kani

日本語話者は日本語のアクセントの影響を受けないように注意

kani

古く北前船などによって、日本語関西方言が物とともにアイヌ語に持ち込まれたもの。そのため、第二音節にアクセントが来ず、元の関西アクセントを保存している。

kani （沙流、千歳方言の日常語で。韻文の場合では、及び多くの方言ではkuani）

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アイヌ語各方言の人称代名詞
		沙流方言^[1]	十勝方言	ライチシカ方言
一人称	単数	káni (カニ)	kuani (クアニ)	kuani (クアニ)
一人称	複数^{[注 1]}	cóka (チョカ)	ciokay (チオカィ) / ciutari (チウタリ)	anoka (アノカ) / anokayahcin (アノカヤㇵチㇴ)
二人称	単数^{[注 2]}	eáni (エアニ)	eani (エアニ)	eani (エアニ)
二人称	複数^{[注 2]}	ecioká (エチオカ)^{[注 3]}	eciokay (エチオカィ) / eciutari (エチウタリ)	ecioka (エチオカ) / eciokayahcin (エチオカヤㇵチㇴ)
三人称	単数	sinúma (シヌマ)	anihi (アニヒ)	（なし）
三人称	複数	oká (オカ)	okay (オカィ)	（なし）
不定称 ^{[注 4]}	単数	asinúma (アシヌマ)	anokay (アノカィ) / anutari (アヌタリ)	（なし）
不定称 ^{[注 4]}	複数	aoká (アオカ)	anokay (アノカィ) / anutari (アヌタリ)	（なし）

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[注 1]
除外的一人称複数（話し手の「私」と第三者の「彼ら」を含み、聞き手の「あなた」を含まない）
[注 2]
敬称ではない
[注 3]
沙流方言の二人称複数の敬称については、utar (ウタㇻ)やutaroka (ウタロカ)の形もあると言う。
[注 4]
不定称は、不定の指示対象のみでなく、包括的一人称複数（話し手の「私」と聞き手の「あなた」、あるいは話し手の「私」と聞き手の「あなた」と第三者の「彼ら」）、二人称単数・二人称複数の敬称及び話者指示的な（logophoric ^[2]、すなわち引用文において意識主体を表す）人称も表す。）

[1]
田村すヾ子 (1971). “アイヌ語沙流方言の人称代名詞”. 言語研究 1971 (59): 1–14. doi:10.11435/gengo1939.1971.59_1.
[2]
Anna Bugaeva (2008). “Reported Discourse and Logophoricity in Southern Hokkaido Dialects of Ainu”. Gengo Kenkyū (133): 31-75.

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