ねこそぎ

日本語

発音

• (東京式) ねこそぎ [nèkósógí] (平板型 – [0])
• (東京式) ねこ​そぎ [nèkóꜜsògì] (中高型 – [2])
• IPA^(?): [ne̞ko̞so̞ɡʲi]

名詞

ねこそぎ【根刮ぎ】

1. 根を刮（こそ）ぐこと。草木を根まで残さず引き抜くこと。
   • それから大水が流れて来た。河というよりも滝というべきで、石を転ばせ木を倒し、灌木の茂みを根こそぎにし、そうして人間を押し流した。（国枝史郎『神秘昆虫館』）
2. （比喩的に）ことごとく除去すること。
   • 恋のみか、生命をかけた仕事までが根こそぎになったという意識が、かれの心から考える力をも感ずる力をも完全に奪ってしまったかのようであった。（下村湖人『次郎物語 第五部』）

動詞

ねこそぎ-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
ねこそぎ	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	ねこそぎしない	未然形 + ない
否定(古風)	ねこそぎせず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	ねこそぎされる	未然形 + れる
丁寧	ねこそぎします	連用形 + ます
過去・完了・状態	ねこそぎした	連用形 + た
言い切り	ねこそぎする	終止形のみ
名詞化	ねこそぎすること	連体形 + こと
仮定条件	ねこそぎすれば	仮定形 + ば
命令	ねこそぎしろ ねこそぎせよ	命令形のみ

活用と結合例

副詞

ねこそぎ【根刮ぎ】

1. 根が刮（こそ）がれるさま。あとかたもなく取り除かれるさま。
   • 新らしい切通しの左側が崩壊して、大きい立木が根こそぎ道端まですべり落ちていた。（宮本百合子『播州平野』）
2. （比喩的に）ことごとく。
   • 進歩党の如きは首脳部を根こそぎ持って行かれる。（海野十三『敗戦日記』）

類義語

根扱ぎ、根刮げ