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『Vainglory』(ベイングローリー)は、Super Evil Megacorpが開発・運営している、基本プレイ無料のマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)。iOS、Android、Windows、Mac OS向けに配信されている。また、2019年後期にはコンソール版もリリース予定である[1]。
ジャンル | マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ |
---|---|
対応機種 |
iOS Android Microsoft Windows Mac OS |
発売元 | Super Evil Megacorp |
人数 | 1-10人 |
メディア | ダウンロード |
利用料金 | 基本無料(アイテム課金あり) |
2013年の年末に『Kindred:Asunder』として公開されていたが[2]、2014年4月8日に発表されたアップデート1.06で、公式名称としてVaingloryを使用することを発表した[VGO 1]。
当初アップデート1.1.6(2015年1月9日)より日本と韓国で正式サービスが開始される予定だったが、より良いゲーム環境とローカリゼーションを提供するという理由で延期された[VGO 2]。その3ヶ月後iOSに限り、2015年4月9日より日本で正式サービスが開始された[3]。Androidの正式サポートが開始されたのは、アップデート1.6(2015年6月29日)からである[VGO 3]。アップデート1.6当初、150以上のAndroid端末がサポートされ、その後アップデート1.9でメモリ要件とCPUのコア数が緩和された[VGO 4]。アップデート1.9から、Amazon Appstoreでの取り扱いが開始され、Kindle Fire HDより新しい端末で遊ぶことができる[4]。
ジャンルはMOBAに分類される。リリース後から5対5のゲームモードが存在した同ジャンルの他ゲームと異なり、3対3のゲームモードを優先して導入し、アップデート3.0で5対5を導入した。プレイヤーは各ゲームモードの勝利条件の達成を目指す。勝利条件は、敵の「ベインクリスタル」を破壊すること[5]や、ポイントを多く稼ぐことなどである。プレイヤーは「ヒーロー」と呼ばれるキャラクターを操作する。試合で使用するヒーローは、基本的にゲーム内通貨の「グローリー」や「ICE」でアンロックする必要がある。基本プレイ無料だが、アイテム課金が導入されており、「ICE」を課金して手に入れることもできる[VGO 5]。
Apple社の、2014年、2015年「ベストアプリ」を受賞[6]。 WWDC2015にて、Appleデザインアワードを受賞[7]。また、2016年GSMAモバイルワールドコングレスにて、GLOMO賞「最優秀モバイルゲーム」を受賞[8]。
SEMCは、2015年の正式リリース以降、毎月数百万のプレーヤー・視聴者数を獲得し、コカ・コーラ社、Razer、Amazon、NVIDIAなどの有名企業や、世界的なeスポーツチームとスポンサー契約していることを公表している[9]。
平昌オリンピックフィギュアスケート男子で銀メダルを獲得した宇野昌磨選手が、Vaingloryを遊んでいることを明らかにした[10]。
各プレイヤーはヒーローと呼ばれる、ヒーロー固有の能力と、特殊な3つのアビリティを持ったキャラクターを操作する。各プレイヤーは2つのチームに分かれ、一部のゲームモードを除き、敵の本拠地にあるベインクリスタルを破壊することを目指す[5]。敵の本拠地まで到達するためには、レーン上に置かれた、敵のタレット(砲台)を破壊する必要がある。レーン上にはミニオンと呼ばれるモンスターが出現し、敵のタレットやヒーローを攻撃する。タレットは攻撃範囲内に入った敵のミニオンやヒーローを攻撃する。ヒーローは味方のミニオンを盾として、タレットを攻撃する必要がある。
各プレイヤーはヒーローを成長させ装備を揃えながら敵チームと戦うことになる。プレイヤーは、レーンミニオンやジャングルの中立モンスターのラストヒット(モンスターを殺すことができる最後の一撃)を取ることで経験値やゴールド(お金)を稼ぐ[5]。経験値やゴールドは近くにいた味方ヒーローに分配される。ゴールドは敵のヒーローを倒す、金鉱掘りや、クリスタルセントリーと呼ばれるモンスターを倒す、敵のタレットを破壊する、クラーケンを倒すことなどでも入手できる。
