されている。多くの種についてはあまりよく知られていない。 これらの大部分は系統群の理解が進んだ結果、再分類や属の改名がなされる可能性がある。
ティタノサウルス科(Titanosauridae)は部分的な大腿骨と不完全な尾椎に基づき1877年にリチャード・ライデッカーにより記載された情報の乏しい属であるティタノサウルスにもとづくものである。以来、分布がアルゼンチン、ヨーロッパ、マダガスカル、インド、ラオスにわたり、白亜紀の6000万年の期間地層から発見された14種がティタノサウルスとされた。ティタノサウルス類の分類と生物地理学の中心となる存在であるにもかかわらず、全てのティタノサウルスの種の再評価の結果これらには5つしか識別可能と認識することが出来なかった。タイプ種T. indicusは「時代遅れな」形質に基づいている、つまり、かつて属を識別可能と見られた特徴がその後、広い分類群に分布していることがわかったため、無効な名前である。その結果、ティタノサウルスの属名を使用することは一般的に放棄されている。そのため、よく知られたティタノサウルスの標本は別の属に移され、例えばイシサウルスやネウクエンサウルス(Neuquensaurus)となっている。
研究者の中には(セレノ, 2005などのように [12][13]) ティタノサウルスは科の名(例えばティタノサウルス亜科(Titanosaurinae)、 ティタノサウルス科(Titanosauridae)ティタノサウルス上科( Titanosauroidea))の基となるタイプ種としてはあまりにも情報が乏しく、他の属を指定すべきであると主張している。またWeishampelらも The Dinosauriaの第2版においてティタノサウルス科を使用せず、代わりにより小さな範囲のティタノサウルス類の科であるサルタサウルス科(Saltosauridae)やネメグトサウルス科(Nemegtosauridae)を使用している[14]。
特に断りのない限り、科のレベルの分類はHoltz (2012)に従った[15]。
The Dinosauria第2版においてはクレード ティタノサウリアはブラキオサウルスよりサルタサウルスに近縁な全ての竜脚類と定義している[14]。またポール・セレノなど一部の研究者はブラキオサウルスのかわりにエウヘロプスを使用している[12]
ティタノサウリア内の種の関係については歴史的に研究ごとに大きな違いがあり、クレードや階級名については研究者間で適用に関して 一貫性が無い。一つの可能性のあるクラドグラムとしてCalvoらによる2007年の解析によって得られたものを示す。筆者らは最近の他の研究者による一般的な定義よりTitanosauridaeを広い意味で使用し、また新たなクレード名としてLognkosauriaを使用している[23]
Titanosauria |
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