電子帳簿保存法
日本の法律 ウィキペディアから
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電子帳簿保存法(でんしちょうぼほぞんほう)は、情報化社会に対応し、国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等のため、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等について、所得税法、法人税法その他の国税に関する法律の特例を定める日本の法律である。正式な題名は、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成10年法律第25号)」である。平成10年 (1998年) 7月に施行された。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
この法律は、所得税法、法人税法、消費税法等に規定されている帳簿書類を納税地において書面で保存することが義務づけられているものを、一定の要件のもと電磁的記録等による保存を認めるものである[1]。似た名前の法律にe-文書法があるが、これは商法並びに会社法で保存が義務付けられている文書の電子化を認めるものであり、所管もデジタル庁戦略・組織グループとされ全く異なる[2]。
電子帳簿保存法上、電磁的記録による保存は以下の3つに区分されている。
2021年までは、電子帳簿等保存のための要件の一つに所轄税務署長の承認があり、電子帳簿等保存を始める日の3ヶ月前の日までに下記の書類を提出する必要がある[3]。
2021年までは、スキャナ保存するには「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請」[5]の提出が必要。
平成17年(2005年)の改正時にe-文書法の影響を受けて同法4条3項「スキャナ保存」制度の追加などが行われた。
平成27年度(2015年度)の税制改正によりスキャナ保存制度の要件が緩和され、契約書・領収書について3万円未満という金額上限がなくなった。[6]
スキャナだけでなくデジタルカメラや携帯電話での撮影が許可された。
令和2年(2020年)10月の税制改正では、新たに加えられた電磁的記録方法として、タイムスタンプの代わりに、受け取る側が自由にデータを改変できない「クラウドシステムなどのサービス」を利用することが認められるようになった。[7]
2022年1月より大幅に改正され条件が緩くなった[8]。多くの会計ソフトには電子帳簿やスキャナ保存の機能があるが、それらを個人事業でも利用できるようになった。
この改正が適用前の2019年度末の時点で、スキャナ保存の申請承認件数は、法人が3470社、個人が492人しかいなかった[10]。
2022年1月より電子取引データ(メール添付の請求書、ネット通販の領収書など)は、電子帳簿を利用しているしていないのに関わらず、紙に印刷して保存しておく方法は有効な証拠書類にはならなくなり、電子的な方法で保存しなくてはならない。以下のどれかの方法で保存する必要がある[11]。なお、改正により電子取引データの保存義務が2年間猶予されることになった。
電子取引データのファイルは表計算ソフトなどで索引簿を作り、ファイルの一覧を管理する必要がある。もしくは、ファイル名とフォルダ名に規則的に日付・金額・取引先名を付して管理してもよい[13]。基準の売上高5000万円以下で電子データのダウンロードの求めに応じることが出来る場合は索引要件は不要。同売上高5000万円超であっても、ダウンロードの求めに応じ紙に印刷した書面を日付・取引先で整理している場合にも不要。[14]
項目は、第1条から第11条及び附則である。下位法令として施行規則があるが、施行令は存在しない。
この法律は、国税通則法にいう国税に関して保存すべき帳簿書類について適用される[3]。関税については別途関税法に規定があるが、多くは電子帳簿保存法を準用している[15]。地方税については第747条の2から第755条に別途規定がされているが、第756条の規定により電子帳簿保存法による電子記録は地方税法に基づく電子記録とみなすとなっている。
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