neno

アイヌ語

カナ表記 ネノ

発音

• IPA^(?): /né.no/

語源

ne「である」 +‎ -no (副詞形成接辞)

副詞

néno (後置副詞)

1. (後置用法) ～ように。〜ような。
   • okkaypo utar nani ewkimatekka p ne kusu neno iki pa hine.^[1]

     若者たちはそれでみな慌てて、私の言ったようにした。

   • iteki neno an wen puri kor” sekor a=ye kor a=kaspaotte kor a=hopunire ruwe ne akusu ne ancikari wentarap=an.^[2]

     そのような悪い振る舞いをしてはいけないよ」と私は言いながら説教をして、私は帰って来るとその夜に夢を見た。

   • nep ka terketerke hum neno kane humas kor hinak un arpa hine isam oraun pinuno pasrota=an.^[3]

     なんかぴょんぴょん跳びはねる音のように聞こえながらどこかへ行ってしまった。それから私はこっそりと罵った。

   • nea menoko a=aki hi macihi ne yakka opitta neno a=kar hine.^[4]

     あの女、弟の嫁も皆そのようにしてやったのです。

   • tan a=kor okkaypo e=ne wa kunne iwan to tokap iwan to neno eun hawas hawe e=ikokanu en.^[5]

     わが青年よ、六日の夜と六日の昼の間、そのように聞こえる音をお前はよく聞きなさい。

2. (文頭用法) このように。同様に。同じように。あのように。そのように。〜も。
   • sipine=an anak ki wa an=an korka tasiro ka a=sitomusi neno an=an korka oraun moymoyke ka a=etoranne.^[6]

     身支度はしていたけれど山刀も身につけていたけれども、動くのも億劫だった。

   • nea a=onaha anak neno hotke wa patek an kor.^[7]

     私の父は、同じように寝てばかりいました。

   • itanki huraye a huraye a wa ani i=ipere. ora onuman iwak kor suy nani neno iki wa,.^[8]

     お椀を洗って洗って、それで私に食べさせてくれた。それから夕方になると若者は帰ってきて、すぐ同じようにした。

   • neno iki tane anak arwenkamuy ne a=kar wa poon popo ne wa soyne siri e=nukar kusu. tane anak eci=sitoma p ka isam na.^[9]

     あのようにして、今は全く悪い神に私がしてやりほんの小さなものになって外へ出て行ったのをお前は見たのだから今はもう、お前たちが恐れるものはない。

参考文献

1. 貝澤とぅるしの (1969), “2-6 ウエペケㇾ「パㇱクㇽ ウタサ イタㇰ ヒ アヌ」（カラスのおしゃべりを聞く）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
2. 貝澤とぅるしの (1969), “5-2 ウエペケㇾ「スルクマ ッ チクペニカムイ イカオピューキ」（トリカブトとエンジュのカムイが私を助けた）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
3. 貝澤とぅるしの (1969), “6-3 ウエペケㇾ「チシナオッ イタㇰ ハウェ アヌ」（死人の声を私は聞いた）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
4. 木村きみ (1969), “20-2 ウエペケㇾ「チナナサパ」（ホッチャリの頭）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
5. 黒川てしめ (1969), “23-6 ウエペケㇾ「ピラトルン ヌプㇽ エカシ」（平取に住む巫術の老人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
6. 平賀さだも (1969), “11-4 ウエペケㇾ「ユペッホントムンクㇽ」（湧別の中流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
7. 鍋澤ねぷき (1969), “17-2 ウエペケㇾ「トランネ アオナ トゥラ オカ アン」（怠け者の父と暮らす）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
8. 木村きみ (1969), “21-2 ウエペケㇾ「アサハ セタネ イカㇻ」（姉が私を犬にした）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
9. 黒川てしめ (1969), “23-5 ウエペケㇾ「 ペトウエカリ ウン カムイ」（川の合流地の神）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月

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