新宮山古墳
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新宮山古墳(しんぐうやまこふん、巨勢山708号墳)は、奈良県御所市稲宿(いないど)にある古墳。形状は円墳(一説に前方後円墳)。巨勢山古墳群を構成する古墳の1つ。奈良県指定史跡に指定されている。
奈良盆地南縁、巨勢山丘陵から東に延びる尾根の先端部に築造された古墳である。これまでに発掘調査は実施されていない。
墳形は円形で、直径25メートル以上を測るが、北東方向を前方部とする前方後円墳の可能性もある[1]。墳丘外表で葺石・埴輪は認められていない[2]。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南東方向に開口する。石室全長13.6メートルを測る大型石室であり、玄室内には奥に緑泥片岩製の組合式石棺を、手前に竜山石製の刳抜式家形石棺を据える。石室内の副葬品は詳らかでない[1]。
築造時期は、古墳時代後期の6世紀中葉-後半頃と推定される[1]。巨勢谷では権現堂古墳に続く時期の築造と想定され[3]、巨勢谷を本拠地とした古代氏族の巨勢氏の首長墓の1つとして重要視される古墳になる。
古墳域は1980年(昭和55年)3月28日に奈良県指定史跡に指定されている。現在では石室内への立ち入りは制限されている。
埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されており、南東方向に開口する。石室の規模は次の通り[1]。
石室の石材は花崗岩。玄室では奥壁・両側壁は3-4段積みとし、袖石は1石とする。
玄室内には、奥に組合式の箱式石棺を、手前に刳抜式家形石棺を据える。箱式石棺は紀の川流域産の緑泥片岩製で、板石を組み合わせて構築されており、赤色顔料の塗布が認められる。家形石棺は兵庫県加古川流域産の竜山石製で、蓋石には短辺1対・両長辺2対の縄掛突起を付す。棺身には稜の面取りが施されるほか、奥壁側には盗掘孔が開けられており、内面には赤色顔料の塗布が認められる[1]。奥棺(初葬棺)の方が格式が高いべきところ、本古墳では前棺(追葬棺)の家形石棺の方が格式が高い点で注目される事例になる[2]。
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