GNU Privacy Guard

OpenPGPとS/MIME標準を実装した自由ソフトウェア ウィキペディアから

GNU Privacy Guard

GNU Privacy Guard (GnuPG, GPG) とは、暗号化ソフトウェア Pretty Good Privacy (PGP) の代替として開発された自由ソフトウェアである。GPGは、OpenPGP の標準仕様である、現在は旧式となった[5] IETFの規格 RFC 4880に準拠している。PGP の最新バージョンは、GnuPG やその他の OpenPGP v4 準拠システムと相互運用可能である[6]

概要 作者, 開発元 ...
GNU Privacy Guard
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作者 ヴェルナー・コッホ
開発元 GNUプロジェクト
初版 1999年9月7日 (1999-09-07)[1]
最新版
Stable2.4.7[2]  / 2024年11月25日
LTS2.2.43[3]  / 2024年4月16日
最新評価版
2.5.5[4]  / 2025年3月7日
リポジトリ
プログラミング
言語
C言語
対応OS Microsoft WindowsmacOSRISC OS, Android, Linux
種別 暗号化ソフトウェア
ライセンス 2007: GPL-3.0-or-later[注釈 1]
1997: GPL-2.0-or-later[注釈 2]
公式サイト gnupg.org
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2023年11月には、2007年のOpenPGP v4仕様(RFC4880)の更新を目的とした2つの草案が発表され、最終的には2024年7月にRFC 9580標準となった。GnuPG開発者からの提案であるLibrePGPはOpenPGP Working Group に採用されず、GnuPGの将来のバージョンでは現在のバージョンのOpenPGPはサポートされない[7]

GnuPGはGNUプロジェクトの一部であり、1999年にドイツ政府から多額の資金提供を受けた[8]

開発

GnuPG の開発は ヴェルナー・コッホ(Werner Koch) によって始められた。現在では David Shaw と Timo Schulz も加わっている。また、g10 Code が Werner Koch と Timo Schulz を資金面で援助している。

バージョン 1.0.0 は 1999 年にリリースされ、それ以降 2002 年の 1.2.0 や 2004 年の 1.4.0 のように、安定版は最初の小数部分が偶数になるバージョンでリリースされている。

一方、 S/MIME 機能の導入を目的とした別系列の開発版が 1.9 系列として開発が進められていた。この系列は2006年11月23日に 2.0 としてリリースされた。

2014年11月、楕円曲線暗号のサポートなど新しいOpenPGP規格に準拠した 2.1 系列がリリースされた。

2.0 系列、2.2/2.1 系列と並行して 1.4 系列のサポートは継続しており、1.4 系列は 2.2/2.1 系列あるいは 2.0 系列と同時にインストール、独立して運用することが可能である。2.2/2.1 系列と 2.0 系列を同時にインストールすることはできない[9]

系列

2022年8月現在、GnuPG には 3 つの系列が存在する。

  • "Stable" (2.3): 最新の安定版。初版リリースは2021年4月8日[10]
  • "LTS" (2.2): 2017年8月28日に、2.2.0として新たな安定版となった[11]。初版リリースは2014年11月6日[9]。サポート終了は2024年12月31日の予定。
  • "Legacy" (1.4): 旧来のスタンドアロン版。古いシステムや組み込み用途に適している。初版リリースは2004年12月16日[12]

既にサポートが終了した系列は 3 つ存在する。

  • 2.0 系列: 初版リリースは2006年11月13日[13]。最終版は2016年3月31日リリースの2.0.30[14]
  • 1.2 系列: 初版リリースは2002年9月22日[15]、最終版は2004年10月26日リリースの1.2.6[16]
  • 1.0 系列: 初版リリースは1999年9月7日[1]、最終版は2002年4月30日リリースの1.0.7[17]

利用形態

GnuPG は数多くの OS に含められてきた。

また、GUIフロントエンドも開発されており、KMailEvolution といった電子メールクライアントに統合されたものや、 KDEKGpgGNOMESeahorse のように単独のアプリケーションもある。これらフロントエンドの多くは GnuPG 開発者が用意した GPGME (GnuPG Made Easy) ライブラリを利用している。

  • GUIフロントエンドの例
    • WinPT(Windows用)
    • GnuPG Shell(Linux/Windows用)
    • KGpgSeahorse(Linux用)
  • 電子メールクライアントの例
  • 統合パッケージ(GnuPGとGUIフロントエンド・電子メールクライアントの一括インストール)

アルゴリズム

GnuPG は、特許で制限されているアルゴリズムを含めていない。

したがって、従来の GnuPG では、PGP の過去のバージョンで標準で用いられていた International Data Encryption Algorithm (IDEA) を使うことができず、使用にはプラグインが必要であったが、各国における IDEA の特許切れ[18]に伴い、1.4.13/2.0.20 から IDEA が含まれるようになった[19][20]。これは、過去のコンテンツの署名検証、復号および古いPGPからGnuPGへの移行といった互換性維持のための最低限のサポートであり、既定では新しい鍵の作成における選択肢には現れない[21]

RSA は 2000 年に特許が切れたので、1.0.3 から含まれるようになった[22]

また、1.4.10/2.0.12 から Camellia も含まれるようになった[23]

2.1系列以降では楕円曲線暗号楕円曲線DSA (ECDSA)、楕円曲線ディフィー・ヘルマン鍵共有 (ECDH)、エドワーズ曲線デジタル署名アルゴリズム (EdDSA))に対応する[9]

2022年時点での安定版である2.3系列および長期サポート版 (LTS) である2.2系列において対応しているアルゴリズムは、下記のとおりである。

脚注

関連項目

外部リンク

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