形質
生物のもつ性質や特徴 ウィキペディアから
生物のもつ性質や特徴 ウィキペディアから
形質(けいしつ、trait, character)とは、生物のもつ性質や特徴のこと[1]。 遺伝によって子孫に伝えられる形質を特に遺伝形質と呼ぶが、単に形質と言えば遺伝形質のことを指すことが多い。たとえば髪の色は形質であり、遺伝形質である。また髪の色そのもののこと(黒や白や茶色など)を形質状態と言う。元々は種を見分けるための形態を意味する言葉であった。
形質とは、生物が示し、遺伝によって子孫に伝えられる性質のこと。以下に大分される。
例えば、植物が対象であれば、次のようなものがある。
動物では以下のものも含まれる。
分子形質では、形質が実際に表現されたものを表現型という。両者は混同されがちだが、形質は性質そのものであり、表現型は形質が実現化したものである。例えば、人の「ABO式血液型」は形質であり、個人の「A型・B型・AB型・O型」が表現型である。
形質の取りうる状態を形質状態という。たとえば、花の色は形質、花の色が赤いという状態は形質状態である。
動植物の形質を量的形質と質的形質とに大別する分類がある。
なお、遺伝子レベルでは、量的あるいは質的という区分は、便宜上の区分と言ってもいい。一つの形質が、大きな作用を持つ遺伝子(主働遺伝子)と同時に効果の小さな遺伝子(微働遺伝子)に支配されている場合もある。そのとき、主働遺伝子だけに着目するなら質的な取り扱いができ、微働遺伝子も同時に着目するなら量的な取り扱いをすることになる。
大きな作用を持つ遺伝子がなく、効果の小さい多数の遺伝子のみが関与する場合でも、ある/ないの2値形質や、不連続形質、いくつかの型に分類できるカテゴリー形質となることがある。そのような場合も量的形質としての研究対象となる[2]。例を挙げると、利き手(右利き/左利き)、多因子性疾患の有無(糖尿病、統合失調症など)[3]、ブタが一回の出産で産む子の数、行動特性(数段階に分けた喫煙の頻度[4]など)がある。
形質は遺伝するものであるから、その元の情報は遺伝子にある。個体が持つ遺伝子型が表現型として現れることを形質発現または単に発現という。形質発現は、遺伝子の影響だけではなく、環境の影響も同時に受ける。形態的形質が環境に影響を受け、表現型が変わることを表現型の可塑性という。草木の高さのように表現型が測定値として示されるような形質では、測定値のばらつきの原因の1つとして環境が作用する。
(注)分子生物学分野では、遺伝子から情報が写し取られ生体機能を持つ分子(タンパク質・rRNA・tRNA)が合成されること(遺伝子発現)を単に発現と呼ぶ。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.