IBM Simon

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IBM Simon

IBM Simon Personal Communicator(アイビーエム サイモン パーソナル コミュニケーター)とはIBMが設計開発し、三菱電機が製造していたハンドヘルドタッチスクリーン携帯電話PDAである。ベルサウス・セルラー英語版がアメリカ合衆国にて1994年8月から1995年2月まで販売し5万台売り上げた。Simon Personal Communicatorは電話とPDA機能を一台に統合した世界初の携帯電話である。スマートフォンという用語はSimonの発売では定義されていなかったとはいえ、その機能と性能によってSimonは世界初のスマートフォンと称される。

概要 ブランド, 製造者 ...
IBM Simon Personal Communicator
Thumb
ブランド IBM
製造者 三菱電機
通信方式 AMPS
販売開始日 1994年8月16日 (30年前) (1994-08-16)
販売地域 アメリカ合衆国 1994年8月16日 (1994-08-16)(ベルサウス・セルラー)
販売終了日 1995年2月 (1995-2)
販売台数 50,000
先代機 Angler(コードネーム)
後継機 Neon(コードネーム)
フォームファクタ スマートフォン
形状 ブリック
サイズ
  • 縦8 in (200 mm)
  • 横2.5 in (64 mm)
  • 厚さ1.5 in (38 mm)
重量 18 oz (510 g)
OS Datalight ROM-DOS
CPU Vadem 16 MHz、16ビット、x86互換
メインメモリ 1MB
ストレージ 1MB
バッテリー 7.5V NiCad
入力方式
ディスプレイ 4.5 in (110 mm) x 1.4 in (36 mm), 160px x 293px モノクロバックライトLCD
接続
  • 2400bps ヘイズ互換モデム
  • 33ピンコネクタ
  • 9600bps グループ3送受信ファックス
  • I/O接続ポート
  • PCMCIA type 2
出典 [1][2][3][4]
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歴史

IBMは1992年11月23日にアメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスで開催されたCOMDEXでAnglerという試作機を展示した。この試作機には携帯電話とPDAを一台に統合しており電話やファクシミリ、電子メール、携帯電話対応サイト受信するなどの機能が搭載されており、COMDEX来場者やプレスはこの試作機に多大な関心を示した。その後USAトゥデイの経済面にてAngler設計者のフランク・カノバがAnglerを持っている写真が掲載された[1][5][6]

ベルサウスの役員は1993年11月開催のワイヤレス・ワールド・カンファレンスにてこの試作機の完成版の商品名が「Simon Personal Communicator」に決定したと発表した[1]。ベルサウス・セルラーは1994年5月の販売開始を目指していたが、端末に搭載するソフトウェアの問題により同年8月16日にまでずれ込んだ。Simonは最初15州にて2年契約方式による899ドル、契約無しによる1099ドルの価格で発売したが、その後2年契約方式による599ドルにまで値下げした[2][7]

Simonは6ヶ月間の販売で推定5万台売り上げた[1]

「スマートフォン」という用語は1997年まで定義されていなかったとはいえ、Simonはその機能や性能によって世界初のスマートフォンと称されている[1][8][9]

Thumb
カスタムフィットの革製カバーで保護されているIBM Simon Personal Communicator

OSとアプリケーション

SimonはDatalight ROM-DOSのファイルシステムとスタッカーによるファイル圧縮を使用している。IBMはSimonで使用するDOSプロンプトの無い独自のタッチスクリーンユーザーインターフェースを開発した[2]。このSimonで使用されていたユーザーインターフェースソフトウェアレイヤーはナビゲーターと呼ばれている[10]

PCMCIAカードを挿入するか端末の内部メモリにアプリケーションをダウンロードする手段でサードパーティ製アプリケーションを動作させるためのアップグレードも可能だった。

ジョージア州アトランタにあるPDAディメンションズがSimon向けアフターマーケット専用のアプリケーションであるDispatchItを開発した。価格はPC版が2,999ドルでSimonnソフトウェアクライアント対応版が299ドルだった[11]

脚注・出典

関連項目

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