Loading AI tools
地上90km未満の大気圏における、速度マッハ5超での飛行 ウィキペディアから
極超音速機(ごくちょうおんそくき)とはマッハ5.0以上の極超音速:ハイパーソニック(Hypersonic Speed)で飛行する航空機である。なお極超音速の定義に関しては確固たるものはなく、複数存在する。最も簡潔なものがマッハ5.0以上とするもの。他にはよどみ点温度がHigh Temperature Effectを誘発するほど高くなってきたところとするもの、また流体の運動エネルギーが内部エネルギーを大きく上回るところとするもの、などがある。ただしいずれもおよそ同じような定義になる[1]。
マッハ数5.0以上で飛行する航空機が対象となる。スペースシャトルの再突入時なども広義には超音速に含まれるが、極めて特殊な現象が生じるため、取り扱う理論も違ってくる。静圧である高高度の大気圧と、(高マッハ数が示すように)非常に大きな運動エネルギーを合わせると、よどみ点圧力は大変高くなる。同様の理由でよどみ点温度も大変高くなる。さらに特筆すべき特徴として
などが挙げられる[2]。
空力加熱から機体を守るためには特殊な熱防護システムが必要となり、再生冷却等、さまざまなタイプのものが考案され研究が行われている[3][4][5][6]。エンジンは基礎研究の段階でスクラムジェットや空気液化サイクルエンジンや可変サイクルエンジンを使用する。燃料は水素のような火炎伝播速度の速い燃料の使用が不可欠になる[7][8]。ただし水素は液体燃料として運ぶためには高コストな冷却システムが必要であるため、他の燃料を用いるための様々な研究が盛んに行われている。
実験には極超音速に対応した風洞が必要となる[9]。様々な極超音速風洞が存在するが、実験に十分な流れの継続時間を確保し、実際の飛行中のような大変高いよどみ点温度とよどみ点圧力、流れの組成をすべて模擬できる風洞は存在しない。
広義には、宇宙ロケットや弾道ミサイルも、大気圏を飛んでいる間は超音速機といえる。スペースシャトルはX-43に記録更新されるまで、世界最速の航空機として、ギネスブックに登録されていた。
日本では、宇宙航空研究開発機構が2022年7月24日に、極超音速型エンジンの研究のための観測ロケット S520RD1 号機を内之浦宇宙空間観測所から打ち上げて成功させている[10]。
各国ではミサイル防衛網の突破を狙い、ブースターで極超音速まで加速後、目標まで低空を滑空し突入する極超音速兵器の開発が行われている[11]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.