1975年、ジム・ジャナード(英語版)によってモトクロス・BMXのハンドグリップメーカーとして創設された。社名の「Oakley」はジャナードの愛犬(イングリッシュ・セッター)の名前である。その後ゴーグルの開発を経て、1980年代にサングラスを主力商品としてアイウェア業界に参入。機能性を備えたレンズとデザインを持つスポーツサングラスのメーカーとなり、1990年代にはアパレル、フットウェア、リストウォッチ市場へ進出した。
- 1975年
- 創業者ジム・ジャナードがモトクロス用ハンドグリップを開発し、Oakley, Inc.を設立。
- 1980年
- ゴーグル業界に参入。Lexanレンズを搭載したスポーツ用ゴーグルをリリース。
- 1984年
- アイウェア業界に参入。「Eyeshade」及び「Frogskin」(M Frameのベースモデル)をリリース。
- 1985年
- モトクロス用グリップ製造終了。
- 1991年
- RX(度付き)レンズを発表。
- 1992年
- 1オンス(約28g)以下の重さのサングラスを作ることは不可能だと言われていた当時約19gの「SubZero」をリリース。
- 1994年
- 「Eye Jacket」をリリース。
- 1995年
- 株式を公開。
- 1997年
- 世界初の鋳造メタルフレームのX-Metalシリーズをリリース。
- Polarized(偏光レンズ)を製品化。
- 南カリフォルニアにオークリーUSA本社落成。
- OAKLEY JAPAN設立。
- 1998年
- フットウェア業界へ参入。「O Shoe」をリリース。
- リストウォッチ業界へ参入。X-Metal素材のウォッチ「TIME BOMB」をリリース。
- 初代「Racing Jacket」をリリース。
- アパレル業界へ参入。
- 2001年
- 世界初のマグネシウム合金をサングラスフレームに採用した「MagSwitch」をリリース。
- 2004年
- 新素材O-Luminumを搭載した「HATCHET」をリリース。
- 日本初の直営アウトレットショップ「O-Vault」(現在のOakley Vault)を軽井沢にオープン。
- 2005年
- モトローラと提携。
- ミュージックプレーヤー搭載サングラス「THUMP」をリリース。
- ジャナードがCEOを退任、会長に就任する。
- 2006年
- 調光レンズメーカーのトランジション・オプティカル社と提携。
- 日本初の直営店「O-Store Harajuku」(現在のオークリーストア原宿)を原宿にオープン。
- アメリカのアイウェアメーカーOliver Peoplesを買収。
- 2007年
- 世界初のBLUETOOTHを内蔵したデジタルオーディオストリーミングアイウェア「O ROKR」をリリース。
- イタリアのアイウェアメーカールックスオティカ・グループ(Luxottica Group S.p.A)に買収され子会社となる。
- スポーツ選手からも高い支持を得る「RADAR」の初代がリリース
- 2010年
- 10月、チリで発生したコピアポ鉱山落盤事故で10週間閉じ込められた33人の鉱夫の救出が成功するまでの準備期間中、取材中のジャーナリストが、暗闇の中で数週間過ごした鉱夫たちに目の保護が必要だと考え、オークリーに救助活動へのサングラス寄贈を依頼、オークリーは、特別に選ばれた色合いのRadarスポーツグラスを35組寄贈。
- 2012年
- 3代目「Racing Jacket」をリリース。
- 2014年
- フェラーリとパートナーシップを組みコラボレーションモデルを12種類発売。
- 2015年
- Racing Jacketの後継として「Jawbraker」をリリース。
- 2017年
- 3代目の「Racing Jacket」が3色限定で復刻。
- 2021年
- 3月、アストンマーティンF1チームはオークリーとの提携を発表。
- フレームレスでレンズの曲線が強調されたそのビジュアルの「Kato」「Kato X」を発売。
- 侍の武具「兜」から着想を得たデザインの「Xeus」を発売。
- 2022年
- 1992年に発売されたSubZeroを現代の形に再構成させた「Re:SubZero」を復刻発売。
- e-sportsコミュニティ支援としてPRIZM GAMING™ 2.0レンズテクノロジーを搭載した、ゲーミングメガネ「NXTLVL」「Holbrook™」「Admission」「Pitchman™」など、ヘッドセットの装着時、対応したゲーミングフレームでリリース
- 2023年
- 5月、2代目レーシングジャケットをベースにした、「Collectors Racing Jacket」を限定で発売。
- 5月、フランス パリのアクティブウェア新興ブランドである「SATISFY」とのコラボレーション第1弾として「Re:Subzero」のコラボモデルを限定発売。
- 6月、「SATISFY」とのコラボレーション第2弾として「Eye Jacket」のコラボモデルを発売。
- 同月、ニューヨークを拠点とするライフスタイルレーベル 「Saturdays NYC 」とのコラボレーションモデル「Hydra」を発売。
