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チリの最高峰 ウィキペディアから
オホス・デル・サラード(スペイン語: Ojos del Salado)は、アルゼンチンとチリの国境に位置するチリ最高峰で、西半球および南半球で二番目に高い。アンデス山脈の成層火山で、標高6893mは世界で最も高い活火山となる。西半球最高峰である6962mのアルゼンチンのアコンカグアの約600km北にある。
アタカマ砂漠に近いため非常に乾燥しており、冠雪はふつう冬の山頂部にしかみられないが、激しい嵐が起こると夏でも数十センチの雪が積もることがある。一般的に乾いた気象条件であるにもかかわらず、東部の6390m地点には直径100m近くの一年を通して涸れない火山湖がある[3]。世界で最も高所にある湖とみられる。
登頂は、ロープを必要とするような難しいスクランブリング地点のある山頂部を除けば、ほぼハイキングの要領で行ける。1937年、ポーランドのアンデス探検隊のヤン・アルフレッド・シュチェパニスキとユスティン・ヴォイシュニスが初登頂に成功した。
山名は、氷河にある巨大な塩坑に由来する[4]。
オホス・デル・サラードが近年活発な火山であることは疑いないが、現在も(あるいは歴史的に)活発かどうかという問題は議論の余地がある。スミソニアン博物館の世界火山プログラム[2]によると、最後の噴火は、かなりのエラーバーがあるがおよそ1300年前とされる。しかし、1993年にも小規模な火山灰の噴出を示す証拠があるため、歴史的に活発な火山として明確に認められる可能性がある。山頂部の噴気孔や、時代は定かでないとはいえ流れ出た溶岩の存在も「活火山」に分類する根拠とされる。その場合、オホス・デル・サラードは地球上でもっとも標高の高い、歴史的に活発な火山ということになる。逆にこれが採用されない場合、「もっとも標高の高い、歴史的に活発な火山」の座は過去何度かの噴火(近年では1877年)が確実で、なお活火山とみなされるユーヤイヤコに帰される。
サラードの岩石は、主にカリウムを多く含むデイサイトとライオデイサイトである。溶岩は黒雲母、普通角閃石、斜長石、不透明体を多く含み、普通輝石、石英、紫蘇輝石は少ない[5]。
オホス・デル・サラードの標高は、現在も議論の的となっている。2006年に「アンデス・マガジン」は、オホス・デル・サラードがアコンカグアよりも高いかもしれないという記事を掲載したが、この主張は古く、精密度の低い高度調査をもとにしていた。これらの古い調査によると、オホス・デル・サラードの標高は7057mで、アコンカグアよりも100mほど高い。1955年にはオホス・デル・サラードの標高を7100mとする推計も出されたが、それは「単に山頂まで数時間かかる最終キャンプの高度をもとにしていた」[6]。1956年、退役中尉のレネ・ガハルド率いる初のチリ隊は、小型高度計で標高7084mを計測した。厳密な方法ではなかった点を別にしても、登山隊が登頂した午後は一般に気圧が低いため、高度計はかなり高い値を示していた[7]。
1980年代から90年代のさらなる調査探検で、近くのピシス山がオホス・デル・サラードよりさらに高いことを示す証拠がもたらされた。しかし、より精密な機器を使ったのちの計測では、オホス・デル・サラードがピシス山より100mほど高かった。さらに2007年には、「アンデス・マガジン」とアジムート360が組織したチリ-アルゼンチン-欧州の合同調査隊が、オホス・デル・サラードとピシス山の双方でより精密な機器を用いた調査を実施した。それによると、前者が6891m、後者が6793mであった[8]。この値は、山頂を6880mから6910mのあいだと推定した近年のGPS調査の範囲内に合致するが、調査隊の機器に10mの誤差があるため[8]、より正確な高度という点では不確かさを残した。
オホス・デル・サラードはアルゼンチン側にひとつ、チリ側にひとつの二つの峰がある(この間に両国の国境が引かれている)。双方の標高差は1mに満たない。
オホス・デル・サラードは、車両で到達できる最高点をきわめたい者に人気の山である。ドイツ隊が三つの連続記録を樹立し、2007年3月には6646mをマークした。2007年4月21日、チリのゴンサロ・ブラーボ・Gとエドゥアルド・カナーレス・モヤはスズキ・サムライで6688m地点に到達し、その記録を破った。この記録は2007年7月、ギネス・ワールド・レコーズに認定された[9]。オートバイでも、2012年3月18日にバートン・チャーチル(アメリカ)、ウォルター・コールバッチ(イギリス/オーストラリア)、ルカス・マッツィンガー(オーストリア)が6361m地点まで登り、世界記録を更新した[10][11]。
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