脳 (食用)
食材としての動物の脳 ウィキペディアから
食材としての動物の脳 ウィキペディアから
動物の脳(のう)は世界各地で食用とされている。ウシ、ブタ、鶏、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サルなどのものが食べられている[1]。
動物行動学者のジェーン・グドールは、チンパンジーがアカコロブスという猿を捕食した際、どのように肉を分け合っているかを調べた。その結果、赤ちゃんザルや子ザルなどの未成熟な個体だった場合には頭を先に食べるが、成熟したサルを頭から食べることは滅多にないことが判明した。子ザルの脳は取り出しやすいのに対して、頭蓋骨が発達した成長した個体の脳は取り出しにくく、他の肉(次に栄養がある内臓部)の方が手軽であるのが理由とされている。脳は、神経系の発達を促す脂質と長鎖脂肪酸を豊富に含んでいて、栄養的に貴重であるという[8]。
脳はその働きを支えるために60%が脂肪であり、それは主要部分である髄鞘の70%が脂肪のためである[9]。また、「ブタの脳のミルク肉汁漬け」(pork brains in milk gravy)140グラム缶の中には、コレステロール3.5グラムが含まれており、これは米国推奨食物摂取量 (USRDA) の11.7倍である[10]。
牛海綿状脳症やクロイツフェルト・ヤコブ病など、伝達性海綿状脳症に感染している動物の脳を食べると、感染してひどい場合には死ぬこともある[11]。また、かつてパプアニューギニアで流行していたクールー病は、長寿の儀式として死者の脳を食べる習慣が原因であった[12]。
2006年、米国の豚肉加工工場で働いていた24人が、微粒子となったブタの脳を吸い込んだことで神経疾患となったと判明した。神経科医は、「ブタの脳組織を吸い込むと、体内で抗体が作られる」「ブタの脳と人間の脳には重複する部分がかなりある。それが問題だった」と述べている[13]。
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 600 kJ (140 kcal) |
1.05 g | |
糖類 | 0 g |
食物繊維 | 0 g |
10.3 g | |
飽和脂肪酸 | 2.3 g |
トランス脂肪酸 | 0.61 g |
一価不飽和 | 1.89 g |
多価不飽和 |
1.586 g 1.225 g |
10.86 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(1%) 7 µg(1%) 88 µg0 µg |
チアミン (B1) |
(8%) 0.092 mg |
リボフラビン (B2) |
(17%) 0.199 mg |
ナイアシン (B3) |
(24%) 3.55 mg |
パントテン酸 (B5) |
(40%) 2.01 mg |
ビタミンB6 |
(17%) 0.226 mg |
葉酸 (B9) |
(1%) 3 µg |
ビタミンB12 |
(396%) 9.51 µg |
ビタミンC |
(13%) 10.7 mg |
ビタミンE |
(7%) 0.99 mg |
ビタミンK |
(0%) 0 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(8%) 126 mg |
カリウム |
(6%) 274 mg |
カルシウム |
(4%) 43 mg |
マグネシウム |
(4%) 13 mg |
リン |
(52%) 362 mg |
鉄分 |
(20%) 2.55 mg |
亜鉛 |
(11%) 1.02 mg |
マンガン |
(1%) 0.026 mg |
セレン |
(30%) 21.3 µg |
他の成分 | |
水分 | 76.29 g |
コレステロール | 3010 mg |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
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