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みなみのうお座の恒星 ウィキペディアから
みなみのうお座β星(みなみのうおざベータせい、β Piscis Austrini、β PsA)は、みなみのうお座で4番目に明るくみえる恒星である[8]。見かけの等級は4.29と、肉眼でみえる明るさである[1]。年周視差に基づいて太陽からの距離を計算すると、約148光年となる[2][注 1]。重星として知られ、1つの伴星と固有運動を共有する連星系であると考えられる[8][9]。
みなみのうお座β星 β Piscis Austrini | ||
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星座 | みなみのうお座 | |
見かけの等級 (mv) | 4.29[1] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 22h 31m 30.3305233469s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −32° 20′ 45.871070532″[2] | |
視線速度 (Rv) | 5.05 ± 0.14 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 58.640 ミリ秒/年[2] 赤緯: -18.857 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 22.0836 ± 0.2117ミリ秒[2] (誤差1%) | |
距離 | 148 ± 1 光年[注 1] (45.3 ± 0.4 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | 1.0[注 2] | |
みなみのうお座β星の位置(赤丸)
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物理的性質 | ||
半径 | 2.32 R☉[3] | |
質量 | 2.34 M☉[3] | |
表面重力 (log g) | 4.3 cgs[4] | |
自転速度 | 30 km/s[5] | |
スペクトル分類 | A0 V[1] | |
光度 | 31.58 L☉[3] | |
有効温度 (Teff) | 9,599 K[4] | |
色指数 (B-V) | 0.01[1] | |
色指数 (U-B) | 0.02[1] | |
色指数 (R-I) | 0.02[1] | |
金属量[Fe/H] | 0.00[6] | |
年齢 | 1.80 ×108 年[7] | |
他のカタログでの名称 | ||
みなみのうお座17番星, CD-32 17126, FK5 1592, HD 213398, HIP 111188, HR 8576, SAO 213883[2] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
みなみのうお座β星は、同じみなみのうお座で突出して明るいフォーマルハウトと似た、白色に輝くA型主系列星で、スペクトル型はA0 Vと分類される[8][1]。表面の有効温度はおよそ9,600 K、光度は太陽の32倍程度で、半径は太陽の約2.3倍、質量も太陽の約2.3倍と推定されている[3]。年齢は等年齢線に基づいて約1億8千万年と求められ、主系列寿命の3分の1程度しか消化していないとみられる[7][8]。
みなみのうお座β星では、遠赤外域で顕著な赤外超過が検出されており、残骸円盤が存在するものとみられる[10]。円盤の構造は、塵の温度が190 K程度の温かい円盤が、中心星から半径12 au辺りに広がり、その塵の質量は地球の0.013パーセント程度、塵の温度が60 K程度の冷たい円盤が、中心星から111 au辺りに広がり、その塵の質量は地球の0.63パーセント程度と推定される[3]。
みなみのうお座β星には、19世紀にジュゼッペ・ピアッツィが発見した7等星の「伴星」が存在する[15]。南に30.3秒角離れた位置にある、CD-32 17127がそれである[15][9][14]。発見されたとき、伴星はもっと離れた位置にみえており、2つの恒星が太陽から等距離であったとしても、1500 au以上離れているので、連星ではないとも考えられていた[8][15]。
しかし、固有運動を分析したところ、2つの恒星は同じ運動を共有していることがわかり、物理的に結びついた連星であるとする説を支持する結果となった[12]。連星であるとすれば、公転周期は2万4千年を超えるものとみられる[9]。伴星の質量は、太陽とほぼ同じで、スペクトル型はG1 Vと推定されている[12]。
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