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『RYU FINAL』(リュウ・ファイナル)は、中平正彦による日本の漫画作品。1997年から1998年にかけて『ゲーメスト』(新声社)で連載された。正式タイトルは『STREET FIGHTER III RYU FINAL -闘いの先に-』(ストリートファイタースリー リュウ・ファイナル たたかいのさきに)。
カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』を原典として、作者の中平が独自に構成した漫画化作品。『ストリートファイター』シリーズを通して主人公的存在であった、リュウの物語の結末が描かれているが、作者の中平の過去作品『ストリートファイターZERO』『さくらがんばる!』の続編に当たるため、それに準じた設定や描写も盛り込まれている。
日々修行を続けるリュウの目指す「真の格闘家」への道は、未だ見えずにいる。そんな折、同門として育った親友のケン・マスターズは、リュウより先に「真の格闘家」への道を見つけていた。ケンが見つけた答えは家族のために拳をふるうことであり、1人では手に入れることのできない力だという。
自分は何のためにこの拳をふるうのか迷いつつもリュウは旅を続けるが、その途中で謎の仙人オロと出会い、彼に導かれる形で巨人レスラーのヒューゴー、若き拳法家の兄弟ユンやヤンらと拳を交えていく。そして、ボクサーの強敵ダッドリーとの闘いで、ついに一撃必殺の境地「風の拳」へ辿り着く。相手を「倒す」ためではなく相手に「勝つ」ための力、それがリュウの見つけた「真の格闘家」の答えだった。
かつて「倒し」た相手サガットとの再戦を果たし、リュウは最後の闘いへ赴く。その相手とは、リュウの過去の記憶に刻まれた「真の格闘家」であり、それと同時に「殺意の波動」という死と破壊をもたらす力の使い手ゴウキであった。リュウは「殺意の波動」へ至る道を断ち切るため、すべての始まりの場所「朱雀城」でゴウキと雌雄を決することとなる。
死闘の末、リュウは重傷を負いながらゴウキの奥義「瞬獄殺」を破り、風の拳で勝利する。自らの「殺意の波動」に呑み込まれながら崩壊していくゴウキは、リュウに「子」を、すなわち次の世代を育むよう言い残し、炎の中へ消える。それと同時にリュウも力尽き、ここに彼の旅路は終末を迎える。
そして時は流れる。かつてリュウに叩きのめされた若者アレックスは、それでも自らの中に残ったものが何なのかを知るため、もう一度リュウと会うことを望んでいた。それを見たケンはリュウの鉢巻をアレックスに託し、朱雀城跡へ向かうことを勧める。そこでアレックスが見たものは、雄々しく悠然とたたずむリュウの姿だった。リュウがアレックスに語りかけるところで、物語は幕を下ろす。
原作ゲームにおける「組織」関係者などの一部キャラクターは登場せず、リュウと道を同じくする純粋な格闘家が主である。
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