『デスティニーチャイルド』(DESTINY CHILD、韓:데스티니 차일드)は、Next Floor(現LINE GAMES(朝鮮語版))およびSHIFT UP[1]の2社が開発を手掛けている韓国のスマートフォンゲーム。本国では2016年10月27日[1]より、日本では翌2017年11月22日[11]より配信され、2023年9月21日までサービスが提供されていた[13]。
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韓国および日本でのキャッチコピーは『さあ、悪魔と遊ぼう!(이제, 악마랑 놀자!)』[14][15]。
『ブレイドアンドソウル』のアートディレクターとして知られるイラストレーターのキム・ヒョンテが設立した企業SHIFT UPが、同業他社であるNext Floor社と共同で開発したスマートフォン向けゲーム[1]。SHIFT UPにとって開発処女作となる作品であり、キムは本作のディレクターおよびキャラクターデザインを担当している[7]。
ゲームの名称は本作の音楽を手掛けているESTiの提案によるもので、主人公が作中で遭遇する「チャイルド」と呼ばれるキャラクターを育成し、それによって「自身の運命を変える」ことがゲーム全体のテーマとなっていることから命名された[16]。
韓国では2015年12月に正式発表され、2016年10月27日に『デスティニーチャイルド for Kakao』としてリリース[1][17]。のちに世界164か国で展開されている[18][19]。
日本でも2017年11月に本サービスがスタート[11]しており、2018年2月にはPC版である『デスティニーチャイルド for DMM』がDMM GAMESより配信された[12]。
サービス終了後は観賞専用である「メモリアル版」にアップデートされ、そちらは現在も配信されている。メモリアル版ではプレイヤーの過去のプレイデータに基づき、ゲーム内コンテンツの一部を楽しむことが可能となっている[3][注釈 1]。
基本的なシステムとしてスタミナ制を導入しており、「スタミナ」と呼ばれるポイントを消費して各種クエストに挑戦し、キャラクターや装備の強化をしながらストーリーを進行させる。
グラフィックはLive2Dが採用されており、ホーム画面や戦闘中も常に動く。
自分の選んだキャラクター計5人でチームを組んで行われるリアルタイムバトル。プレイヤーは事前に編成しておいたチームから使用するセットを選んで挑み、プレイヤー側が全滅する前に敵対するチャイルドたちを全滅させれば勝利となる。戦闘中、チャイルドが1人落ちてしまっても、事前にフレンドから1人予備として編成に入れることができる。
かつて世界が混沌に満ちていた時代、混沌から二つの知性体が生まれ、それらは光の神ブラフマンと闇の神ルシファーとなった。両者は長きにわたり戦いを繰り広げ、結果世界はブラフマンが治める「天界」、のちに魔王となるルシファーが治める「魔界」、そして「人間界」の3つに分かれた。激しい戦いにより力を失ったルシファーは、自身の後継者を選出するため「魔王争奪戦」を開催。この戦いに勝利した2代目魔王ルシフェロは、その強大な力により約500年もの間、魔界の支配者として君臨していた。しかしある日、ルシフェロが突如引退を宣言したことにより、彼の後を継ぐ魔王を選出するため「第2次魔王争奪戦」が行われ、人間界は次代魔王の座を狙う悪魔たちの戦場と化してしまう[4][21]。
そんな中、人間界で平和な生活を送っていた主人公は、スマートフォンから現れたサキュバスのモナによって強制的に魔王争奪戦に参加させられてしまう。モナの口から聞かされた魔王争奪戦のルールはただ一つ。それは人間の魂から生まれる使い魔チャイルドをより多く集め、最強の軍団を作り上げることだった。ほどなくして仲間となるリザ、ダビと合流した主人公は、不本意ながらも彼女たちと共に魔王争奪戦に身を投じていく[22]。
※一部公式サイトより引用[23]。声の項は、日本語版の声優を記す。
メイン
- 主人公
- 声 - 米内佑希、優木かな(女体化時)[24]
