1998年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ
メジャーリーグベースボールの第29回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ ウィキペディアから
1998年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは9月29日に開幕した。アメリカンリーグの第29回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 29th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10月6日から13日にかけて計6試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(東地区)がクリーブランド・インディアンス(中地区)を4勝2敗で下し、2年ぶり35回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
1998年のアメリカンリーグ チャンピオンシップシリーズ | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月6日–13日 | ||||||
観客動員 | 6試合合計:30万6259人 1試合平均: 5万1043人 | ||||||
MVP | デビッド・ウェルズ(NYY) | ||||||
ALDS | NYY 3–0 TEX CLE 3–1 BOS | ||||||
殿堂表彰者 | ジョー・トーリ(NYY監督) デレク・ジーター(NYY内野手) ティム・レインズ(NYY外野手) マリアノ・リベラ(NYY投手) ジム・トーミ(CLE内野手) | ||||||
チーム情報 | |||||||
ニューヨーク・ヤンキース(NYY) | |||||||
シリーズ出場 | 2年ぶり7回目 | ||||||
GM | ブライアン・キャッシュマン | ||||||
監督 | ジョー・トーリ | ||||||
シーズン成績 | 114勝48敗・勝率.704 東地区優勝 | ||||||
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クリーブランド・インディアンス(CLE) | |||||||
シリーズ出場 | 2年連続3回目 | ||||||
GM | ジョン・ハート | ||||||
監督 | マイク・ハーグローヴ | ||||||
シーズン成績 | 中地区優勝 | 89勝73敗・勝率.549||||||
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ワールドシリーズ |
両球団がポストシーズンで対戦するのは、前年の地区シリーズに次いで2年連続2度目。今シリーズでは審判員、特にテッド・ヘンドリーの判定が物議を醸した[1]。
- 第2戦で球審を務めた際の、ストライクゾーンが広すぎるとの声が両球団から挙がる。インディアンスのオマー・ビスケルは「ジョークだろ」、ヤンキース監督のジョー・トーリは「ストライク判定された球のうち何球かは竹竿でも届かない」と苦言[2]
- その試合の延長12回表無死一塁でインディアンスのトラビス・フライマンがバントを転がし、一塁手ティノ・マルティネスが処理して一塁へ送球するも、その送球がフライマンの背中に当たって逸れ、一塁走者エンリケ・ウィルソンが生還する。ヤンキースは、フライマンがファウルラインの内側を走っていたとして守備妨害を主張するが、ヘンドリーは認めず。これが決勝点となって敗戦したあと、球団オーナーのジョージ・スタインブレナーが判定をこき下ろし、リーグから罰金を科される[3]
- 第6戦の3回裏無死一塁でヤンキースのチリ・デービスが二ゴロを放ち、二塁手ウィルソンは遊撃手ビスケルへ送球する。一塁走者バーニー・ウィリアムスは二塁封殺と思われたが、ビスケルの足が捕球前に二塁を離れていたとしてヘンドリーはセーフの判定を下す。リプレイ映像ではビスケルが捕球時に二塁を踏んでいたことが明らかだったうえ、インディアンスが二死後スコット・ブロシアスに本塁打を浴びたことから、GMのジョン・ハートが批判[4]
この年はレギュラーシーズン中から審判員の判定に疑問を呈される場面が多かったが、今シリーズでその問題が改めて浮き彫りとなり、MLB機構コミッショナーのバド・セリグは「状況を注視している」と述べた[1]。シリーズMVPには、第1戦と第5戦の2試合に先発登板して計15.2イニングを投げ、2勝0敗・防御率2.87という成績を残したヤンキースのデビッド・ウェルズが選出された。このあとヤンキースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者サンディエゴ・パドレスを4勝0敗で下し、2年ぶり24度目の優勝を成し遂げた。
両チームの1998年
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
→「1998年のメジャーリーグベースボール」も参照
10月2日にまずヤンキース(東地区優勝)が、そして3日にはインディアンス(中地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。
リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、前年までは地区ごとの持ち回りで割り当てられていた。しかしこの年から規則が変更され、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられることとなった[5]。したがって今シリーズでは、ヤンキースがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は11試合対戦し、ヤンキースが7勝4敗と勝ち越していた[6]。
試合結果
要約
視点
1998年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月6日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | |
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10月 | 6日(火)第1戦 | クリーブランド・インディアンス | 2-7 | ニューヨーク・ヤンキース | ヤンキー・スタジアム | |
10月 | 7日(水)第2戦 | クリーブランド・インディアンス | 4-1 | ニューヨーク・ヤンキース | ||
10月 | 8日(木)||||||
10月 | 9日(金)第3戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 1-6 | クリーブランド・インディアンス | ジェイコブス・フィールド | |
10月10日(土) | 第4戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 4-0 | クリーブランド・インディアンス | ||
10月11日(日) | 第5戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 5-3 | クリーブランド・インディアンス | ||
10月12日(月) | ||||||
10月13日(火) | 第6戦 | クリーブランド・インディアンス | 5-9 | ニューヨーク・ヤンキース | ヤンキー・スタジアム | |
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝2敗 / 2年ぶり35度目) |
第1戦 10月6日
第2戦 10月7日
- 勝利:デーブ・バーバ(1勝)
- セーブ:マイケル・ジャクソン(1S)
- 敗戦:ジェフ・ネルソン(1敗)
- 本塁打
CLE:デビッド・ジャスティス1号ソロ - 審判
[球審]テッド・ヘンドリー
[塁審]一塁: ジョン・シュロック、二塁: ラリー・ヤング、三塁: ティム・ウェルキー
[外審]左翼: ジム・マッキーン、右翼: ジム・エバンス - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後4時7分 試合時間: 4時間28分 観客: 5万7128人 気温: 60°F(15.6°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第3戦 10月9日
- 勝利:バートロ・コローン(1勝)
- 敗戦:アンディ・ペティット(1敗)
- 本塁打
CLE:ジム・トーミ1号ソロ・2号2ラン、マニー・ラミレス2号ソロ、マーク・ウィッテン1号ソロ - 審判
[球審]ジョン・シュロック
[塁審]一塁: ラリー・ヤング、二塁: ティム・ウェルキー、三塁: ジム・マッキーン
[外審]左翼: ジム・エバンス、右翼: テッド・ヘンドリー - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時7分 試合時間: 2時間53分 観客: 4万4904人 気温: 57°F(13.9°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第4戦 10月10日
- 勝利:オーランド・ヘルナンデス(1勝)
- 敗戦:ドワイト・グッデン(1敗)
- 本塁打
NYY:ポール・オニール1号ソロ - 審判
[球審]ラリー・ヤング
[塁審]一塁: ティム・ウェルキー、二塁: ジム・マッキーン、三塁: ジム・エバンス
[外審]左翼: テッド・ヘンドリー、右翼: ジョン・シュロック - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後7時7分 試合時間: 3時間31分 観客: 4万4981人 気温: 58°F(14.4°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第5戦 10月11日
第6戦 10月13日
- 勝利:デビッド・コーン(1勝)
- 敗戦:チャールズ・ナギー(1敗)
- 本塁打
CLE:ジム・トーミ4号満塁
NYY:スコット・ブロシアス1号3ラン - 審判
[球審]ジム・マッキーン
[塁審]一塁: ジム・エバンス、二塁: テッド・ヘンドリー、三塁: ジョン・シュロック
[外審]左翼: ラリー・ヤング、右翼: ティム・ウェルキー - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時7分 試合時間: 3時間31分 観客: 5万7142人 気温: 54°F(12.2°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
脚注
外部リンク
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