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L118 105mm榴弾砲(英: L118 Light gun;直訳はL118軽量砲)は、イギリス製の榴弾砲である。1970年代にイギリス陸軍に採用され、アメリカ合衆国がM119として制式化したのを始めとして、世界中で広く使用されている。
1960年-1970年代半ばにかけて、イギリス陸軍はQF 25ポンド砲やM116 75mm榴弾砲の後継としてイタリア製のオート・メラーラMod56 105mm榴弾砲をライセンス生産したL5 105mmパックハウザーを制式採用していた。L5はもともとイタリアの山岳部隊用に設計された山砲的性格の強い榴弾砲であったため、ヘリコプターで吊り下げての輸送や、分解してのパラシュート投下、ランドローバーなどの車両による牽引などで容易く輸送できたが、射距離が短いために敵砲兵の対砲兵砲撃に対して脆弱であった。
特に1963年にソビエト連邦が開発したD-30 122mm榴弾砲は、当時の軽榴弾砲としては異例の15kmもの長射程を有しており、これを相手にするには甚だ不利であった。そこで、イギリス陸軍は小型軽量でありながら従来の105mm榴弾砲よりも長射程の105mm榴弾砲の開発をロイヤル・オードナンス(現在のBAE システムズ・ランド・アンド・アーマメンツ)に依頼し、同社が開発したのがL118である。
L118の砲架の脚は、軽量化と射撃準備時間の短縮も兼ねて、開脚式砲架ではなくV字型に近い箱型砲脚を採用している。さらに、射撃時には車輪の下に円盤状の台座を敷き、砲本体とワイヤーで固定することで、砲架の脚を持ち上げての全周旋回を容易に行えるようにする設計[注 1]など、第二次世界大戦中にイギリス軍の主力野戦砲であったQF 25ポンド砲の影響を強く受けている。
L118は、トラックやランドローバーなどで容易に牽引が可能なうえ、ヘリコプターでもSA330 ピューマやシーキングなどに吊り下げての輸送が可能であるため、運用柔軟性は従来のL5 パックハウザーと比較してほとんど失われていないが、砲身が長くなったため牽引時には砲身を後方に向ける必要がある。
射距離は、標準型の榴弾で17,200mあり、従来の105mm榴弾砲を大きく上回る長射程がL118の最大の特徴である[注 2]。
L118が初めて実戦に投入されたのは、1982年のフォークランド紛争である。この紛争においてイギリス軍は、フォークランド諸島に30門(5個中隊)のL118を揚陸させて同諸島における地上戦に投入した。特に島都ポートスタンリーの奪還作戦においては、アルゼンチン軍が装備するM56 パックハウザーやM101のような従来型の105mm榴弾砲を上回る長射程を活かしてアルゼンチン軍の陣地に対する砲撃を有利に行うことができた。
その後、湾岸戦争やアフガニスタン戦争、イラク戦争などにおいてもイギリス軍はL118を投入した他、アメリカ陸軍もアフガニスタン戦争やイラク戦争において、同砲の改良型であるM119を投入している。
諸元
作動機構
性能
砲弾・装薬
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