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コンピュータハードウェア機器の規格 ウィキペディアから
シリアルATA(SATA、Serial ATA、シリアルエーティーエー、エスエーティーエー[1]、エスアタ[2]、サタ[2])とは、コンピュータにHDD、SSDや光学ドライブを接続する為のインタフェース規格である。2010年時点において、SCSIやパラレルATAに代わって主流となっている。 英語ではセイタまたはサタと発音する[3]。
半二重1.5Gb/s・3 Gb/s・6 Gb/sの転送速度を持つ3つの規格があり、いずれも互換性がある。異なる規格を接続した場合、低い性能に合わせて機能する。ただし、内蔵機器用、外部機器用、小型機器用でコネクタが異なりこれらは物理的に接続できない。
上記規格は一般にそれぞれ「シリアルATA 1・2・3」(Serial ATA I/II/III) とも呼ばれるがこれは公式な規格名称ではない。規格番号と性能は必ずしも一致しないこと[4]から通称ではなく「SATA 6Gb/s」のような表記が求められている[5]。規格仕様自体を特定したいときは「Serial ATA Revision 3.0」のように表記する。
旧規格のATA(パラレルATA)はデータを複数の信号線に分割して転送するため、クロックスキュー(伝送経路間に起きる信号のずれ)が発生する。分割されたデータを再結合するには全ての経路でデータの到着を待つ必要がある。この待ち時間が転送速度向上の制限となっていた。SATAはこれを解決するため信号を分割せず一つの経路で転送する規格として誕生した。
シリアルATA ワーキンググループが2000年2月に発足。2000年11月にSerial ATA Revision 1.0が発表された。2007年頃(第三世代、後のSerial ATA Revision 3.0)までの大まかな開発予定も示された。なお最初はUltra SATA/1500の名で規格が発表された[6]。
シリアルATA 2 ワーキンググループ(Serial ATA II Working Group)の発足は2002年2月。「シリアルATA 2」(Serial ATA II) という間違った通称はこの組織名に由来する。本来は組織名であって規格を指す言葉ではなかった[5]。後にSerial ATA International Organization (SATA-IO) へと改名。
また当初シリアルATA 2とは、NCQという特定の機能や転送速度3 Gb/sを表すという誤解があった[4]。実際には機能と速度が別々の規格であり特定部分のみを採用した製品も可能である[4]。2005年、このような誤解を避けるためこれらを単一規格にまとめたSerial ATA Revision 2.5が発表された[4]。
Advanced Host Controller Interface (AHCI) は、Serial ATA Revision 2.0 と密接な関連があるがホストコントローラーの独立した規格でありシリアルATA規格には含まれない。
シリアルATA対応のホストコントローラーの内、動作モードに"AHCI"やIDEエミュレーションモード("IDE"や"PATA"などと表記)を持つものがある。これら動作モードではオペレーティングシステムやデバイスドライバを正しく設定する必要がある[注釈 2]。
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2003年1月7日にリリース
Serial ATA Revision 1.0aを基に拡張したもの。Serial ATA Revision 1.0a策定後から2004年頃までにとりまとめられた技術的な拡張全体を指す。
2005年8月23日付 SATA-IO、シリアルATAのRevision 2.5仕様を策定
2007年3月5日付 SATA-IO、シリアルATAのRevision 2.6仕様を策定
2008年8月18日付 SATA-IO 発表、2009年5月27日策定完了[8][9]。米マーベル社からSerial ATA Revision 3.0コントローラチップが出荷されており、マザーボードやインタフェースカードに搭載、販売されている。パソコン向けチップセットにおけるサポート(機能の内蔵)は、AMDが890GXのサウスブリッジのSB850へSerial ATA Revision 3.0コントローラを実装し、インテルはSandy Bridgeに対応するチップセット6x世代から実装した。
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コネクタとケーブルはSATAとパラレルATAを比較した時に最も顕著に異なる箇所である。PATAとは異なり、主にデスクトップやサーバーコンピューター用に使用される3.5インチの記憶装置と、ノートパソコンなどの小型パソコンに使用される2.5インチの記憶装置で同じコネクタが使用される。[12]
microSATAコネクタは1.8インチの記憶装置のほか、DVDやBlu-rayなどの小型デバイスにて使用される。[13]
外部装置用にはeSATAコネクタが指定される。この場合SATAドライブはSASコントローラに接続されネイティブSASディスクと同じケーブルで通信できるが、SATAコントローラではSASディスクを処理はできない。
マザーボードなどが備えるSATAポートは誤って抜けないようにロックやクリップのついたデータケーブルを使用。一部のケーブルは接続を容易にするためにL字型のコネクタとなっている場合がある。
SATA規格は、7本の導線(3つのGNDと4本2対データ線)と両端に8 mm幅のコネクタを持つデータケーブルを定義している。
SATAケーブルの長さは最大1 mで、1つのマザーボードソケットを1つの記憶装置に接続できる。PATAのリボンケーブルでは、1つのマザーボードソケットを1つまたは2つのハードドライブに接続し、40本または80本の導線で長さ45.7 cmに制限されている。このため、SATAケーブルはPATAケーブルに比べて取り付け易く、空冷の障害となりにくい。なお、PATAに比べ偶発的に抜けやすくなるが、これについてはロック機能を持ったケーブルを使用することで回避できる。
各電圧は3ピンで構成され、1ピン当たり1.5 Aを供給できる。
ピン | 接続順 | 機能 | |
---|---|---|---|
— | N/C(カギ部) | ||
