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『長珊聞書』(ちょうさんききがき)は、『源氏物語』の注釈書。
天文年間(1532年 - 1554年)から弘治元年(1555年)の成立と見られる。もとは『源氏物語』54帖にそれぞれ対応する54巻からなったと見られる。この『長珊聞書』は多くの書物からの引用を含んでおり、『河海抄』、『花鳥余情』、『弄花抄』などを多く引くほか、現在では失われた鎌倉時代の注釈書『雪月抄』が桐壺、帚木、空蝉、夕顔に約30ヶ所引用されている[1]。その他『宗牧聞書』や『宗碩聞書』といった近い時代のやはり失われた注釈書からも引かれている。
本書の作者は猪苗代兼純の弟「長珊」とされており、本書『長珊聞書』の書名もそれに由来する。同人は三条西公条による『源氏物語』の講義を受講していたことが三条西実隆の日記である『実隆公記』の大永3年8月20日(1523年9月29日)及び天文2年7月12日(1533年8月2日)の条に記録されており、本書では三条西公条の説を「御説」として多く引用している。
現存する伝本としては以下の2本がある。
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