Loading AI tools
日本の和歌山県みなべ町の条例 ウィキペディアから
みなべ町紀州南高梅使用のおにぎり及び梅干しの普及に関する条例(みなべちょうきしゅうなんこううめしようのおにぎりおよびうめぼしのふきゅうにかんするじょうれい、平成26年みなべ町条例第23号)は、紀州南高梅を使用したおにぎりの奨励、梅干し等の梅製品の普及促進等を目的とする和歌山県日高郡みなべ町の条例である。略称は、梅干しでおにぎり条例[1][2][3][4][5][6]又は梅干しおにぎり条例[7]。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
和歌山県の梅の生産量は都道府県別で全国一であり[8][9]、その中でもみなべ町は日本一の梅産地である[3]。また、同町は南高梅発祥の地でもあり、同町の就業人口の大部分が梅関連に携わっているなど、同町と梅産業は極めて密接な関係にある[7][10]。
しかし、近年は全国的に梅の需要が低下しており、総務省の調査によれば、梅に対する1世帯当たりの年間支出額は1999年(平成11年)から2019年(令和元年)の間に約2割も減少しており[6]、購入量も2002年(平成14年)がピークであり、2017年(平成29年)にはその約7割まで減少してしまった[7]。これにより、価格の低下や消費量の低下が起こり、みなべ町の地域経済に深刻な影響を与えていた[1]。
消費量の減少は特に若年層の梅離れから来ていると見られ、70歳以上の世帯と20歳未満の世帯では、梅に対する年間支出額もその購入量も約5倍の開きがあった。若年層が梅を嫌う理由は、酸っぱいことを毛嫌いしていると考えられている[6][7]。
そこで、自身も梅農家である下村勤町議(みなべ町議会産業建設常任委員会委員長)が、梅干しを使ったおにぎりを奨励して地産地消により梅の消費拡大を狙い、町民の意識を高めることを目的として[2][6][5]条例の制定を提案した。
制定に当たっては、2014年(平成26年)9月17日に紀州梅干生産者協議会、紀州梅干組合、紀州農業協同組合等と意見交換会を開き関係者の意見を聞いた上で、委員会発議で本条例案を提出し[1][2]、同月26日、全会一致で本条例は可決され[4]、同年10月1日から施行された。
全5条からなる短い条例である。本条例には前文が付されており、本条例の趣旨・目的が述べられている。
梅干しに代表される梅関連商品(以下「梅干し等の梅製品」という。)は、古くから保存食として、また、健康食品として親しまれ、認知されてきた。本町は、日本一の梅の町として、また、南高梅が誕生した町として知られている。そして今日では、全国トップブランドの梅干しとして、最高の品質そして機能性の高い健康食品であると認められ、梅産業は本町の重要な基幹産業として発展を遂げてきた。ここに、町並びに梅の生産に携わる者(以下「生産者」という。)及び梅干し等の梅製品の生産又は販売を業として行う者(以下「事業者」という。)が連携を図りながら、それぞれの役割を果たし、町民の協力をもって紀州南高梅を使用したおにぎり(以下「梅干しでおにぎり」という。)を奨励し、梅干し等の梅製品を積極的に普及することにより、梅の消費拡大を図り、更なる紀州南高梅ブランドの確立、梅関連産業の振興発展及び地域の活性化並びに町民の健康の維持・増進の視点から、町の合併10周年を期に、この条例を制定する。 — みなべ町紀州南高梅使用のおにぎり及び梅干しの普及に関する条例
本条例が施行されてから、毎年6月6日の梅の日に、みなべ町小中学校において給食の時間に梅干しでおにぎりを児童らが自分で握って食べるようになった[5][6][11]。その他、給食でも梅を使った献立が提供されている[6]。
また、本条例の制定をきっかけに、南魚沼市コシヒカリの普及促進に関する条例(平成25年南魚沼市条例第38号)を定める新潟県南魚沼市との間で「日本の食文化推進連携協定」を結び、小学校同士で交流が行われたり、首都圏での販売促進での協力、食材の相互融通等が行われている[12][13][14]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.