ヒーローはレベル1からレベル12まで成長する。レベルが1上がるごとに、スキルポイントを1獲得し、各アビリティに割り当て、アビリティを強化することができる。レベル6になると「アルティメット」と呼ばれる強力なアビリティを解放することができる[注釈 1]。アビリティは5段階まで(アルティメットは3段階まで)強化できる。アビリティを最高段階まで強化することを「オーバードライブ」と言い、スキルにより良い効果をもたらす。スキルポイントは最高12ポイント獲得できるが、すべてのスキルをオーバードライブすることはできない。
ヒーローはアイテムを購入することで著しく強化される[5]。アイテムは、攻撃力や攻撃速度を強化する「武器」、スキルのダメージの上昇や、再使用時間の短縮を行う「クリスタル」、体力や防御値の向上や、スキル反射ができる「防御」、移動速度の上昇や視界の確保、副次的効果を発揮する「実用」、「その他」に分けられる[11]。アイテムは3段階あり、3段階目のアイテムを目指して購入する。アイテムの構成をアイテムビルドと言い、どのようなアイテムビルドを行うかが、試合の勝利の鍵を握る。
3v3モードおよび5v5モードの試合は、「スキル階層」に影響を与えない「カジュアル試合」と、「スキル階層」を上下させる「ランク試合」に分かれている[VGO 3]。スキル階層とは後述するように、プレイヤ―の実力に応じて与えられる、プレイヤーの格付けのことである。ランク試合に参加するためには一定アカウントレベルへの到達、および一定数のヒーローのアンロックが必要である。条件を満たしたプレイヤーは、実力に応じたスキル階層という格付けが与えられる。
アップデート4.0でゲームモードが再編され、常にプレイできるゲームモードが、5v5ランク、5v5カジュアル、3v3ランク、ランブル、電撃の5つに決定された[VGO 6][VGO 7]。3v3ランクはより高度なゲームモードに進む前の、MOBAゲームプレイに慣れるためのモードとされた。また3v3カジュアルを廃止したことで、新しいプレイヤーを2つのキューに分割することが無くなったという利点がある。ランブルはタレントを使用しないゲームモードとして、ARAL(大乱闘モード)に代わり常に遊べるようになった。電撃モードは、タレントを使用し、その他より短いゲームモードとして残された。
アップデート1.20よりボット戦が導入されており、プレイヤーはボットと対戦し練習することが可能である[VGO 8]。ボット戦は練習モードとガチンコモードを除くゲームモードに有る。ボット戦は5段階の難易度から選ぶことができる。さらに自分だけで参加するか、プレイヤー同士のチームでボットチームと試合をするかを選ぶことができる。
ゲームモードは現在までにいくつか追加されている。アップデート1.17で「大乱闘モード」が[VGO 9]、アップデート2.1で「電撃モード」が[VGO 10]、アップデート2.11でシーズンモードとして「ガチンコモード」が追加されている[VGO 11]。これらの3つのモードは「クイックモード」と呼ばれている。また、アップデート2.12でVainglory初となる5v5の対人戦のアーリーアクセスが開始され[VGO 12]、アップデート3.0で正式に5v5の対人戦が追加された[VGO 13]。 アップデート3.9で新しく3つのゲームモード(「ARAM(元 大乱闘モード)」、「ランブル」、「ワンフォーオール」)が追加された[VGO 14]。
アップデート2.5より「クイックモード」に「タレント」が導入された[VGO 15]。タレントは通常の試合で使用されるヒーローのアビリティの効果をより派手に、大きくしたものである。「タレント」はタレントコインで強化することができる。タレントコインは、マーケットやアカウントレベル報酬、デイリーチェスト、クエストなどから入手することができる。「タレント」は、出現頻度が高いものから「レア」、「エピック」、「レジェンダリー」の3種類が用意され、各タレントごとに異なる効果が発揮される。
3v3用のマップ。また、大乱闘モードや電撃モード、ガチンコモードはこのマップの一部、またはすべてを使用する。大乱闘モードはジャングル以外を使用し、以下のモンスターは出現しない。
アップデート3.0から正式実装された5v5用のマップ[VGO 13]。3v3用のマップとは、オブジェクトや一部のアイテム(ヒーリング・フラスコの扱い、テレポート・ブーツ、視界アイテム)が異なる。また、ホーム(聖域)や川(ブラッククロ―流域)に移動速度ブーストがついたり、ベインクリスタルに防衛システム(武器庫、ハルシオン・ミサイル、ラプチャー・カスケード)が設置されていたりするなどの違いがある。