1 | 3 | 3.3 V | |
2 | 3 | ||
3 | 2 | ||
4 | 1 | GND | |
5 | 2 | ||
6 | 2 | ||
7 | 2 | 5 V | |
8 | 3 | ||
9 | 3 | ||
10 | 2 | GND | |
11 | 3 | ドライブアクティブ信号/スタッガードスピンアップ無効 (サポートドライブのみ) | |
12 | 1 | GND | |
13 | 2 | 12 V | |
14 | 3 | ||
15 | 3 |
ノートPCの光学ドライブなど向けに、Serial ATA Revision 2.6 で規格化。
ピン | 機能 | |
---|---|---|
— | N/C(カギ部) | |
1 | デバイス存在 | |
2 | 5 V | |
3 | ||
4 | 診断用 | |
5 | GND | |
6 |
1.8インチHDDなど向けに、Serial ATA Revision 2.6 で規格化。なお、データ用のマイクロコネクターもあり、データ用の標準コネクターに似ているが、少しだけ薄い。
ピン | 機能 | |
---|---|---|
1 | 3.3 V | |
2 | ||
3 | GND | |
4 | ||
5 | 5 V | |
6 | ||
7 | 予約 | |
— | N/C(カギ部) | |
8 | ベンダー依存 | |
9 |
External Serial ATAの略称。Serial ATA Revision 1.0aの拡張規格で、字の綴りから「イーサタ」等とも呼ばれる。外付けドライブ向けに定義されたもの。
eSATAに5Vと12Vの端子を加えてバスパワー対応にした規格。 eSATAポートの両端に給電用のコネクタを備えており、ケーブルもeSATAp専用品である。 eSATApポートでも通常のeSATAの周辺機器が使用でき、eSATAケーブルも使用できるため下位互換性はあるものの、バスパワーでの使用はパソコン・周辺機器側のポートのeSATApへの対応が必須で、ケーブルもeSATAp専用品が必要であり、eSATApポートを備えたパソコン・インターフェイスカード・周辺機器・eSATAp専用ケーブルは日本では発売されていないため、日本では全く普及していない。
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2011年8月10日付 SATA-IO 発表。内部インターフェースとしてPCIeを、ソフトウェア基盤としてSATAを用いることでコストを抑え、従来のアプリケーション資産と互換性を保ちつつ、規格上の最大転送速度 8 Gbps (1 GB/s)(X1接続)および16 Gbps (2 GB/s)(X2接続)を実現。新たなデバイス側およびマザーボード側コネクタ規格も制定することで、高速なSATA Express 製品と従来のSATA製品への両対応を可能。2本のSATAケーブルと特殊端子を使用している。
2019年現在、SATA Express を搭載しているマザーボードはほとんどなく、M.2に移行している[16][出典無効]。
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通称ないしは略記 | 保証されている帯域幅 (Mbit/s) | 最大転送速度 (MByte/s)[注釈 4] | 最大ケーブル長 (m) | 電源供給 | チャンネル毎の最大デバイス数 |
---|---|---|---|---|---|
SATA 3.0 | 6,000 | 600[17] | 1 | No | 1[注釈 5] |
SATA 2.0 | 3,000 | 300[17] | |||
SATA 1.0 | 1,500 | 150[17] | 1 | ||
eSATA | 6,000 | 600[17] | 2 with eSATA HBA[注釈 6] | 1[注釈 5] | |
eSATAp | 5 V/12 V[18] | ||||
PATA 133 | 1,064 | 133.5 | 0.46 (18 in) | No | 2 |
SAS 3.0 | 12,000 | 1200[17] | 10 | No | 128[注釈 7] |
SAS 2.0 | 6,000 | 600[17] | |||
SAS-1.0 | 3,000 | 300[17] | |||
FireWire 3200 | 3,144 | 393 | 100[注釈 8] | 15 W, 12–25 V | 63 [注釈 9] |
FireWire 800 | 786 | 98.25 | 100[注釈 10] | ||
FireWire 400 | 393 | 49.13 | 4.5[注釈 10][注釈 11] | ||
USB 3.2 Gen2x2 | 20,000 | 2,500 | 2 | 4.5 W, 5 V | 127[注釈 9][19] |
USB 3.1 Gen2 / USB 3.2 Gen 2x1 | 10,000 | 1,250 | 2 | ||
USB 3.0 / USB 3.1 Gen 1 | 4,000 | 400[17] | 3[19] | ||
USB 2.0 | 480 | 60 | 5[注釈 12] | 2.5 W, 5 V | |
USB 1.0 | 12 | 1.5 | 3 | Yes | |
SCSI Ultra-640 | 5,120 | 640 | 12 | No | 15[注釈 13] |
SCSI Ultra-320 | 2,560 | 320 | |||
Fibre Channel over optic fiber | 10,520 | 2,000 | 2 – 50,000 | No | 126[注釈 14] |
Fibre Channel over copper cable | 4,000 | 400 | 12 | ||
InfiniBand Quad Rate | 10,000 | 1,000 | No | ||
Thunderbolt 3 | 40,000 | 5,000 | 2 | 100 W (20 V) | Many |
Thunderbolt 2 | 20,000 | 2,500 | 3 | 10 W | Many |
Thunderbolt (Light Peak) | 10,000 | 1,250 | 3,100 | 10 W[注釈 17] | Many |
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