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『UNBALANCE+BALANCE』(アンバランス・バランス)は、日本の歌手中森明菜の15枚目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1993年9月22日にMCAビクターよりリリースされた (CD: MVCD-9, CT: MVTD-4, DCC: MVXD-7)。2002年12月4日には『UNBALANCE+BALANCE+6』としてユニバーサルJから再発売された。
『UNBALANCE+BALANCE』は、中森のMCAビクター移籍第1弾となるスタジオ・アルバムである。スタジオ・アルバムのリリースは、前作『CRUISE』からおよそ4年2か月ぶりで、1993年9月22日に、CD (MVCD-9)とコンパクトカセット (MVTD-4)とDCC (MVXD-7)の3形態で同時発売された[5][6]。本作のトータル・プロデュースは中森が手掛け、エグゼクティブプロデューサーには飯田久彦と川原伸司が担当した[3]。エグゼクティブプロデューサーの川原が、かねてより温めていたとして提案された本作のテーマの"UNBALANCE+BALANCE"について中森は、タイトルの語呂とロゴがカッコいいこと思ったことや、「アンバランス」という言葉が好きだと明かしている[5][6]。また、タイトルを聞いた際に自身が常に求めているものだと思ったという[5]。本作で迎えた作家陣と楽曲については、経緯は分からないが既に製作されていたものであったと中森は語っている[5]。本作は1992年夏より製作が開始されていたものの、幾人もの人間が間に立ったことで、中森のもとに楽曲が届けられるのに1年もの期間が経過してしまったという[7][5]。その後、10数曲あった中から、絞り込んでいった末に、このラインナップとなった[5]。
中森は本作で「光のない万華鏡」と「陽炎」の2曲を作詞している[3]。1曲目の「永遠の扉」と9曲目の「陽炎」の2曲はともにメロディは同じだが、歌詞・アレンジ・歌唱法を変えた異名同曲異歌詞作となっている[5]。この2つの楽曲は、中森がアレンジを変えて収録することを提案したことで実現された[5]。当初詞はひとつだけであったが、中森が曲を聴いて新たに歌詞を書き、スタッフに見せたところ採用された[5]。「光のない万華鏡」については、中森が1992年に書いた歌詞をスタッフがピックアップし、関口誠人が曲を付けた[5]。
本作の歌唱に関して中森は、『UNBALANCE+BALANCE』というテーマを意識し、「地声でも裏声でもない中間の微妙なバランス」に取り組んだという[6]。通常であるならアップ・テンポの楽曲では声を強く出すところ、少し抑制して歌ってみるなど、微妙なアンバランスの良さを出すべく、コントロールして歌唱した[6]。1曲たりとも同じ発声の仕方で歌唱していないと振り返った[6]。また本作のインタビューで中森は、常により伝わる歌い方はないだろうかと歌唱表現の模索をしていると述べた[6]。
『UNBALANCE+BALANCE+6』(アンバランス・バランス・プラスシックス)は、日本の歌手中森明菜の15枚目のスタジオ・アルバム『UNBALANCE+BALANCE』のリマスター再発盤(セシウムクロックを採用)[8][7]。このアルバムは2002年12月4日にユニバーサルJよりCD (UMCK-1149)でリリースされた[8]。CD盤には、レコードプロデューサーの川原伸司によるライナーノーツも収められた[7]。2005年7月1日にはmoraにてデジタル・ダウンロードでリリースされた[9]。iTunesでも音楽配信されている[2]。
『UNBALANCE+BALANCE』のオリジナル収録曲に加えてボーナス・トラックとして、27枚目のシングル「Everlasting Love ・ NOT CRAZY TO ME」、29枚目のシングル「夜のどこかで 〜night shift〜」、30枚目のシングル「月華」のカップリング曲を含む6曲が追加された[7][10]。
「NOT CRAZY TO ME」が、本作からのリード・シングルとして、1993年5月21日に発売された[3][11]。この楽曲は「Everlasting Love」との両A面シングルで、MCAビクター移籍第一弾シングルとして2年3か月ぶりに発売された[12][3][11]。このアルバムで「NOT CRAZY TO ME」は、アルバム・バージョンで収録された[3][11]。続いて本作から「愛撫」が、翌年の1994年3月24日に「片想い・愛撫」としてシングルカットされた[3][13]。「愛撫」は、このアルバム発売直後の有線チャートの1993年10月21日付と1993年10月28日付で最高順位3位を記録している[14][15]。
本作について『CDジャーナル』は歌唱を高評価するとともに、内容面については「とてもシックでアダルトな仕上がりです。」とコメントしている[16]。『WHAT's IN?』のレビュアー金哉穂は、多彩な楽曲を、以前なら強い独自色で飲み込ませるところ、哀しみや脆さが際立ち、定まらない女性の孤独が痛切なほどに感じると批評した[17]。
『UNBALANCE+BALANCE』は、オリコン週間アルバムチャートの1993年10月4日付で初登場し、最高順位4位を記録した[18][4]。同チャートには、計9週に渡ってランクインしている[4]。
『UNBALANCE+BALANCE』のライナー・ノーツより[3]
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発売日 | レーベル | 規格 | 品番 | 備考 |
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1993年9月22日 | MCAビクター | CT | MVTD-4 | 再発盤に伴い、廃盤。
現在では稀少品となってる為、高値の取引がなされている。 |
DCC | MVXD-7 | |||
CD | MVCD-9 | |||
2002年12月4日 | ユニバーサルミュージック | UMCK-1149 | 『UNBALANCE+BALANCE+6』。
こちらも廃盤で、オリジナル盤と同様に高値の取引がなされている。 | |
2017年5月3日 | UHQCD | UPCH-7267 | ||
2023年5月31日 | CD | UPCY-7836 | 『UNBALANCE+BALANCE+6』、スペシャルプライス再発盤 | |
2023年11月29日 | LP | UPJY-9337/8 | 初アナログLP化、2枚組限定盤 |
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