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台湾の作家、動物画イラストレーター(チョウ) ウィキペディアから
呉明益(ウ・ミンイ 繁: 吳明益, ローマ字転写:英: Wu, Ming-yi 1971年6月20日生まれ)は、学際的な台湾の作画家、小説家。輔仁大学文学部マーケティング学科 (今はコミュニケーション学部に所属) 出身、国立東華大学の中国語文学の教授、環境活動家でもある。生態学的な寓話『複眼人』(2011年)は2013年に英語版が出版された。チョウのイラストを描き、生態をまとめた著作もある。
1971年生まれ、台湾の桃園出身[1](現・桃園県桃園区)。輔仁大学で学士号(マーケティング)を、国立中央大学で中国文学の博士号を取得し1997年に最初の小説を出版した。
国立東華大学で2000年から中国文学と文芸創作を教えてきた[2]。
著作の《複眼人》(邦題『複眼人』)の執筆にかかる2006年、著述と旅行に時間を費やすと決めると東華大学に辞職を願い出た[3]。
呉は環境をテーマにする[4]。エッセー、短編と長編の小説を著わしアンソロジーを編み、作品は英語、フランス語、トルコ語、日本語、韓国語、チェコ語、インドネシア語に翻訳された。同世代の台湾の主要な作家の1人と見なされている[5]。チョウに関するノンフィクションは中国語圏で広く知られ、《迷蝶誌》(麥田出版社・2000年)と《蝶道》(二魚文化・2003年)では挿絵を描き、デザインを担当した[2]。チョウをめぐる呉の「冒険」は日本の児童文学雑誌で紹介されている[6]。
生態学に寄った寓話またはファンタジーとしての『複眼人』[3][注釈 1](邦題同じ)は、太平洋の架空のワヨワヨ島生まれのアトレという若い島民の物語である[注釈 2]。台湾東岸に到達してみると、そこは太平洋ゴミベルトで発生した「ゴミ渦」が衝突する場所であり、ゴミが山のように漂着する。この本の英訳『The Man with the Compound Eyes』には次の書評がある。
「先住民と現代社会との出会いについて述べた終末論的な環境文学の傑作。海洋ゴミ、資源不足、自己利益の追求が啓発されないまま、台湾の海岸環境は破壊され、それらは素材として華やかではないが〈呉明益〉の文章はそれらを芸術的に粉砕してみせる―アントニオ・チェン[4]。」
著作権代理店は「台湾版の『Piの生活』」と表現している[3]。
著書『單車失竊記』(2015年、邦題『自転車泥棒』[注釈 3])は、第二次世界大戦中の台湾の自転車事情を研究したと解説される[12]。英語訳は2017年に発行[10]、2018年3月にマン・ブッカー国際賞候補に入る。
同書の選考について、賞主催者は中国の圧力を受け作家の国籍表記を台湾から「中国台湾」に変更すると、呉の抗議をメディアが拾い外交論争の中心に出される[13]。2018年4月、マンブッカー国際賞は最終的な発表を行い、「呉明益は『中華民国』作家として登録する」と述べた[14]。呉にはコロナ禍の発言もある(2020年[15])。
1980年代に取材した小説《天橋上的魔術師》はテレビドラマ化をきっかけに、小説の舞台となった商業施設の写真を台湾の国立図書館が公募した[16]。
書評は『歩道橋の魔術師』に越境する文学を[17][18]、また『眠りの航路[19]』から『自転車泥棒』に至る著作に戦争記憶を読み取った[20][21]。
『歩道橋の魔術師』を漫画化した作品は、外務省主催の「第14回日本国際漫画賞」優秀賞を受賞(2020年[22][23][24])。
以下、丸カッコ内は原題もしくは翻訳版の題名。
《睡眠的航線》
《複眼人》
《天橋上的魔術師》
《單車失竊記》
以下、丸カッコ内は英語訳の題名。
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