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ラム (Ram) は、伊・米の自動車メーカーフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がラム・ブランドとして製造・販売するフルサイズピックアップトラックである。以前はFCAの前身でもあるクライスラーがダッジブランドで販売していたが、2009年(2010モデルイヤー)からはダッジから独立してラム・ブランドで販売されている。
初代のダッジ・ラムはラムのボンネットマスコットの付いた1930年代のダッジ車から命名された。その特徴の無い外観や、ATしかなくタコメーターもないなど、快適とは程遠い内装のため販売面では振るわず、フォードのFシリーズやシボレーのC/Kシリーズに大きく水をあけられた。
1989年にカミンズ製直列6気筒渦流室式ディーゼルターボエンジンが追加された。
ラリー、レースでの活躍は、発売年の1981年、WRCサファリラリーのグループ2エントリーでSUVの「ラム チャージャー」を4台体制でスポット参戦する。結果は並居る常連勢に続いて2台(9、10位)完走し、ポイント圏内に入るものの、残る2台は、ヨーロッパ勢のワークス・チームを離れたサンドロ・ムナーリも駆っていたが、ギアボックストラブルでリタイヤに終わっている[1]。
ダッジ・ラム(2代目) | |
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ボディ | |
ボディタイプ |
2ドア 4ドア |
駆動方式 |
FR 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
3.9 L Magnum V6 175hp 5.2 L Magnum V8 5.9 L Magnum V8 5.9 L B5.9 diesel 直6 8.0 L Ram Tough V10 300 hp 5.9 L ISB diesel I6 5.9 L Magnum V8 |
変速機 | 4AT、5MT、6MT |
車両寸法 | |
ホイールベース |
3015-3929mm(Ram1500) 3421-3929mm(Ram2500、Ram3500) |
全長 |
5184mm、5692mm、6200mm(Ram1500) 5692mm、6200mm(Ram2500、Ram3500) |
全幅 |
2014mm、2017mm(Ram1500、Ram2500) 2375mm(Ram3500) |
全高 |
1892mm、1895mm、1897mm(Ram1500) 1908mm、1958mm(Ram2500) 1961mm、1966mm(Ram3500) |
第二世代のラムは徹底した顧客調査の結果得られた情報を元にリデザインされた。顧客調査の結果、この手のフルサイズピックアップトラックを買うカスタマーたちは、より押し出しの強くてあくの強いデザインを好むことが分かっており、それを元に設計された。そのフロントフェイスに見られるトラクターのような造形や、一目でそれと分かる巨大なフロントグリルはライバルであるフォードやシボレーとは一線を画し、それまでの4倍以上の年間販売台数を稼ぎ出した。1994年の北米カー・オブ・ザ・イヤーのトラック部門で受賞。しかしながら、モデル末期においてもフォード、シボレーに販売で追いつくことは無かった。
ダッジ・ラム(3代目) | |
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前期型クワドロキャブ | |
2005年SRT-10 | |
後期型1500 BIG HORN EDITION | |
概要 | |
販売期間 |
2002-05(前期) 2005-07(後期) |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドア 4ドア |
駆動方式 |
FR 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
3.7 L PowerTech V6 4.7 L PowerTech V8 5.9 L Magnum V8 8.0 L Magnum V10 5.9 L ISB diesel I6 5.7 L Hemi V8 8.3 L Viper V10 |
最高出力 | 257 kW (349 PS)/5400rpm |
最大トルク | 508 N⋅m (51.80 kgf⋅m)/4200rpm |
変速機 | 4AT、5AT、6MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3061-4077mm |
全長 | 5276-6342mm |
全幅 |
