ベポタスチン(Bepotastine)とは、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤のひとつである。2000年田辺三菱製薬からベシル酸塩が、タリオンの商品名で上市された。ベシル酸とは、ベンゼンスルホン酸 (C6H5SO3H) を指す。

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
ベポタスチン
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IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
  • (Prescription only)
識別
CAS番号
125602-71-3
ATCコード none
PubChem CID: 2350
KEGG D09705
化学的データ
化学式C21H25ClN2O3
分子量388.88 g/mol
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現在、一錠中にベシル酸ベポタスチンを5mg含有するタリオン錠5と、同成分を10mg含有するタリオン錠10の2種類が発売されており、当該薬剤は指定医薬品処方箋医薬品である。

概要

ベポタスチンは、アレルギー性鼻炎蕁麻疹・皮膚疾患に伴う瘙痒(湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症)に対し、その効能・効果が認められている。UBEの合成研究により発見され、その後同社と田辺三菱製薬により共同開発を経て、2000年にアレルギー性鼻炎への効能・効果が承認され、2002年に蕁麻疹・皮膚疾患に伴う瘙痒への効果・効能が追加承認され、現在に至っている。

ベポタスチンは、現在日本において発売されている第二世代抗ヒスタミン薬のうち、開発からの期間が最も浅い薬剤である。第二世代抗ヒスタミン薬のなかでも、臨床効果の大きさに対して、比較的眠気の発現頻度が少ない薬剤とされる。もっとも、塩酸フェキソフェナジンロラタジンエバスチンエピナスチンなどと比較すると、眠気を訴える患者が多いことが確認される。

また、ベシル酸ベポタスチンはアレルギー性鼻炎患者を対象とした治験において、テルフェナジン(商品名トリルダン、世界で発売中止)との二重盲検下の比較を実施した結果、全般改善度でベシル酸ベポタスチンが有意に優れていた[1]

現在ベポタスチンは、日本のほか、大韓民国でも発売されている。また、点眼薬としての利用が検討されているところである。

副作用

治験(1,446例)で報告された副作用は眠気5.7%、口渇1.1%、ALT(GPT)上昇2.1%、尿潜血1.1%等であり、使用成績調査(4,453例)で報告された副作用は眠気1.3%等であった[2]。また小児特定使用成績調査(1,316例)で報告された副作用は眠気0.4%、口渇0.2%、蕁麻疹0.2%等であった。

一般用医薬品

2020年12月10日、田辺三菱製薬からタリオンARが発売された[3]処方箋医薬品一般用医薬品に転用(スイッチOTC)された例である(要指導医薬品)。

10mg錠。1日2回、朝夕1錠の服用[4]

出典

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