オークリーのアイウェアはアメリカ規格協会が提唱する工業規格ANSI Z87.1の8部門(光拡散力・解像パターン・非点収差・屈折率・不均等分光・高圧衝撃・高速衝撃・UVプロテクション)すべてにおいて基準値を倍近く上回る数値を達成している。単独製品が8部門を完全にクリアするアイウェアメーカーはオークリー以外存在しない。
光学技術
- POLARIC ELLIPSOID(ポラリック・エリプソイド)
- スノーゴーグルやM-FLAME等のシングルレンズのサングラスに使用される非球面レンズ構造技術。人間工学に基づいたデザインにより顔面に正確にフィットし、光線の歪みを最小限に抑え、風や太陽光から眼を保護する。
- XYZ OPTICS(XYZオプティックス)
- 2眼式球面構造のレンズに適用されるレンズテクノロジー。X、Y、Z軸において歪みを光学的に補正し、あらゆる角度から正確な画像を捉えることを可能とする。
- HDO/High Defintion Optics(ハイ・ディフィニション・オプティックス)
- ポラリックエリプソイドとXYZオプティックスの2つの技術と特許素材プルトナイトによって生成される光線補正効果。光の拡散や屈折を補正し、高いオプチカル透明度を現出させる。
グリップ
- Unobtanium(アンオブタニウム)
- オークリーの礎とも言える特許素材。ハンドグリップの素材としてジム・ジャナードが開発した、汗や水分を吸収するとグリップ力が増すゴム素材。サングラス用のノーズピースやイヤーソックにも使用される。
レンズ
- Plutonite(プルトナイト)
- オークリーすべてのアイウェアのレンズに使用されているUVカット機能を搭載した特許素材。高純度のポリカーボネイト。通常のメーカーのUVカット機能はコーティングによるものであり、表面に傷がついたりすると効果が減衰するのに対し、プルトナイトはレンズの素材自体に機能が内蔵されているため、レンズに穴が開かない限り効果が持続する。レンズにほとんど歪みがないうえ優れた耐衝撃性を備えており、ショットガンの弾丸をもってしても破壊は不可能とされる。
- Iridium(イリジウム)
- オークリーが特許を持つミラーコーティング。他のメーカーには見られない特殊な発色を可能とする。
- Hydrophobic(ハイドロフォビック)
- オレオフォビック(撥油)効果を装備するレンズコーティング。汗や皮脂などの水分・油分を弾きやすくし、空中の微細なゴミや埃の付着を回避する。
- POLARIZED(偏光レンズ)
- 散乱白色光を遮断することによって視野の乱反射を最小限に抑え、逆に視覚上の対象物を照射する干渉光はそのまま入射させるため、クリアな視界を実現できる。さらにレンズ背面には非反射コーティングが施されており、眼精疲労やレンズの曇りを軽減できる。
- PHOTOCHROMIC(調光レンズ)
- 外界の光量の増減によって自動的に明るさが変化するレンズ。調光機能によって視覚のコントラストが調整され、奥行視界の認識性が上昇する。
- PRIZM(プリズム)
- 可視光線の波長をスポーツの用途ごとに強調し、視認性を向上させる。
フレーム
- O-Matter(オー・マター)
- プラスチック系のサングラスのフレームに使用される素材。超軽量で耐久性も高く、急激な温度変化による変形を抑制し本来の形状を保持する。
- X-Metal(エックスメタル)
- RomeoやJulietシリーズなどのフレームに使用される低アレルギー誘発性チタン合金。
- C5Alloy(シーファイブアロイ)
- オークリーの特許素材。WIREシリーズサングラスのフレームの素材となる5種類の金属による合金。軽量性と高強度を併せ持つ。
- O-Luminum(オールミナム)
- Hatchetシリーズ等に使用される、チタン合金よりもさらに軽く耐衝撃性も高いアルミ合金製の超高圧鍛造素材。
- acetate(アセテート)
- 肌に優しい半合成繊維素材。おもに女性向けのアイウェアのフレームに使用される。
- Magnesium(マグネシウム)
- セラミックポリマーでコーティングされたマグネシウム合金。極めて軽量だが酸化による劣化が早く、現在はラインナップされていない。
- BiO-Matter®(バイオマター)
- 最低56%のバイオベースとしたカーボン要素を使用したバイオ素材(ヒマシ油と化石資源の比率表示)
彫りの浅い日本人向けのモデルを特に「ジャパンフィット」(JAPAN FIT )と呼ぶ。通常のモデルに対して、肉厚ノーズパッドの付属、フレームカーブ・イヤーステム・ノーズブリッジの変形などのマイナーチェンジが施され、日本人の顔の形状によりフィットしやすくなっている。
フレームがジャパンフィット化されたモデル
- UNKNOWN
- FIVES 3.0
- GASCAN ASIAN(6カーブ)
- FLAK JACKET
- New Straight Jacket
- HATCHET
- RADAR
- Holbrook
ノーズパッドの交換によりジャパンフィット化するモデル
- JULIET(ジャパンフィットではないが、ノーズボムが大小付属)
- HALF JACKET
- SPLICE
- JAWBONE