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パソコンでウェブサイトを閲覧できるウェブブラウザ ウィキペディアから
フルブラウザ (full browser) とはパーソナルコンピュータ向けに設計されたウェブサイトを閲覧できるウェブブラウザである。携帯電話やPHS端末用の簡易ブラウザに対して言う。
フィーチャーフォン全盛期の2000年代、携帯電話やPHSにおいては画面解像度や処理速度等の関係上、PC向けのWebサイトを十分に表示できず、また速度面や料金面においてもかなりの負担となっていた。そのためCompact HTMLなど携帯端末向けに簡易化されたHTMLとそれ専用のウェブブラウザ(=モバイルブラウザ)を使うことで負担を減らす手段をとってきた。しかしそれらは当時のハードウェアの制約上内容が貧弱なことが多かった。
フィーチャーフォンの時代にも携帯端末をPCに接続し、PCからアクセスする手段もあったが、通信料金が高いことや接続の準備を行う行程が煩雑なために敬遠されていた。
この不便に着目し、携帯電話の性能向上にあわせてPC向けサイトを表示できるようにした携帯端末が開発されるようになった。日本では、DDIポケット(現・WILLCOM)と京セラが、既にノキアなどで採用されていたOperaを搭載したAIR-EDGE PHONE端末「AH-K3001V」を開発、2004年に発売。同機はPHSとしては異例の大ヒットを記録するまでになった。 その要因として、携帯電話各社のサービスと比べて各種公式サイトの携帯端末用コンテンツが少ないため、その分を補完する形でPC向けWebサイトが閲覧可能であったこと(しかも有料の公式サイトを使うのとは違い、無料で利用できる)、さらにパケット定額制料金コースである「つなぎ放題コース」と組み合わせることで、通信スピードが低速ながらも、時間や料金を気にすることなくブラウジングが可能となったことがあげられる。
このヒット以降、各電話会社や端末メーカー及びソフトウェア会社がフルブラウザ及び対応端末を開発し、スマートフォンではPC向けサイト表示に切り替えることができるブラウザが一般的となった。
なお、PC向けウェブサイトは携帯端末用と比べ情報量が多いため、各電話会社ではフルブラウザを多用する場合はパケット定額制の契約を利用者に推奨するとともに、機種や利用形態によっては定額制の対象にならない場合があると注意喚起していた。
ここでは、Javaアプリケーションでなく、携帯電話のオペレーティングシステム上で直接(ネイティブに)動作するもの(端末内蔵のもの)を挙げる。
NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイルの携帯電話に搭載されているフルブラウザを利用する際には、パケット定額に対応していることが謳われていても、料金が通常よりも2000円近く高くなってしまう。また、NTTドコモで定額利用する場合は「パケ・ホーダイフル」に加入する必要がある(「パケ・ホーダイ」では定額利用できない)。 この「料金やオプション契約の差」は次項のJavaアプリケーション系には当てはまらない。
ここでは、Javaアプリケーション(アプリ)のものを挙げる。 一般に、端末に内蔵されていることはなく、ユーザーがダウンロード・インストールして利用する。 ネイティブアプリケーションのものと比べて機能や性能は劣るが、幅広い端末で利用可能である。
Javaアプリによるフルブラウザの特徴として、ほとんどの場合、開発元などに置かれた中継サーバを経由してWebサイトにアクセスする。 これは、容量や性能面で限界のあるJavaアプリだけで全ての処理を行うのは無理があるため、中継サーバで可能な限りの処理を行い、アプリはユーザーインタフェースのみに徹するような設計をとるためである。
また、日本市場向けのJavaアプリによるフルブラウザは、NTTドコモの携帯電話を対象としたものが圧倒的に多い。 これは、同社の携帯電話では、特に審査などをパスしなくても、通信を行うJavaアプリを比較的自由に開発・利用できるためである。 ただしその場合、アプリが直接通信を行える相手は自身のダウンロード元サーバに限られているため、アプリの通信は必然的にそのサーバを経由することになる。
このような仕組みのため、当該アプリの利用者が増加すると、中継サーバの負荷が増大して通信が困難になることがままある。また、SSLサイトにアクセスする際には暗号化が中継サーバで一旦解除されるため、SSLの安全性が損なわれる。
フルブラウザと類似した機能を実現するサービスとして、CGIなどを利用してHTMLの変換を行うものがある。 利用者が変換サイトにアクセスし、見たいPC向けのWebページのURLを入力すると、そのページのHTMLを携帯電話のウェブブラウザの表示能力にあわせた構成に変換し、閲覧できるようにする。 中には、閲覧変換以外に様々なサービスを行っているところもある。 この方式は、端末側に特別なソフトウェアを必要とせず、一般的に内蔵されているCompact HTMLブラウザ(あるいはWAPブラウザ)で利用可能である(そのため、この方式は通常はフルブラウザには含まれない)。これは幅広い端末で利用可能であるという利点がある一方で、内蔵ブラウザの能力の範囲内でしか表示できないという限界もある(たとえば、テーブルなどは本来の形では表示できないことが多い)。 基本的に無料で利用することが出来る。またJavaアプリケーションのものと同様に、ぐるっぽ以外はSSLの安全性は失われる。
等、ほかにも多数存在する。2ちゃんねるブラウザの項も参照。
以下はpc2mを利用して提供されているサービスの一例である。
現在の運営会社は、アクセルエンターメディアとなっており、pc2mを使用している旨も表記されている、
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表の見方
キャリア | WILLCOM (AIR-EDGE PHONE) | WILLCOM (W-ZERO3) | au (KDDI/沖縄セルラー電話) (WIN) | au (KDDI/沖縄セルラー電話) (smartphone) | au (KDDI/沖縄セルラー電話) (iPhone) | SoftBank (3G) | SoftBank (smartphone) | SoftBank (iPhone) | DoCoMo (FOMA) | DoCoMo (smartphone) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブラウザ | Opera NetFront | Internet Explorer Opera | Opera | Internet Explorer (Windows Phone) Android Browser (Android) | Safari | NetFront Web Browser for S60 (Nokia) | Internet Explorer (Windows Mobile) Web Browser for S60 (Nokia) Opera (X01T) Android Browser (Android) | Safari | NetFront | Internet Explorer (Windows Mobile) Android Browser (Android) | |