ヒーローはアップデート4.1までに48体公開され、約1~2ヶ月ごとに1体追加されている[VGO 22]。ヒーローの能力値はアップデートで調整を行っているため、ヒーローの強さはアップデートごとに上下することがある。ヒーローの能力そのものに変更が加わることは稀であるが、過去にはペタルが大きく能力を変更されている[VGO 8]。
ヒーローが敵に与える基本攻撃のダメージやアビリティの効果は、武器率かクリスタル率、あるいはヒーローが購入した体力アイテムなどに影響される[VGO 22]。購入するアイテムによって、ヒーローのアビリティのダメージや効果が変化する。アイテムはヒーローによらず、自由に組み合わせることができるが、役割やアビリティの特性上、武器ビルドかクリスタルビルド、キャプテンビルドのどれかに限定して運用されるヒーローも、少なからず存在する。
かつてヒーローの試合における役割は、「狙撃手」、「戦士」、「魔導師」、「刺客」、「守護者」に分類されていたが、アップデート2.0で一新され、「キャリー」、「ジャングル」、「キャプテン」の3つに分類されることになった[VGO 19]。これはおおまかにVaingloryのヒーローを分類するもので、試合におけるヒーローのポジションを制限するものではない。
ヒーローはすべて基本となるグラフィックと3Dモデルが設定されているが、この基本の見た目を変更することができる「スキン」が存在する。スキンはアップデートで追加される。スキンは、課金アイテムの「ICE」を利用して解放するか、クエストの報酬として得られた「ブループリント」と、デイリーチェストなどから入手できる「エッセンス」を消費して解放できる。
アップデート1.4.0で、スキン作製のシステム、アップデート1.7でカード作製のシステムが公開され、カードを利用してスキンが作製できるようになった[VGO 24][VGO 25]。アップデート1.9からそのシーズン限定で解放できる限定版スキンの公開が始まった[VGO 4]。アップデート2.12でスキン作製システムが一新され、それまでの入手したカードに基づいて「ブループリント」と、所持カード相当の「エッセンス」がユーザーに与えられた[VGO 12]。
アップデート3.9でスキンの階層差による獲得できる陽光の差はすべて廃止された[VGO 26]。
VaingloryのアートディレクターのCarlo Arellanoは、Vaingloryの世界観を作る上で、東洋と西洋の組み合わせを重視していると言い、影響を受けた人物に日本のクリエイターの名前を挙げている[18]。キャラクターのデザインとメカニクスはどちらが先になることも有り得るそうである。リンゴは先にスキルキットが存在し、そこから「三船敏郎が銃を持っている」というインスピレーションを受けた。またリンゴという名前も、Vaingloryが最初にリリースされたiOS( Apple )と日本語の「りんご」をかけて決めたという。
階層順 | 日本語名 | 英語名 |
---|---|---|
10 | Vaingloryの誉れ | Vainglorious |
9 | 一流の中の一流 | Pinnacle of Awesome |
8 | かなり最高 | Simply Amazing |
7 | 注目の新星 | The Hotness |
6 | 確かな実力 | Credible Threat |
5 | ちょっと偉そう | Got Swagger |
4 | 結構なやり手 | Worthy Foe |
3 | なかなか手堅い | Rock Solid |
2 | 進歩が見える | Getting There |
1 | 第一歩 | Just Beginning |
スキル階層とは、プレイヤーの実力に応じた格付けのことで、ランク試合で上下する。スキル階層は10段階ある[VGO 27]。各スキル階層は、さらに3段階に分かれ、ブロンズ、シルバー、ゴールドに分けられている。スキル階層は定期的に試合をしなければ減少することがある[VGO 28]。また、アップデート3.4から、ドラフトモードにおけるダッジ(試合回避)への罰則として、ランクポイントの減少(スキル階層の減少)が導入された[VGO 29]。
試合の味方や敵の選出方法には、スキル階層(VST)と異なるレーティング(マッチメーキングレーティング(MMR))が使用されている[VGO 30]。MMRはリセットされることのない、プレイヤーに非公開の統計情報である。試合において異なるスキル階層の味方や敵とマッチングすることがあるのは、MMRによって選出されているためである。
