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日本の作曲家 ウィキペディアから
山根 明季子(やまね あきこ、Akiko Yamane, 1982年10月1日 - )は、現代音楽の作曲家。大阪府出身。
京都市立芸術大学卒業、同大学院修了[1]。音楽学部賞および大学院賞、京都音楽協会賞を受賞[2]。在学中にドイツのブレーメン芸術大学へ派遣留学、ヨンギー・パクパーン(朴泳姫)に師事した。これまでに作曲を澤田博、松本日之春、前田守一、中村典子、川島素晴に師事。
主な受賞歴として、武生作曲賞2005(入選)、第22回日本現代音楽協会作曲新人賞(富樫賞)、第75回日本音楽コンクール(第1位および増沢賞)、第17回芥川作曲賞(ファイナリスト)、第20回芥川作曲賞がある[1]。
2007年から2013年まで川島素晴と現代音楽コンサートeX.(エクスドット)を主宰[3]。2022年には作曲家の梅本佑利、ヴァイオリニストの成田達輝と共に、アーティスト・コレクティブ「mumyo」(合同会社無名)を設立[4]。
単一の音価が連続する[5]イディオムで知られる。「ヒトガタ」・「水玉コレクションNo.1」でもその芸風は顕著である。その後、「音を視る」[6]というコンセプトから、全終止を頻繁に使い続けるようになり、展開ではなく「丸い」音色の羅列へ向かっている。かつてサルヴァトーレ・シャッリーノはゼロから始まりゼロにおわるcresc,またはdim,の多用[7]で知られたが、全終止で区切られた音色の全体へcresc,またはdimを配置する[8]ことで形を表現している。
また、日本のゲームセンター、パチンコホールの音響空間からアイディアを得た作品や、それら作品の中でチップチューン的な音素材を使用[9]している点も特徴的である。
川島素晴は、山根への指南役として、「水玉コレクションNo.01」が日本音楽コンクールで第1位を受賞するなど出世作となった反面、高評価の陰で「師匠譲りの」という声もあり、自分の影響下にあった感は否めないと振り返っている。しかしその後、デュオ「ROSCO」で開催した二人展では、各自(特に山根)の音楽性を発揮できたことで、確かな手応えをもたらしたと語った[10]。山根本人は、自分と他者との世界観の違いに強い拘りがあり、それがもとで孤独なのだと漏らしているが[11]、川島はこれを、そのような感覚に支配されながら、音を形あるものとして作り出す「苦しい創作を継続している」とし、「視覚的構成」が基本なので音楽的な分析が無用になり、強いて言えば「現代美術やアート」に通じる表現であると評している。「音を視る」というテーゼについては、山根がよりどころとしている「独自の感性」は他者には真似しがたいだけに、論理的な理解を得られにくい弱点があると指摘。それでも、かつてシェーンベルクがロジックとして導入した十二音技法には、感覚だけに頼っていた無調に見切りをつけ、規律や秩序を与えようと創案された背景があるものの、それは発展をもたらす一方で「逃げ」でもあるとし、「感覚のみに従う」山根は、時代を超えた存在であることを匂わせた[12]。また山根は自分の音楽性について、音を色や空間で表現して確かめると川島と「会話が噛み合わなかった」とも語っている[13]。
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