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『THE WINDS OF GOD』(ザ・ウインズ・オブ・ゴッド)は、神風特別攻撃隊をテーマとした今井雅之作の戯曲。1988年より国内外で上演され、1995年に小説化ならびに最初の映画化が行われた。2005年にはテレビドラマ化、2006年には全編英語で再び映画化されている。21周年目の2009年に今井雅之演出、オール新キャスト版が調布市せんがわ劇場にて上演された。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
売れないお笑い芸人の誠と金太は、ある日交通事故に遭う。気がついたときには第二次世界大戦終戦間際の神風特攻隊基地へとタイムスリップしており、2人の体は岸田・福本という特攻隊隊員と入れ替わっていた…。
舞台のセットは木製の椅子と机を用いた簡素なもの。これを組み合わせることで分隊詰所や駅のホーム、戦闘機内部などを表現する。小道具としてこれに自転車、骨壷、位牌、軍刀などが加わる。
劇の前半はキンタマーチャンズの漫才や、金太とアニキの漫才のような掛け合いが多くあるが、その中には上演をするご当地のネタや時事ネタを多数盛り込む。例えば2人がナンパをするために自転車で出かけようとする場面では、福岡公演では「中洲に行く」、札幌公演では「大通に行く」などと言う。アドリブも多く、上演回によっては遅れてきた観客を場内に入れるあたりでフリートークを始めたり、今井らが客席に下りて席まで誘導するといったこともある。
NHK教育テレビで劇の模様が放送された際、放送された今井雅之のインタビューでは、この作品を上演し始めた当初は、「右翼」「戦争賛美」といった非難を受けたことを述べている。現在では、声高に反戦を主張するものではないが、戦争の悲惨さを感じさせ、また人の生き方について考えさせられる作品として評価されることが多い。
ウインズ・オブ・ゴッド―零のかなたへ | ||
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著者 | 今井雅之 | |
発行日 | 1995年6月 | |
発行元 | 角川書店 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 | 248 | |
コード |
ISBN 978-4048728768 ISBN 978-4043579013(文庫本) | |
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1995年に『ウインズ・オブ・ゴッド―零のかなたへ』と題して角川書店より小説化、2001年には『THE WINDS OF GOD―零のかなたへ』と題して角川文庫より文庫化された。
最初の映画化作品は『WINDS OF GOD』というタイトルで、1995年6月3日に公開。松竹配給。奈良橋陽子監督作品。内容としては、舞台版に比較的忠実である。
「THE WINDS OF GOD」は最初は映画として企画された[4]。最初に今井雅之からストーリーを聞いた奈良橋陽子は「すごく面白い」と思い、いくつかの場面を稽古し「これは国際的な映画になる」と直感した[4]。すぐに松竹の奥山和由に企画書を提出したが、なかなかゴーサインが出ず、それならばと先に舞台作品として世に出た[4]。
最初に映画が製作されかけたのは1989年で[5][6]、1987年に奥山和由が製作した『ハチ公物語』で、岡田茂東映社長に世話になったことから[5][7]、奥山が「岡田社長の元で映画をプロデュースして恩返ししたい」と東映の岡田に本作の映画化を持ち込んだ[5][6]。この時のタイトルは『KAMIKAZE』で[5][6]、製作は五味武が社長を務めるGMプロモーションと伊藤萬の共同製作[6]。製作総指揮は五味、企画が奥山和由、脚本・今井雅之、監督・奈良橋陽子、主演は今井雅之と本木雅弘[5][6]、配給は松竹洋画系で[6]、1989年9月にクランクイン、1990年春公開と具体的なところまで進んでいたが[5][6]、映画化されず。
1992年にローバジェット作品として松竹での製作が決定し[4]、同年8月クランクイン[4]。静岡県下田市近郊で1ヵ月ロケ[4]。舞台で看護婦役だった藤田朋子が「どんな小さい役でもいいから出して欲しい」と訴え、テレビの仕事の後、ロケ地へ遊びに来て、そのまま2ショット出演した[4]。9月のニューヨーク公演の後、テキサスで空中シーンの撮影を終え、映画はここで完成した[4]。1993年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映され、審査員特別賞を受賞したが一般公開はならず、お蔵入りした[4][8][9]。
1995年が戦後50年にあたることから、邦画メジャー3社で戦争映画大作を競作しようと準備を始め[10][11]、東映が『きけ、わだつみの声 Last Friends』、東宝が『ひめゆりの塔』の戦争大作の製作を早くに決め、会社の意地を見せ万全の体勢を敷いた[10]。しかし松竹はこれに乗らず[9]。このため東映と東宝の二社で『戦後50年記念共同プロジェクト』を実施し、二作品の予告編を反対の劇場で流す、二作品の予告編を一緒にしてお互いの劇場で流すなどという史上初の試みを行うなどで盛り上げた[8][12]。松竹はこの二社の盛り上がりに便乗し、二年前にお蔵入りさせた『WINDS OF GOD』をこの年公開した[8][9]。
『THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE-』というタイトルで2006年8月26日に公開。国際映画として上映するため、現代を演じる場面の舞台はアメリカへと変更され、タイムスリップする人間もニューヨーク在住のアメリカ人コメディアンという設定になっている。
朝日放送(ABCテレビ)とThe iconの制作により、脚本を一部改訂して、『零のかなたへ〜THE WINDS OF GOD〜』というタイトルにて、2005年9月10日の21時00分 - 22時51分にテレビ朝日系列で放映された。撮影に当たっては零戦のレプリカを2機製作しており(製作費は1機あたり600万円)、戦闘シーンにはCG合成を駆使し、同局で放送されていたバラエティ番組『笑いの金メダル』メンバーであるくりぃむしちゅーとヒロシが出演していることも話題になった。
平成17年度文化庁芸術祭テレビ部門優秀賞受賞作品。
ほか
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