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Turbolinux(ターボリナックス)は、ターボリナックス社によって開発が行われていたLinuxディストリビューションである。Client 2008からはMandrivaと共同開発したManbo CoreのLinux Kernel、gccおよびbinutilsがもとになっていた。
開発元であったターボリナックス社の解散により、現在の開発元は中国TurboLinux 北京拓林思软件有限公司である。
米Pacific HiTech(その後の米Turbo Linux)で開発が始まり、1997年から日本のパシフィックハイテックによって日本国内におけるパッケージ販売が行われた。その後、ターボリナックス ジャパン(後のターボリナックス)が事業を買い取り[1]、開発・販売が続けられた。
日本市場ではRed Hatに先行して発売されていたことや、日本を含め、中国、韓国など主にアジアのマルチバイト文字圏で商用展開を行っていた。
比較的早い段階でのLinuxカーネル2.6の採用や、Windows Mediaを再生できるソフトウェアを同梱したパッケージの販売、AMD64へいち早く対応した。Microsoft Windowsとの互換性強化にも積極的に取り組んでいた。
パッケージにはricoh-gothicなどの非フリーなコンポーネントを含んでいたが、その後、非フリーなコンポーネントはnon-freeリポジトリに分離された。インストーラにはAnaconda派生の独自インストーラMongooseを使っていたが[2]、その後はAnacondaを採用した。ブラウザは商標・ライセンスの問題からかFirefox 3.0派生のTurbolinux WebNaviが入っていた。また、メディアプレイヤーにはWindows Mediaに対応した、Kaffein派生のTurbo メディアプレーヤーが入っていた(DVDやDRMはサポートされていなかった)。また、独自のパーティションツール、TFDiskがあった。
2008年の8月には、多くのユーザーへの体験を目的として有償のフォントやソフトウェアを除いた無償のTurbolinux Client 2008 Live Editionが公開された。ダウンロードや雑誌への添付などを含めて累計出荷本数は15万本を超えた[3]。
日本国内ではLinuxディストリビューションのあり方の大きな変遷にTurbolinux FUJI以降の開発者、ユーザ間の対立や相次いだ提携企業の失態が重なり、Turbolinux Client 12.5以降新たな発表は無くなくった。まもなくして純国産ディストリビューションとしてのTurbolinuxの開発は終了した。
中国国内ではTurbolinux13の中国版にあたるGreatTurbo Enterprise Server 13を2014年12月1日に発売しており、その後の2016年には13.2へのアップデートを提供している。Turbolinux13はGreatOpenSourceによって開発が行われていた。
現在はHUAWEIと共同で開発を継続、2020年にopenEulerとコアを共通化したTurbolinux EnterpriseServer 15を発売している。中国 拓林思のホームページは長らくページ内の至る箇所に「建設中」と称してループリンクを設置しており、「立即下载」のボタンを押しても同OSのダウンロードは不可能となっていたが、同年6月8日よりフリーダウンロードが可能となった。7月3日に更新されたビルドともども公開されている。
Turbolinux 15は中国製とはいえ標準状態で日本語の表示・入力変換にも対応している。インストーラに最新版のAnacondaを、パッケージ管理にRPM(dnfおよびyum)を使用しているなど、国産時代の資産を継承する点も多いが、一方でマイクロソフトとのライセンスによる高い互換性「Windowsability」や、ATOK等の商用パッケージ、(既に置換えられてコマンドだけになっていたとは言え)特徴であった独自設定ツールのTurbotoolsに関しては一切を有しないなど切捨てられた機能も見受けられる。
なお、現在ダウンロードできるEverything-Release版は、yumリポジトリをセットアップCD-ROM内のみしか記述していないため、インターネットからのyumによるパッケージの取得はできないが、ユーザ自身で追記すればRed Hat系のリポジトリを流用できる場合がある。
デスクトップ向けのディストリビューションの他、サーバやWebクラスタリングに特化したディストリビューションも発売していた。
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