株式会社秋田ト一屋(あきたといちや)は、秋田市南通築地に本社を置く企業。スーパーマーケットを運営する。
山形県酒田市に本拠を置きスーパーを展開するト一屋が秋田県への進出にあたって、1962年に秋田ト一屋を設立[2]。
2001年2月の段階では秋田市内に8店の他、男鹿市や五城目町にも店舗を構えていた。このほか同社は焼肉店を運営する完全子会社のエルバートも設立した。[要出典]
1992年3月期には約95億円の年商を上げていたが、その後、大型店などとの競合激化によって年々売り上げが減少した。また設備資金を借入金に依存していた為に資金繰りが悪化。同社は資本金を減資するなどして金策に努めるが、銀行から新規融資を断られ、自主再建を断念。2001年2月26日、秋田地方裁判所に会社更生法の適用を申請し倒産した。また同日にはエルバートも会社更生法の適用を申請し倒産した。負債総額は両社と合わせて約40億円[2]。
2001年7月23日、秋田地裁は秋田ト一屋の更生手続きの開始を決定し、市内でディスカウント店を経営するドジャース商事の挽野泰次社長が事業管財人に選任された。また同時にエルバートの再生手続きも開始が決定した[3]。挽野社長は事業管財人に選任後に労力の9割を秋田ト一屋に注ぎ、経費の掛かり過ぎていた経営体質を改め[4]、仕入れの効率化や売り場の見直しなどを進めたほか、店舗を5店舗までに削減した[5]。
2006年3月、秋田ト一屋は商工組合中央金庫から約4億円のDIPファイナンス(法的整理企業向けのつなぎ融資)と受け、2014年3月期までとしていた債務の弁済を7年前倒しで完済し[5]、更生計画は終結した。
更生計画の終結によって秋田ト一屋の店舗は「ドジャース」ブランドに転換し、ディスカウントスーパーとして運営されている。
スーパーマーケット
- ト一屋楢山店(秋田市南通築地15-36[1][6]、1976年(昭和51年)4月開店[1])
- 売場面積1,042m2[1]
- 当社が運営するドジャース楢山店[6]。
- ト一屋新屋店 - 秋田市新屋扇町7-44[6]
- ト一屋広面店 - 秋田市広面字宮田20-1[6]
- ト一屋堂の沢店(秋田市寺内堂ノ沢一丁目7番36号[1][6]、1979年(昭和54年)4月開店[1])
- ト一屋男鹿店(男鹿市船川港船川字外ケ沢125-4[1][7]、1976年(昭和51年)12月開店[1])
過去に存在した店舗
スーパーマーケット
- (2代目)ト一屋土崎店(秋田市土崎港南2-3-47[1]、1978年(昭和53年)7月開店[1])
- ト一屋田中店(秋田市手形田中369-6[1]、1972年(昭和47年)7月開店[1])
- ト一屋千代田店(秋田市泉下の町4-1[1]、1973年(昭和48年)3月開店[1])
- ト一屋山崎店(秋田市手形字山崎155[1]、1973年(昭和48年)8月開店[1])
- ト一屋八橋店(秋田市八橋田五郎[1]、1975年(昭和50年)11月開店[1])
- ト一屋手形山店(秋田市広面推子7-2[1]、1975年(昭和50年)12月開店[1])
- ト一屋五城目店(南秋田郡五城目町字上町161-2[1]、1977年(昭和52年)5月開店[1][9])
- 売場面積709m2[1]
- 商工会館の隣接地に出店していた[9]。
- ト一屋仁井田店(秋田市仁井田字上新田101-5[1]、1978年(昭和53年)5月開店[1])
- ト一屋野添店(秋田市広面野添50[1]、1979年(昭和54年)3月開店[1])
- ト一屋飯島店(秋田市飯島緑ヶ丘町16-27[1]、1980年(昭和55年)6月開店[1])
レストラン
- エルバート広面店 - 秋田市広面字堤敷73番1号[要出典]
- ドジャースが運営する焼肉エルバートに移行。閉店。[要出典]
- エルバート山王店 - 秋田市山王六丁目8番20号[要出典]
- 閉店。ドジャース商事へ移行されず、閉鎖されている。[要出典]
- しゃぶ亭えるばーと - 秋田市東通七丁目7番25号[要出典]
- ドジャースが運営するしゃぶ亭えるばーとに移行。閉店。[要出典]
- ぐるまん - 秋田市新屋扇町7番44号ト一屋新屋店2F[要出典]
- ドジャースが運営するぐるまんに移行。後に、寿司工場に転換し、寿司飲食は終了。[要出典]
- エルバート能代店 - 能代市字寺向91番地[要出典]
- 閉店。ドジャース商事へ移行されず、閉鎖されている。[要出典]
- 流通センター(秋田市寺内字三千刈468-1[1]、1971年(昭和46年)8月開設[1])
『会員名簿 1981年』 日本セルフ・サービス協会、1980年12月25日。pp71
「スーパー相次ぎ破たん 秋田ト一屋が倒産、ライト自己破産へ」『朝日新聞』秋田版 2001年2月27日
「スーパーの秋田ト一屋、更生手続き開始 事業管財人にドジャース社長」『読売新聞』秋田版 2001年7月24日
「挽野泰次さん ドジャース商事社長 この人に聞く」『朝日新聞』秋田版 2002年2月25日
「秋田ト一屋 更生計画終結へ 7年前倒しで債務弁済」『日本経済新聞』2006年8月9日
『全国食品スーパー名鑑 1973年版』 食品新聞社、1973年1月20日。pp492
『全国取材 大型店対策を現地に探る』 誠文堂新光社、1978年9月22日。 pp68
『全国商業通覧 第3回 1985年版 東日本 1』 通商産業調査会、1985年3月。pp534