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大崎 貞和(おおさき さだかず、1963年6月19日[1] - )は、日本の法学者。専門分野は、証券市場規制・会社法。国内外の資本市場に関する研究を行う[2][3]。野村総合研究所の主任研究員にして、東京大学大学院法学政治学研究科客員教授・早稲田大学ビジネススクール客員教授・筑波大学大学院ビジネス科学研究科客員教授を務める[2]。
東京証券取引所上場制度整備懇談会委員・内閣府規制改革推進会議委員を経て[4]、2017年現在、金融庁金融審議会・経済産業省産業構造審議会などの委員を務め、証券取引所や日本証券業協会における制度改正の検討にも参加する[2]。
ビットコインなど仮想通貨に日本の個人マネーが殺到し、2017年5月に金の最高値を抜き、25日に年初の3倍となる1ビットコインが2,700ドル台まで上昇するなど、短期の利益を求める投機マネーの影響でビットコインなど仮想通貨の価格が乱高下した際には、仮想通貨について「期待だけで買いが買いを呼んだ17世紀のオランダのチューリップバブルと同じ」と語っている[10]。
女性の個人投資家人口の増加が課題となっていた2014年には、前年に、女性就業者数及び初婚年齢が過去最高の水準に達したことを踏まえ、「女性の就業率が上昇し、晩婚化も進んでいるため、女性が自分で自由に動かせる資金が増えている」と指摘した[11]。加えて、「以前は投資セミナーや投資相談に来る個人投資家というと男性が多かった」としたうえで、今後は、「可処分所得の増加により、女性の株式に対する関心は高まってくる可能性がある」との予測を発表した[11]。
日本における市場間競争について、大崎は、1996年の金融ビッグバン宣言以降、日本においても市場間競争を容認する制度環境が整えられてきたところであり、特に、2004年の証券取引法の改正においては、向かい呑み禁止の撤廃やPTSにおける価格決定方法の1つに競売買の方法が追加されるなど、それまでの取引所中心主義を支えてきた諸規定が大幅に改められ、加えて、2006年の金融商品取引法制定に伴う改正では、取引所の自主規制機能の独立性を高めるための法整備も行われ、競争を推し進めているとの見解を示している[12]。
また、大崎は、日本の市場間競争の現状に、以下の特徴があるとしているとしている。
金融庁及び東京証券取引所は、2016年から2017年にかけて、フェア・ディスクロージャーの導入を検討していた[13]。大崎はこのフェア・ディスクロージャーについて、「企業が特定の人だけに重要事実を伝えてはいけないという趣旨だ。一部の人だけが株を有利に売買できる情報を知るといった不公平な情報開示を防ぐ狙いだが、何でも公表すれば情報が行き渡るという考えは神話に近い。アナリストに情報をきちんと理解してもらって市場に伝えるのも間違ったやり方ではない。」という解釈を日本経済新聞に語っている[13]。加えて、フェア・ディスクロージャーの推進の結果、上場企業側が「規制対象だと思う情報を幅広くとらえすぎて萎縮すれば、情報は質量ともに低下する」として、懸念がある旨を語った上で、「金融庁や東京証券取引所は、上場企業にルールの趣旨と望ましい対応を伝えていかなければならない」と警鐘を鳴らしている[13]。また、日経産業新聞のインタビューに対しては、「金融庁は不安を抱いている企業に対し、アナリストや投資家との対話に消極的になることはない、市場にとって良い情報を提供してほしいということを粘り強く伝えてほしい。規制当局ではないが、経済産業省にも上場企業に対する呼びかけを期待したい。」とのコメントを発している[3]。
金融庁は、2016年末の金融審議会作業部会報告に基づいて、金融商品の販売、開発及び運用を行う金融機関を対象とした「顧客本位の業務運営に関する原則」を2017年に策定した[14]。大崎は、策定者である金融庁には「目先の手数料収入にとらわれた金融商品の推奨や過度に複雑な商品の開発など、顧客本位とは言えない行動が幅広くみられる」との認識があり、それゆえ、「このままでは、国民の安定的な資産形成に向けた投資の裾野の広がりは望み薄だ」との危惧があることが、この原則策定の背景にあると指摘している[14]。一方で、このような行政当局による制度変更があった場合、これに対応する側は、横並びの対応を行いがちであり、「とりわけ金融界にはその傾向が強い。」と指摘した[14]。そのうえで、「決まり文句を並べただけで魂の入っていない方針を作成しても、顧客の利益にはつながらない」として、金融機関ごとの「真摯な取り組みと創意工夫が望まれる」と論評している[14]。
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