2019-2032mm(全モデル) 2022mm (Ram2500) 2438mm(Ram3500) |
全高 | 1913-2047mm |
この第三世代のラムはエンジン、トランスミッション、サスペンション、フレームなどを一新して投入された。そのキャラクターアイコンとなっていた巨大なフロントグリルはさらに巨大になり、第二世代でつかんだ顧客の目をさらに釘付けとすることに成功した。4輪駆動モデルの1500シリーズはフロントが独立懸架サスペンションになったものの、2500/3500シリーズはリジッドアクスルを踏襲した。これは重量付加に対する耐久性を考慮したものである。5.7L V8エンジンは、かつてのクライスラーの半球型燃焼室を持つ「Hemi」エンジンを改良した新世代Hemiとよばれる独特のエンジンとなり、このエンジン音を好むファンも多い。
2003年にはシリーズ最大の年間45万台を売り上げるが、ライバルであるフォードとGMの100万台には遠く及ばなかった。
2004年12月にはディーゼルエンジンとハイブリッドシステムを搭載したモデルを100台製造し、大半が製造前に売れたと発表した。しかしながら故障や問題が多発したため、ダッジは自社開発を断念し、BMWとGMと共同開発することを選択した。また2005年10月13日、米環境保護局(EPA)とエネルギー省が発表した2006年型乗用車の燃費番付の調査結果では、同車の二輪駆動モデルが最下位となった。実燃費は市街地走行モードで1リットル当たりわずか3.8キロとなっている。また、2005年2月のシカゴ・モーターショーでは、後期型で投入された"ラム・キャブエクステンデッド"が公開された。これはその名のとおりキャビン部分を延長したモデルで、最大6人が乗れる2列のシートはピックアップ史上最大級であった。また同ダッジブランドのスーパー・スポーツ、「ダッジ・バイパー」と同じ8.3 L・500馬力の大型エンジンを搭載する「SRT-10」というグレードもある。ホイールはピレリの22インチタイヤが搭載されていた。このモデルは最高速度247.3 km/hをたたき出し、世界一速いピックアップトラックとしてギネスブックにも載っている。
2005年、フェイスリフトを受けた後期型モデルが登場。ヘッドライトの目がつり上がり、アグレッシブさが増した。また2007年には、2008年モデルの1500シリーズのフロントドア横のエンブレムが「RAM 1500」から「RAM」に変更されている。モデル末期である2007年には北米のピックアップトラック市場にフルモデルチェンジを受けて、よりラムに近い性格を持たされたトヨタ・タンドラが投入され、ダッジはラムの販売を維持するために2008年に第四世代の投入を発表した。ピックアップトラックの人気が非常に高いテキサス州向けには「ローンスター・エディション」と呼ばれる地域限定仕様があり、州内では人気が高い。
(ダッジ・)ラム(4代目) | |
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Ram1500 Quad Cab | |
Ram1500 Rebel (フロント) | |
Ram1500 Rebel (リア) | |
概要 | |
販売期間 | 2008年-2019年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2-6人 |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 |
FR 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
3.7 L PowerTech V6 4.7 L PowerTech V8 5.7 L Hemi V8 6.7L Cummins Turbo-Diesel |
変速機 | 5AT、6AT、6MT |
車両寸法 | |
ホイールベース |
3048mm(ショートヘッド) 3556mm(ロングヘッド、クワッドキャブ) |
全長 |
5309mm(レギュラーキャブ) 5779mm(クワッドキャブ) 5817mm(クルーキャブ) |
全幅 | 2017mm (Ram1500) |
全高 | 1862-1900mm |
デトロイトモーターショーで発表された第四世代のラムは、5.7 L HEMI V8エンジンは35hp 向上して380hp(283kW)を発揮し、そのトルクは404 ft·lbf(548 N·m)である。燃費も若干向上する模様。4.7 L PowerTech V8は310hp(231kW)、330 ft·lbf(447 N·m)、 3.7L PowerTech V6は215 hp(160 kW)、235 ft·lbf(319 N·m)を発揮する。
最大の変更点はリアサスペンションのコイル化である。耐久性のために長年トラックのお決まりになっていたリーフ式サスペンションから、ハンドリング性能の追求のために5リンク式サスペンションに変更された。