現行の世界大会、Vainglory World Championshipの出場チームは、過去1年の地域リーグの勝者およびワイルドカードで構成される[19]。2016年、2017年とも12チームが世界大会の出場権を得ている。北米・欧州、東アジア(日本・韓国・香港・台湾)、中国、東南アジア、南米の5地域リーグの勝者から選出されている。ワイルドカードは、その地域の出場権を得られなかった、優秀な成績を残したチームが選ばれる。
日本のチームの最高順位は、「Divine Brothers」が出場した、2015年のVainglory World Invitationalの準優勝である。Vainglory World Championshipには、2016年、2017年と2年連続で「DetonatioN Gaming」が出場したが、入賞は逃している。なお、「DetonatioN Gaming」のVaingloryチームは、日本国内初のモバイルゲームのプロチームである[20]。「DetonatioN Vainglory」は、2018年4月3日をもって解散した[21]。
2018年3月15日にSuper Evil Megacorpはアリババグループのアリスポーツと協業することを発表した[22]。アリスポーツが主催する世界規模のeスポーツ大会のWorld Electronic Sports Games(WESG) の2018年度から、競技種目としてVaingloryが追加されることになった。これを記念して、中国、韓国、インドネシア、シンガポールの選手が参加して、WESG2017グランドファイナルにてVainglory5v5初となる国際親善試合を行った。
2015年9月より、賞金付きe-sports大会「GAMERS LEAGUE MASTERS(以下GLM) powered by seesaa」がシーサー株式会社によって開催された[29]。
「GLM 2015 Autumn powered by seesaa」第2回大会は、2015年12月に開催された「Vainglory International Premier League(VIPL) Autumn Season」の出場権が競われた[30]。しかしVIPLでは韓国に40日間の滞在を必要としたため、VIPLに出場できないチームが優勝した場合、出場権を他チームへ譲渡する必要があった。そのため事前にVIPLに参加可能と回答していたチームのうち、最終順位の高いUniversalCivilsがVIPLの出場権を得る形となった。
第3回大会はユーザー投票で選ばれた12名が4チームを組む形式で行われた[31]。試合形式は全試合BO1である。
2015年11月、SEMCは、日本初の大規模オフライン大会の開催に向け、動画プラットフォームOPENREC.TVを運営するCyberZとの提携を発表[35]。また、CyberZが開催するeスポーツ大会「RAGE」の第一弾(「RAGE Vol.1」)として、Vaingloryが採用された。「RAGE Vol.2」は「ストリートファイターV」とともに行われ、Vainglory単独の賞金総額が200万円にのぼった。
2016年8月、SEMCは日韓公式大会となる「龍虎杯」を発表[38]。9月に4チームが競った第1回大会、10月に2チームが競った第2回大会が行われた。第2回大会では、負けてしまったVivianneも、「Vainglory World Championships」の代表として出場することが発表された[39]。
2017年1月、東アジア地域でのeスポーツプレミアリーグ「ARENA 8」が開催された[41]。過去の実績をもとにして、日本と韓国から4チームが選出され、合計8チームで競う方式である。賞金総額は8,000米ドル、試合形式は決勝がBO5、決勝以外はBO3で行われた。このリーグの模様はCyberZのOPENREC.TVで独占的に配信された。上位6チームには、ARENA 8 Spring Season(Vainglory 8)のリーグの参加資格が与えられた[42]。
2017年3月より、SEMCはアジア初めてとなる、公式リーグ「Vainglory 8」を開始すると発表した[43]。この大会は毎シーズン行われ、その年の年末の世界大会の出場権も争われる。
2018年7月より、東アジアサーバーで、5v5初のリーグ戦「Vainglory Premier League」が行われた[44]。リーグ戦には8チームが参加し、過去の実績及び予選を勝ち抜いたチームが選出された。今大会では、WESG2018グランドファイナルの韓国代表が選出される[注釈 4]。
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