- 魔界最弱の悪魔。16歳[25]。幼い頃に魔界を嫌って人間界に渡り、そのまま定住している。とさかのように大きく跳ね上がった髪型が特徴で、外見は人間とほぼ変わらないものの、尻尾が生えている。悪魔の常識や魔界に関する知識がほとんどなく、これまでコンビニのアルバイト代と魔界からの仕送りをやりくりしつつ平凡な生活を送っていたが[25]、突如現れたモナの扇動[26]によっていきなり魔王争奪戦に参加することになった。基本は無気力でいつも疲れており、「面倒くさい」「嫌だ」「やりたくない」が口癖のようになっている[9]。争奪戦に参加して以降はモナたちのサポートの甲斐あって多くのチャイルドを仲間にし、有力な魔王候補生として力をつけていくが[26]、そのたびにチャイルドを犠牲にする行為に疑問を持ち、悩んでいる。メインシナリオChapter.2ではモナによって一時的に女体化されている[27]。
- モナ
- 声 - 小清水亜美
- 主人公のスマートフォンから現れた[25]サキュバスで、彼を魔王争奪戦に参加させた張本人。魔界では名の知れた有名人であり、博学多識でベテランサポーターとして優れた能力を持つ。それに加え美人ということもあり、多くの悪魔からラブコールを受けていたが、すべて断り主人公の陣営に入る。ひどく楽観的なように見える一方で悪魔らしくずる賢いところもある。主人公を冷やかすのが好きで、彼を「ご主人様」[25]と呼び、甘い言葉で手玉に取っている。シナリオ担当のゴ・ジヘとピ・ガヒによれば、キャラクター開発にあたって「魅力的で大人びたお姉さん」をコンセプトにしており、サブカルチャーで扱われる「サキュバスと聞いて思いつくキャラクター」を基に、意図的に少し変形させたと述べている[9]。
- リザ
- 声 - 飯田里穂
- モナに続き主人公の陣営に加わったサポーターの一人で、ハーフサキュバス[9]。主人公に出会う前はフレイのサポーターとして魔王争奪戦に参加しており、人間界を行き来しながら情報を集めていた。冷徹で論理的な判断力の持ち主で、主人公と合流して以降は彼のブレーン役を担っている。しかしその後もフレイとはメールでのやり取りが続いており、本人はそれを面倒くさく思っている[28]。ゴ・ジヘとピ・ガヒ曰く、シナリオチーム内ではかなり扱いづらいキャラクターに属しているとのこと[9]。
- ダビ
- 声 - 黒沢ともよ
- モナに続き主人公の陣営に加わったサポーターの一人。モナの大ファンで、彼女に会うために魔界から人間界にやってきた[9]。魔王争奪戦には興味がなく、モナと一緒にいるため、仕方なく主人公と契約をしている[29]。モナやリザと比べて幼い外見をしており、モナに対しては純心無垢を装う一方で、主人公を自らの恋のライバルとして意識している。勝気な性格で、主人公には冷たい態度を取っているが、素直で騙されやすいため彼によくあしらわれている。時折人の急所を突くような鋭いことを口にすることがある。
- イブ
- 声 - 石川由依
- 主人公のライバルである有力な魔王候補生の一人。本来は大人びた容姿をしているが、状況に応じて子供の姿になることができ[22]、人間界では旅行者に見えるよう偽装している[30]。確かな実力に加えカリスマ性を持ち合わせているため、チャイルドたちの間でも人気が高いが[29]、本人はおっとりとした性格で、会話が半テンポ遅く、少しぼんやりしたところがある。天性の方向音痴に加え、魔王争奪戦では参加して早々自身のサポーターとはぐれてしまったあげく、ルーファスに狙われるという不運に見舞われており、一人逃亡生活を余儀なくされていた[22][30]。過去には自分の人生を水に流される浮草のようだと揶揄されたことがあり、魔王争奪戦に参加したのも、魔王となることで不運の連鎖から脱却したいという思いからである[30]。候補生としては珍しく他の悪魔と比較的良好な関係を築いており[30]、主人公に対してもライバルでありながら「いい悪魔」だと思っている[28]。好きなものはイルカで、熟睡することが趣味だが、実際はほとんどできていない[30]。ちなみに重度の機械音痴でもあり、当初は携帯電話の電源の入れ方さえも分かっていなかった[22]。
- フレイ
- 声 - KENN
