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Swift Playgrounds(プレイグラウンドとも呼ばれる)は、Appleが開発したSwiftの開発環境。
開発元 |
Developer Tools Department Apple Inc |
---|---|
初版 |
macOS(Xcode統合) 2014年6月2日 macOS(スタンドアローン) 2020年2月11日 iPad 2016年9月13日 |
最新版 |
4.4.1
/ 2023年12月13日 |
プラットフォーム | macOS Ventura 13.3以降, iPadOS 16.4以降 |
対応言語 | オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、簡体字中国語、スペイン語、スウェーデン語、タイ語、繁体字中国語、トルコ語、ノルウェー語、ベトナム語 |
種別 | 教育向けアプリ |
公式サイト | https://www.apple.com/jp/swift/playgrounds/ |
Playgroundsの最初のmacOSバージョンは、2014年6月2日のWWDC 2014でXcodeの一部として発表された[1][2]。2016年9月、Swiftを習い始める若い学生をターゲットにしたSwift PlaygroundsのiPad版がローンチされた。
Playgroundsは、コードをリアルタイムでレンダリングするテスト環境を提供する。これには、ユーザーの入力したコードが実行された際にその結果を評価付きで表示し、迅速なフィードバックを提供する機能が含まれる。このタイプの開発環境はREPL (Read–Eval–Print–Loop) と呼ばれることが多く、学習、実験、および高速プロトタイピングに役立つとされる[3][4][5] 。Swift Playgroundsでは、AppleによってSwiftのチュートリアルや、REPLの利点を説明するガイド付きツアーが用意されている[6] 。
Swift PlaygroundsのiPad版は、2016年6月13日のWWDC 2016内で、Swiftを学ぶ人のためのiPad専用アプリとして発表された[7][8]。開発者向けのバージョンが同日にリリースされ、翌月にはパブリックベータも公開された。アプリでは学生向けの教育ツールとして、タッチディスプレイ用に設計されたインタラクティブ環境(対話型環境)を使用したコーディングのコアコンセプトが紹介された[9]。アプリは2016年9月に(一般ユーザー向けに)リリースされた[10]。Appleは、このアプリを中学生以上に推奨するとするSwift Playgroundsカリキュラムを公開している[11]。
macOS用のSwift Playgroundsのスタンドアロン版は、2020年2月11日にMac App Storeでリリースされた。これはXcodeから完全に切り離されているものとなり、iPadOS版をmacOS用に移植したものとなる[12]。
Swift PlaygroundsのiPad版は、開発環境と教育教材を組み合わせたものとなっている[13]。このアプリでは、各教材を受講前にダウンロードし、以降はオフラインで利用できる。但し、ステージをiCloud Driveに保存する場合には、ネットワーク接続が必要となる。
Swift PlaygroundsのiPad版の初期レッスンでは、Byte、Blu、Hopperの3つのキャラクターが紹介されている。それぞれの課題において、プレイヤーは、いくつかのコードを組み合わせてキャラクターを操作し、定められた目標を達成する事を求められる。ステージが進行するにつれて目標はより困難になり、それらを解決するためにより複雑なアルゴリズムが必要となる。Swift Playgroundsではいくつかのステージをクリアすると、新しいコードが利用できるようになる[14]。Swift Playgroundsの上級レッスンでは、Apple Bluetooth APIやApple Augmented Reality開発プラットフォーム(ARKit)のといった複雑な機能が利用できるようになる[15]。
2018年1月、AppleはSwift Playgroundsにサブスクリプションを導入した。これにより、ユーザーはサードパーティの作成したPlaygroundをプレイでき、コンテンツプロバイダーはPlaygroundを販売できるようになった[16]。
Swift PlaygroundsはAppleのDeveloper Tools部門によって開発された。Swift Programming Languageの発明者であり、Developer Tools Departmentのシニアディレクター兼アーキテクトであるChris Lattnerによると、Playgroundsは「ブレット・ビクターのアイディア、ライト・テーブル、その他多くの対話型システムから大きな影響を受けている」(原文意訳)という[17]。Swift Playgroundsは、2014年6月2日のWWDC 2014でXcode 6の一部として発表され、同年9月にリリースされた。