デザインは先代よりもさらに直線的で角張ったものとなっている。またリアエンブレムは、「DODGE」の文字だけのものから、「DODGE」の文字が入ったダッジのロゴに変わった。
2008年9月25日にテキサス州ダラスで開かれたイベントで、テキサス州限定で発売する「ローンスター・エディション」が発表された[2]。フォグライトや2本出しマフラー、テキサス州の形をモチーフにした専用エンブレムなどが搭載されている。
2009年モデルとして、2008年秋から発売されている。長年のライバルであるフォード・F-150も2009年モデルは全面改良されており、競争が激化するものと思われる。
2011年からはクライスラーがメキシコ・サルティヨ工場で日産向けにタイタンの後継車としてダッジ・ラムをOEM供給する予定だったが、2009年4月にクライスラーが破産法適用を申請したのに加え、フィアットと提携する事が決定したため、同年8月に契約解消が発表された[3][4]。
2019年になり、新型の1500が発表されてからは、「1500クラシック」として販売を開始した[5]。新型にはないレギュラーキャブの取り扱いとともに価格を抑えた車両として販売が継続された[5]。
ラム(5代目) | |
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Ram 1500 Big Horn | |
Ram 1500 HEMI | |
インテリア | |
概要 | |
販売期間 | 2019年- |
ボディ | |
乗車定員 | 2-6人 |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
エンジン位置 | フロント[5] |
駆動方式 |
FR 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
ガソリン: 3.6L V型6気筒[5] 5.7L V型8気筒[5] ディーゼル: V6エコテック[5] |
最高出力 |
ガソリン: 5.7L V8 HEMI 291 kW (396 PS)/5600rpm[5] |
最大トルク |
ガソリン: 5.7L V8 HEMI 410 N⋅m (41.81 kgf⋅m)/3950rpm[5] |
変速機 | 5MT、6AT、8AT |
車両寸法 | |
ホイールベース |
3,673 mm(クルーキャブ) 3,899 mm(クルーキャブロング) 3,569 mm(クワッドキャブ) |
全長 | 5814mm(クワッドキャブ)[5] |
全幅 | 2084mm(クワッドキャブ)[5] |
全高 | 1973mm(クワッドキャブ)[5] |
2018年にデトロイトにて開催された北米国際オートショーにて発表された。4代目からは数えて約10年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
外見は一新され、それまで採用していたクロスヘアグリルを廃止し、新たに6角形グリルの中央に「RAM」という文字が書かれたフロントグリルを採用。ボディについても従来より100kgもの軽量化を果たしている。
1500に搭載されるパワートレインには新たに「eTORQUE」というマイルドハイブリッドを設定し、3.6L ペンタスターV6と5.7L HEMI V8それぞれにラインナップされた。このほか、減速中にエンジンへの燃料供給を一時的に停止するiDFSO(Interactive Deceleration Fuel Shut Off)を搭載したことにより従来より燃費が飛躍的に上昇した。また、ヘビーデューティーには従来同様にカミンズ製のディーゼルエンジンもラインナップされている。
ライバルたちがディーゼルエンジンもV8であったなか、長年にわたり、カミンズの直6ディーゼル搭載車をラインナップし続けていたため、トレーラーの牽引用に購入する場合、カミンズエンジンにこだわるファンも多い。
ダッジ・ラムは1994年にモーター・トレンド誌のトラック・オブ・ザ・イヤーを受賞している。そして、同車のヘヴィ・デューティというモデルは2003年に同じ賞を受賞している。
また、かつては商用バンに「ラム」の名を冠したモデル(ダッジ・ラムバン)も存在していたが2003年に製造終了した。なお、ラム・トラックス設立後はダッジ・キャラバンベースの「ラム・カーゴバン」、およびフィアット・デュカートベースの「ラム・プロマスター」といった商用バンが相次いで発表されている。
一部車両は車両総重量が6000kgを超えるため、そのような車両は日本では準中型自動車に分類される。2017年3月以降に普通自動車免許を取得した場合、運転できない。
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