- 主人公のライバルである有力な魔王候補生の一人で、エリート悪魔。「悪童」の二つ名を持ち、その名の通り横柄な態度で相手を不愉快にさせることが得意で、他人からどう思われようと気にしない傍若無人な性格の持ち主。しかしその一方で、自分とは正反対のタイプであるリザに弱いところがあり[9]、彼女が主人公の陣営について以降もメールでのやり取りを続けており、自分の元に帰ってきてほしいと思っている[28]。主人公を「補欠」と呼び、格下扱いしていたが、のちに敗北している[22]。キャラクター開発においてはほとんど白紙の状態で開発が進められ、外見の雰囲気から「少し横柄に見える強者」「浮気者属性」という設定が加えられていった[9]。
主なチャイルド
- デメテル
- 声 - たかはし智秋[29]
- 契約者・高梨真理華から生み出されたチャイルドで、メインシナリオChapter.1にて主人公が初めて手下にしたチャイルド[21]。登場時はナース服を模した服装で現れ、大きな注射器を携えている。名前はギリシャ神話の豊穣の女神から取られ、「掟をもたらす者(デメテル・テスモポロス)」という別名があることから、真理華が持っていた心の二面性になぞらえ、主人公が命名した[31]。自由奔放で言いたいことを気にせず口にするため好戦的な性格に思われがちだが、それは主人公を盲目的に信頼しているがゆえのものであり、真理華の影響で心の奥底では誰かを助ける存在になりたいという優しい心を持っている[29][31]。
- フレイヤ
- 声 - 小澤亜李[32]
- 主人公が自ら助けた猫から生み出されたチャイルドで、メインシナリオChapter.1にて主人公の手下となった[21]。猫由来のチャイルドであるため、猫耳と尻尾の生えた少女の姿で現れ、知識をほとんど持っていない[32]。名前は北欧神話における愛と美の女神に由来し、主人公への愛のために彼と契約を交わしたことからモナによって名付けられた。しゃべる時は語尾に「~ニャン」「~ニャ」などがつき、発音が難しいと思ったら何でも猫語で発音する[32][33]。
- ジャンヌ
- 声 - 加隈亜衣[34]
- 契約者・早乙女ミーナから生まれたチャイルド[35]で、メインシナリオChapter.1にて主人公の手下となった[26]。登場時は修道女の恰好をしており、バズーカを携えている。自らを「絶対者」という神に仕える忠実な司祭だと信じているため、フランスの聖人ジャンヌ・ダルクからその名を借りている[36]。ただ、自分が悪魔である主人公に仕えているという事実には気が付いていない。ちなみに彼女が信じている「絶対者」という存在については誰一人知る者がなく[36]、その実態は謎に包まれている。
- レジェンド
- 声 - 國立幸[37]
- メインシナリオChapter.1にて主人公が手下にしたチャイルドの一人[26]。契約者は不明。登場時は忍者のような恰好で現れ、手裏剣をあしらったベルトやヘアゴムを身に着けている。普段名乗っている「レジェンド」とは別に名前があるらしいが、それについては一切明かしていない[37]。主君を守る伝説的な忍者を目指しており、語尾に「ござる」を付けて話す[38]。主人公と出会う前は別の悪魔に仕えていたが、ルーファスとの決戦で行方不明になっている[37]。
- カルカス
- 声 - 小林裕介[39]
- 契約者・加納悠から生まれたチャイルドで、メインシナリオChapter.1にて主人公の手下となった[26]。ダビが悠を強引に主人公と契約させたことにより強制的に生み出されたという経緯があるため、彼女に対し苦手意識を持っている。占いの才能を持っていることから、ギリシャ神話における預言者の名前を借り受けている[40]。しかし本人は自分の予言について自信がなく、契約者である悠の影響で「気のせいでしょうけど」が口癖になっている。基本的には優しい性格で、誰にでも尊敬の意を表して接する。契約後は占いや予言といった才能がなくなってしまったが、代わりに物事が良くなりそうな方向を察知できる「直感」の才能を授かり、主人公が魔王となった場合は「いい王になる」と信じている[41][40]。
- ネヴァン
- 声 - 名塚佳織[42]
- フレイの手下であるチャイルド。ケルト神話における戦いの女神の名を持つ。非常にネガティブな性格で感情の起伏が激しく、本人も制御することができない。また、思ったことは全部口に出してしまうタイプ[43]。