提供形態 | 標準のブラウザ | PCサイトビューアー | IS NET(ISシリーズ) LTE NET(Lシリーズ) | 標準のブラウザ | PCサイトブラウザ | PCサイトダイレクト | 標準のブラウザ | Internet(フルブラウザ) | 標準のブラウザ | ||
CSS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
ログイン・フォーム対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
SSL | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
Cookie | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
JavaScript | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
フレーム[要曖昧さ回避]対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
table折返し表示 | × | × | |||||||||
読み込み最大サイズ | 端末性能に依存(WX310Kで約4MB) | 約1MB | NetFrontは約500KBまたは1MB(機種による) | 約500KB~2MB(機種による、単画像は500KBまで。) | |||||||
スモールスクリーンレンダリング | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ||||||
複数ページ切替表示 | × | 3タブ(2007年春モデル以降) | ○ | 8タブまで | ○ | ||||||
ファイルダウンロード | ○ | 256KBまで(2007年春モデル以降) | ▲(ドキュメントファイルのみ) | ||||||||
ファイルアップロード | ○ | 80KBまで(2007年春モデル以降) | ▲(コンテンツによる) | × | ○ | ||||||
Macromedia Flash | FlashPlayer6 | Flash Lite(2007年春モデル以降) | ○ ×(Android 4.1以降) | ▲ | ○ ×(Android 4.1以降) | × | ○ | ○ ×(Android 4.1以降) | |||
文字サイズ切り替え | 11段階 | 3段階 | ○(機種による) | × | |||||||
文字コード選択 | ○ | × | ○ | ▲ | |||||||
UTF-8対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
BGM再生のON/OFF/ボリューム | ○ | × | × | ||||||||
ページ配色変更 | × | ○ | × | × | |||||||
待受け画面への表示 | × | ○ | × | ||||||||
自動更新 | ○ | ○ | ○ | ||||||||
定額利用可能 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○(NetFront) ×(S60) | ○ | 必須 | ○ | ○ |
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ブラウザ | jigブラウザ | Opera Mini | ibisBrowserDX | 備考 |
---|---|---|---|---|
機種 | JAVA対応機種(*) | JAVA対応機種(*) | JAVA対応機種(*) | (*)機種は限定される |
キャリア | au/DoCoMo/SoftBank | SoftBank/WILLCOM | DoCoMo/au/SoftBank(*) | (*)SoftBankに関しては提供形態・定額利用可能以外未判明 |
提供形態 | JAVAアプリ | JAVAアプリ | JAVAアプリ | |
ユーザインタフェース | マウスカーソルライク | マウスカーソルライク | マウスカーソルライク | |
表示 | HTML4.01 | HTML4.01 | HTML4.01 | |
CSS | ▲(*) | ○ | ▲(*) | (*)β版 |
ログイン・フォーム対応 | ○ | ○ | ○ | |
SSL | ▲(*) | ▲(*) | ▲(*) | (*)途中の通信が暗号化されていないので
SSLとしての意味が殆ど無い 詳細 |
Cookie | ○ | ○ | ○ | |
JavaScript | ▲ | ▲ | ▲ | |
フレーム[要曖昧さ回避]対応 | ○ | ○ | ▲ | |
table折返し表示 | × | × | × | |
読み込み最大サイズ | 850KB | 制限なし | ヒープ量に依存。 | |
SSR(スモールスクリーンレンダリング) | ○ | ○ | ▲ | |
ファイルアップロード | ○(*) | ○ | ○ | (*)SoftBankは不可 |
Adobe Flash | × | ▲ | × | |
文字コード選択 | × | ▲ | × | |
UTF-8対応 | ○ | ○ | ○ | |
BGM再生のON/OFF/ボリューム | × | × | × | |
ページ配色変更 | × | × | × | |
待受け画面への表示と自動更新 | ○ | ○ | ○ | |
定額利用可能 | ○(*) | ○(*) | ○(*) | (*)WIN/FOMA/3Gに限る |
「フルブラウザ」という標章はNTTドコモが2005年3月22日(出願日)に商標として出願した(出願番号、商願2005-24770(T2005-24770) )。 しかし、2006年10月に商標登録は拒絶査定が確定している。
なお、フルブラウザという言葉自体はドコモが商標出願するかなり前から存在する言葉であり、実際にフルブラウザと呼ばれるアプリケーションも携帯電話でかなり普及していた。
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