Swift PlaygroundsのiPad版は2016年9月13日にリリースされた。Chris Lattnerは構想、設計、実装、反復など、Swift PlaygroundsのiPad版を牽引した数少ない中核的人物の1人でもあった[18]。Appleはリリースと同時に、iBook Storeで同アプリケーションの操作方法や使用方法をユーザーに教えるガイドブックを公開した[8]。この発表は、公立学校にプログラミング教育の実施を求めるシリコンバレーの大規模なキャンペーンと時を同じくして行われた。Appleは、子供たちがプログラミングを学ぶのを助けるためにコンピュータサイエンスのカリキュラムを提供する、「Everyone Can Code」プログラムを発表した[19][20] 。Swift Playgroundsはこのプログラムに含まれており、Appleは教師がSwiftを教えるための詳細なガイドを提供している[21]。さらに、AppleはSwiftソフトウェア開発を教えるための一年間のカリキュラム「Swiftを使ったアプリ開発」を公開し、その後、学生のコーディングスキルを検証/認証するSwift認定プログラムを導入した[22][23]。
2017年1月、AppleはRNIB(王立盲人研究所)と提携し、Swift Playgroundsの点字バージョンを提供した[24]。2018年、Appleは米国のろう学校全体に「Everyone Can Code」プログラム[25]を拡大すると発表した。
2020年2月、macOS Catalina向けにSwift Playgroundsのスタンドアロン版がローンチされた。このバージョンはXcodeから切り離されており、iPadバージョンのSwift Playgroundsの移植となっている[12]。
2021年6月7日、WWDC21基調講演において、iPadOS 15でiPhoneとiPad用のアプリケーションを構築しApp Storeへ、iPad上から直接リリースできるようになることが発表された[26]。2021年12月15日からiPadOS 15.2以降を対象にその機能を搭載したSwift Playgrounds 4が配付されている[27]。
日付 | バージョン | 説明文 |
---|---|---|
2016年6月 | AppleがiPad用のSwift Playgroundsを発表。同時にApple開発者向けのバージョンのリリース。 | |
2016年7月 | 公開ベータ版のリリース。 | |
2016年9月 | 1.0 | 最初のバージョンのリリース。 |
2016年11月 | 1.1 | Learn to Codeの改良など[28] |
2017年3月 | 1.2 | 簡体字中国語、日本語、フランス語、ドイツ語、中南米スペイン語のサポート。 MapKitフレームワークのサポート[28] |
2017年6月 | 1.5 | 外部ハードウェアの操作をサポート[29][30]。 |
2017年9月 | 1.6 | ARKit(拡張現実)のサポート。 Swift 4のサポート。 カメラへのアクセスのサポート。 |
2018年1月 | 2.0 | サードパーティのPlaygroundサブスクリプションが利用可能に[16]。 |
2019年5月 | 3.0 | Swift 5のサポート。 Swiftファイルの共有のサポート。 |
2019年10月 | 3.1 | Swift 5.1のサポート。 SwiftUIフレームワークを含む。 |
2020年2月11日 | 3.2 | macOS Catalina用の初リリース |
2020年4月2日 | 3.3 | iPadOSのカーソルサポート |
2020年7月9日 | 3.3.1 | 安定性向上、不具合修正 |
2020年11月16日 | 3.4 | |
2021年3月9日 | 3.4.1 | ローカリゼーションとパフォーマンスの改善 |
2021年12月15日 | 4.0 | iPadOS 15.2でiPhoneとiPad用のアプリケーションを構築しApp Storeへ、iPad上から直接リリースできるようになる |
2022年5月17日 | 4.1 | macOS 12.4以降でSwiftUIでのMacアプリケーション開発、 Swiftパッケージに対応、Xcodeへの移動/戻す[28] |
2022年10月26日 | 4.2 | コードエディタの機能強化 |
2022年12月5日 | 4.2.1 | エラーメッセージが表示されたままになる問題の修正 |
2023年4月3日 | 4.3 | macOS 13.3 SDK, iPadOS 16.4 SDK、ノルウェー語とベトナム語に対応[28] |
2023年5月31日 | 4.3.1 | SwiftUIのプレビューが読み込まれない問題の修正 |
2023年10月23日 | 4.4 | Swift 5.9, macOS 14 SDK対応 |
2023年12月13日 | 4.4.1 | Swift 5.9.2, macOS 14.2SDK対応 |
リリースと同時に、Swift PlaygroundsのiPad版は、約100カ国の無料iPad教育アプリのランキングで第一位になった。同アプリは、ユーザー(App Storeでの評価は5段階のうちおよそ4となっている)や報道機関から概ね好意的な評価を受けた[31][19][32][33][34][35][36][37][38][21] 。また、このアプリはSwiftの学習を若い学生でも行いやすくするのに加え、Swiftに過度に焦点を当てているのではなく、良いコーディング方法を教えることに焦点を当てているとされ、称賛された[39][40] 。Common Sense Mediaは、Swift Playgroundsのスコアを5段階中の5としている[41]。
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