ホオジロ科

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ホオジロ科

ホオジロ科(ホオジロか、学名 Emberizidae)は、鳥類スズメ目の科である。分類によってはホオジロ亜科 Emberizinaeホオジロ族 Emberizini とも。

南極オーストラリア区以外の世界中に分布する。

系統と分類

要約
視点

科間の系統関係は Klicka et al. (2007)[1]; Weir et al. (2009)[2]より。伝統的に(狭義)ホオジロ科だった属を含む科に☆をつけた。ホオジロ科の内部系統は主に DaCosta et al. (2009)[3]、補助的に Cadena et al. (2007)[4]より。いくつかの単型ゴマフヒメドリ Xenospizaオジロヒメドリ Pooecetesヒバリヒメドリ Chondestesキューバシトド Torreornisアオノジコ Porphyrospizaコクカンチョウ Gubernatrix は系統位置が不明で記載されていない。

nine-primaried
oscines

アトリ科 Fringillidae

New World
nine-primaried
oscines

アメリカムシクイ科 Parulidae

ムクドリモドキ科 Icteridae

ホオジロ科
旧世界ホオジロ類
(buntings)

ホオジロ属 Emberiza

新世界ホオジロ類
(American sparrows)

ヤブスズメモドキ属 Peucaea

イナゴヒメドリ属 Ammodramus

オリーブシトド属 Arremonops

チャガタスズメモドキ属 Rhynchospiza

ヤブフウキンチョウ属 Chlorospingus

スズメモドキ属 Aimophila

? ホオグロシトド Oriturus

カオジロシトド属 Melozone

ヤブシトド属 Atlapetes

キモモシトド属 Pselliophorus

トウヒチョウ属 Pipilo

オオアシシトド Pezopetes

イナゴヒメドリ属 Ammodramus

ウタスズメ属 Melospiza

クサチヒメドリ Passerculus

ユキヒメドリ属 Junco

ミヤマシトド属 Zonotrichia

ゴマフスズメ Passerella

シズカシトド属 Arremon

ノドグロヒメドリ属 Amphispiza

カタジロクロシトド Calamospiza

ヒメドリ属 Spizella

フウキンチョウ科 Thraupidae

ショウジョウコウカンチョウ科 Cardinalidae

ツメナガホオジロ科 Calcariidae

ホオジロ科は、9枚の初列風切を持つ nine-primaried oscines の1科である。その中ではムクドリモドキ科、アメリカムシクイ科と単系統を作り、おそらくムクドリモドキ科と姉妹群である[1][2]

ホオジロ科は大きく、旧世界ホオジロ類 (buntings) と新世界ホオジロ類 (American sparrows, New World sparrows) の2つの系統に分かれる[1][5]。これらが別系統だとするやや不確実な結果もあるが[5]、別の研究では単系統性が強く支持されている[1][2]

旧世界ホオジロ類はホオジロ属 Emberiza 1属のみである。かつては3つの単型属を内包した側系統だったが、それらは全てホオジロ属に統合された。新世界ホオジロ類は20余りの属からなる。

和名は旧世界ホオジロ類は「〜ホオジロ」、新世界ホオジロ類は「〜シトド」が多いが、がんらいシトドとはホオジロの異称である。

属の移動

分子系統から、nine-primaried oscines 内でいくつかの属が移動させられた。Weir et al. (2009)[2]による移動は次のとおり(コウカンチョウ属を追加)。国際鳥類学会議 (IOC)[6]アメリカ鳥学会 (AOU)[7]・AOU南アメリカ分類委員会 (SACC)[8]の対応を示す(×: 伝統的な科に留める; ○: 系統的な科に移す; ?: 未定 incertae sedis)。

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学名伝統的な科AOUIOCSACC
ヤブフウキンチョウ属Chlorospingus フウキンチョウ科
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ホオジロ科から
学名分子系統による科IOCAOUSACC
ツメナガホオジロ属Calcarius ツメナガホオジロ科 -
ユキホオジロ属Plectrophenax -
オナガシトドSaltatricula フウキンチョウ科 - ?
コウカンチョウ属Paroaria ×
クビワスズメ属Tiaris ×
クロアカウソ属Loxigilla ×-
ノドアカミツドリEuneornis ×-
キューバクロウソMelopyrrha ×-
キゴロモコメワリLoxipasser ×-
セントルシアクロシトドMelanospiza ×-
ムシクイフィンチ属Certhidea -
ガラパゴスフィンチ属Geospiza -
ダーウィンフィンチ属Camarhynchus -
ココスフィンチPinaroloxias ×-
ヒメウソ属Sporophila ×
コメワリ属Oryzoborus ×
シコンヒワVolatinia ×
キンノジコ属Sicalis ×
ハシナガシトドAcanthidops ×-
ウスズミシトド属Haplospiza ×
タネワリ属Catamenia -
ベニイタダキ属Coryphospingus -
クサビオノジコ属Emberizoides ×
マユシトド属Poospiza -
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詳細は移動先の科を参照。

ツメナガホオジロ ♀ ♂
ユキホオジロ ♂ ♀

プエルトリコフウキンチョウNesospingus + ツメナガホオジロ属 Calcarius + ユキホオジロ属 Plectrophenax は広義のホオジロ科の基底で分岐する(あるいはアメリカムシクイ科の姉妹群の?[5])単系統であり、ツメナガホオジロ科 Calcariidae に分離された。

分類史

伝統的にはしばしば、nine-primaried oscines のいくつかの科が統合され、ホオジロ類はその中のホオジロ亜科 Emberizinae とされた。

多くの場合、New World nine-primaried oscines の大半ないし全体が統合され、先取権の原則からその大きな科の名はホオジロ科となり、ホオジロ類はホオジロ科ホオジロ亜科となった。

ただし、アトリ科に統合しアトリ科ホオジロ亜科とする[9]、あるいは、アトリ科アトリ亜科内に含める[9]説もあった。

Sibley et al. (1988) では、nine-primaried oscines 全体がアトリ科となり、ホオジロ類はアトリ科アトリ亜科ホオジロ族 Emberizini となった。

ホオジロ科などはスズメ上科に含まれるが、これらをホオジロ上科 Emberizoidea とする説もあった (Sushkin 1925)[10]

属と種

要約
視点

属と種は国際鳥類学会議 (IOC)[11]による。29属173種。

旧世界ホオジロ類

新世界ホオジロ類

出典

外部リンク

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