悪魔
- レオ
- 声 - 榊原優希[44]
- イブのサポーターであるインキュバス。元々魔王争奪戦に参加する気はなかったものの、他のインキュバスのいじめによってサポーターとして登録された[45]。イブと出会ってからは彼女の行動に振り回されてばかりだったが、本人は彼女のサポーターになれたことをうれしく思っている[45]。魔王争奪戦の開始直後でイブと離れ離れになってしまうが、のちに彼女と無事再会する[46]。礼儀正しい性格で、任されたことは必ずやり遂げる真面目な一面を持っている[47]。魔界ではインキュバスとしての資質が足りないと言われているが、モナやリザからは高い評価を得ている。イブにひそかな恋心を抱いており、彼女のチャイルドがたくさん増えてほしいと思っている[45]。
- ルーファス
- 声 - 中村悠一[48]
- メインシナリオChapter.1の終盤で現れた悪魔。魔王争奪戦が開始して以降、有力な魔王候補生を襲っており、イブやフレイも彼の襲撃を受けている。自らが「真の魔王」であるかのような言動と振る舞いをしており[49]、配下のチャイルドからは嫌われている[22]。一方で部下のルインとデュランダルに格下であるはずの主人公の偵察を命じたり[49]、戦闘後は主人公の家に立ち寄ったり[22]と、彼に対して何かを感じているそぶりを見せている。実は魔王直系の嫡子[21][22]。
- ルイン
- 声 - 甲斐田ゆき[49]
- ルーファスの部下。かつては魔王候補生として魔王争奪戦に参加していたが、仲間に裏切られる不遇な運命のせいで候補生として生きることに幻滅し、これまでに数多くの仲間を切り捨ててきた。ルーファスに仕える前は一度彼と死闘を繰り広げており、そのカリスマ性を目の当たりにしたことで、彼の忠実な騎士として生きる道を選んだ[50]。その際、自らの名を捨て、仲間殺しの過去を持つ自身を嘲弄する意味から、ケルト神話上の槍の名を借り受けた[50]。今ではルーファスを魔王として擁立することが自身の目的となっている。同じ部下であるデュランダルとは不仲に見えるが、実際は彼をとても信頼している[51]。
- デュランダル
- 声 - 竹内良太[49]
- ルーファスの部下。かつてまだ幼かったルーファスとの対決に敗れて以来、彼に忠誠を誓っている[52]。その際彼の折れない剣となることを誓い、フランスの伝説上の名剣の名を借り受けた[52]。ルーファスの命令であれば何の疑問も持たずに従うため、その忠実すぎる姿は周囲の理解の範囲を超えることがある。対決以前の過去の情報は明らかにされておらず、もともと非常に凶暴な狂戦士だったという噂がある[53]一方で、花を育てるのが好きで盆栽が趣味という意外な一面もある[52]。なお、魔王争奪戦は自ら断念している[52]。
契約者
- 高梨真理華(たかなし まりか)
- デメテルの契約者で、主人公が最初に契約を結んだ人間。幼い頃から看護師としてたくさんの人を助けることを夢見ており、整形外科カウンセラー兼看護師となったものの、雑用ばかり押し付けられる現実に失望し、それがデメテルを生み出す元となった。趣味はテレビ鑑賞[54]。
- 早乙女ミーナ(さおとめ *)
- ジャンヌの契約者。修道女[35]。
- 加納悠(かのう ゆう)
- カルカスの契約者。14歳。占い師として類まれなる才能を持つ反面、とにかく運に恵まれない不幸体質の持ち主。偶然に街で遭遇した主人公とダビから、不吉で穢れたオーラを感じて追い払おうとしたものの、ダビから強引に迫られ主人公と契約させられた。その後カルカス同様、占いの能力を失ってしまう。趣味は易学の勉強[55]。
- オープニングテーマ
- 「Plastic City」[56]
- 作詞・作曲・編曲 - ESTi / 歌 - 平田志穂子[57]
月刊コミックアライブ(KADOKAWA)2018年4月号から9月号にかけて『DESTINY CHILD』の題名でコミカライズされた。漫画:林雄一[58]。全1巻。
注釈
なお、メモリアル版を利用できるのは、サービス終了前にゲーム内でデータ引き継ぎの設定を済ませている場合のみ[20]。