Loading AI tools
ウィキペディアから
タトラT5は、かつてチェコスロバキア(現:チェコ)のプラハに存在したČKDタトラが製造した路面電車車両(タトラカー)。従来の車両から設計方針、車体や機器など様々な要素の変更が行われ、以降の車両にも継承される新技術を多数導入した形式である[6][2]。
タトラT5 タトラT5A5 タトラT5B6 タトラT5C5 | |
---|---|
タトラT5B6 | |
基本情報 | |
製造所 | ČKDタトラ |
製造年 |
T5A5 1972年、1981年 T5B6 1976年 T5C5 1978年 - 1984年 |
製造数 |
T5A5 2両 T5B6 2両 T5C5 322両 |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軸配置 | Bo'Bo' |
軌間 | 1,435 mm(T5A5、T5C5)、1,524 mm(T5B6) |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | T5A5 80 km/h |
車両定員 |
T5A5 135人(着席20人) T5B6 166人(着席40人) T5C5 100人(着席28人) |
車体長 |
T5A5 14,300 mm T5B6 15,100 mm T5C5 14,700 mm |
車体幅 |
T5A5 2,500 mm T5B6 2,600 mm T5C5 2,500 mm |
車体高 | 3,145 mm |
主電動機出力 |
T5A5 40 kw T5B6 40 kw T5C5 45 kw |
出力 |
T5A5 160 kw T5B6 160 kw T5C5 180 kw |
制御方式 | サイリスタチョッパ制御、抵抗制御(8000、製造時) |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
チェコスロバキア(現:チェコ)の首都・プラハに工場を有していたČKDタトラは、1947年にアメリカ合衆国のTRC社とライセンス契約を結び、同社が技術を有していた高性能路面電車・PCCカーと同等の機構を持つ路面電車車両・タトラカーの展開を開始した。特に3世代目のタトラT3はチェコスロバキアに加えソビエト連邦、東ドイツ、ユーゴスラビア、ルーマニアなど東側諸国へ向けて1万両以上が製造された[7][8]。
このT3や発展形となる車両の大量生産が続く一方、スミーホフ工場ではT3に代わる新たな標準型路面電車車両の模索が行われていた。1967年以降その動きは本格化し、1972年に以下の革新的な要素を有する新型電車・T5A5(8000)の試作が行われた[3][9]。
T5A5(8000)の製造以降、タトラ国営会社スミーホフ工場はソビエト連邦向けのT5B6、ハンガリー向けのT5C5の開発を実施したが、量産されたのはT5C5のみであり、それ以外の形式は費用の高騰や制御装置開発の難航、顧客である東側諸国各都市からの拒否など様々な理由から試作車のみの製造に終わった。これらの車両で導入された新技術や新要素は1980年代以降、T5の発展形となるT6や連接車のKT8D5へ活かされる事となった[3]。
チェコスロバキア向けに開発された車両。形式名の「A5」は「台車中心間距離6,700 mm・片方向型(A)、車幅2,500 mm(5)」を意味する。1970年代と1980年代に車体や機器が異なる2両が製造された[3][5]。
車両限界が広いソビエト連邦向けに開発された車両。形式名の「B6」は「台車中心間距離7,500 mm・片方向型(B)、車幅2,600 mm(6)」を示し、制御装置にはTV1形を改良したTV2形(サイリスタチョッパ制御)が用いられた[2][4][5]。
1976年に2両(8009、8010)が試作され、各地で行われた試験運転で良好な成績が得られたものの、購入費用が嵩む事からソ連は従来の安価なT3SUの導入の継続を決定し、T5B6の量産は行われなかった。その後は2両ともチェコスロバキア(現:チェコ)のモスト・リトヴィーノフ市電で1990年まで使用され、2020年現在も1両が歴史的な車両として動態保存されている[2][4][14]。
それまでハンガリーの各都市へ路面電車車両を供給していたガンツ-マーバグの生産力低下に伴い、ブダペスト市電に導入された車両。片運転台の車両を背中合わせに繋いだ2両編成以上での運用を前提にしているため、乗降扉は車体両側に設置されており、形式名の「C5」も「台車中心間距離6,700 mm・両方向型(C)、車幅2,500 mm(5)」と言う意味である。T5系列の中で唯一量産が行われ、1978年から1984年まで322両が製造された[2][5][15]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.