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カフェイン
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カフェイン(英語: caffeine)は、アルカロイドの1種であり、プリン環を持ったキサンチンと類似した構造を持った有機化合物の1つとしても知られる。ヒトなどに対して興奮作用を持ち、世界で最も広く使われている精神刺激薬である[10]。カフェインは、アデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用[11]を示す。
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
発音 | [kæˈfiːn, ˈkæfiːn] |
Drugs.com | monograph |
胎児危険度分類 | |
法的規制 |
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依存性 | 精神的依存: 低[5] |
嗜癖傾向 | 低[4] / none[1][2][3] |
投与経路 | 経口、吸引、浣腸、直腸、座薬、静注 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 99%[6] |
血漿タンパク結合 | 25–36%[7] |
代謝 | プライマリ: CYP1A2[7] マイナー: CYP2E1,[7] CYP3A4,[7] CYP2C8,[7] CYP2C9[7] |
代謝物質 | パラキサンチン (84%) テオブロミン (12%) テオフィリン (4%) |
作用発現 | ~1 時間[6] |
半減期 | 成人: 3–7時間[7] 新生児: 65–130時間[7] |
作用持続時間 | 3–4 時間[6] |
排泄 | 尿 (100%) |
識別 | |
CAS番号 |
58-08-2 ![]() |
ATCコード | N06BC01 (WHO) |
PubChem | CID: 2519 |
IUPHAR/BPS | 407 |
DrugBank |
DB00201 ![]() |
ChemSpider |
2424 ![]() |
UNII |
3G6A5W338E ![]() |
KEGG |
D00528 ![]() |
ChEBI |
CHEBI:27732 ![]() |
ChEMBL |
CHEMBL113 ![]() |
PDB ligand ID | CFF (PDBe, RCSB PDB) |
別名 |
Guaranine Methyltheobromine 1,3,7-Trimethylxanthine Theine |
化学的データ | |
化学式 | C8H10N4O2 |
分子量 | 194.19 g/mol |
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物理的データ | |
密度 | 1.23 g/cm3 |
融点 | 235 - 238 °C (455 - 460 °F) (anhydrous)[8][9] |
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フリードリープ・フェルディナント・ルンゲによりコーヒーから単離された[注釈 1]。主に、コーヒー飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、コーラ、エナジードリンクや栄養ドリンクなどの飲料、チョコレートなどにカフェインが含まれる。一方で、妊娠期や過敏体質によりカフェインレス・コーヒーなどカフェインを減らした飲料や麦茶などカフェインを全く含有しない飲料の需要もある。
医薬品では総合感冒薬や鎮痛薬などに用いられる。その際の副作用として不眠、めまいなどが含まれる。またカフェインの減量あるいは中止による禁断症状として、頭痛、集中欠如、疲労感、気分の落ち込みなど吐き気や筋肉痛が、およそ2日後をピークとして生じる場合がある[5]。頭痛は1日平均235 mgの摂取で、2日目には52%が経験する[12]。
カフェインは肝臓で発現している代謝酵素の1つであるCYP1A2で代謝されるため[13]、この阻害作用のある薬と併用すると、血中濃度が高まり作用が強く出る薬物相互作用を引き起こし得る。一方、ニコチンにはCYP1A2の誘導作用があるため、習慣的な喫煙によってカフェインの作用は減弱する[14]。なお、カフェインは肝臓でCYP2E1でも代謝される事が知られている[15]。
また、ヒトでは加齢によって身体の水分量低下と相対的な脂肪の増加が発生するため、様々な薬物の分布容積が変化する事が知られており、カフェインの場合は分布容積が減少する[16]。さらに、加齢によってCYP1A2は減少する傾向が有ると考えられている[17]。したがって、高齢者ではカフェインの血中濃度が上昇し易く、作用が増強し易い。