レース開催に先立って、イギリスのナイジェル・ラムとベン・マーフィーが、イギリス空軍のアクロバットチーム「レッドアローズ」と競演する特別企画に参加した。マーフィはレッドブル・エアレースに参戦する前はレッドアローズのチームリーダーを務めたことがある元イギリス空軍パイロットであり、ラムもかつてローデシア(現ジンバブエ)空軍のパイロットだった経歴を持つ。[1][2]
- チャレンジャークラス
- 少しでも経験を積みたいと思っているベン・マーフィー(イギリス)は、ブダペスト戦が悪天候で中止となったことを悔しがりながらも、昨年は観客として訪れフェンスの"向こう側"から見ていた母国でのレースを"こちら側"で参戦できる喜びと興奮を語り[3][4]、1本目のフリー練習ではフロリアン・バーガー(ドイツ)が、2本目のフリー練習ではマーフィがトップのタイムを記録した[5]。
- マーフィは好調を維持して予選を1位通過、バーガーが0.339秒差で2位を記録したが[6]、決勝ではマーフィはパイロンヒットを、バーガーはインコレクトレベル(水平角度違反)のミスを犯し両者とも優勝を逃し、ケヴィン・コールマン(アメリカ)が初優勝を果たした[7][8]。
- マスタークラス
- ホームでの最後のレースとなるナイジェル・ラム(イギリス)、前年のアスコット戦のチャレンジャークラスで優勝したペトル・コプシュタイン(チェコ)、今シーズン表彰台を逃したのは1度のみのマティアス・ドルダラー(ドイツ)など各パイロットが余念のない準備に臨んだ[9]。1本目のフリー練習ではドルダラーが、2本目では室屋義秀(日本)がトップとなった[10]。第4戦終了時点で総合12位のマイケル・グーリアン(アメリカ)は、燃料とスモークオイルタンクをアルミからカーボンファイバー製に改良し3kgの軽量化に成功し、2本目のフリー練習で2位に入ったが[10]、軽量化が即タイムに繋がったとは考えていないと述べた[11]。
- 予選では首位通過したドルダラーのほか、マルティン・ソンカ(チェコ)と室屋が1分5秒台を記録した[12]。ラウンド・オブ・14では、ピート・マクロード(カナダ)が対戦相手のグーリアンに0.407秒早いタイムを記録したが[13]、後にエンジン回転数に違反があったとして失格となった[14]。コプシュタインも敗者最速枠を獲得できる好タイムを記録したが、マクロードと同じ理由で失格となった[14]。1分3秒台を記録したドルダラーはラウンド・オブ・8で更に0.449秒速い、トラックレコードを更新する記録を残した[15]。ファイナル4ではマット・ホール(オーストラリア)がドルダラーを下し、今シーズン初優勝を果たした[16]。