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黄薬師(こう やくし、拼音: Huáng Yàoshī)は、金庸の武俠小説『射鵰英雄伝』『神鵰剣俠』に登場する架空の人物。「天下五絶」(五大武術家)のひとりで、大陸の東に浮かぶ 「桃花島」 の主であるため「東邪」の異名を持つ。
武術だけでなく天文、地学、算術、医薬などにも秀でた奇才。しかし、あまりに偏屈な性格ゆえ「東邪」と呼ばれる。弟子の陳玄風と梅超風が「九陰真経」を盗んだときは腹いせに他の弟子の足をへし折ったり、桃花島の召使いすべての舌を切り取り、聴覚も奪うという残虐さも持ち合わせている。
しかし娘の黄蓉とその恋人の郭靖に影響を受け、少しずつ穏やかな性格になっていく。特に弟子たちの足を折って追放したことを悔やんでおり、これも陳玄風と梅超風が恋愛関係にあることを自分に告げられないような性格だったからと悔やんで、黄蓉と郭靖の仲を認めた。黄蓉の結婚後は賑やかになるのを嫌って桃花島を去り、程英や曲霊風の遺児を育成し悠々と生きていた。
『神鵰剣俠』では自分に対し卑屈にならず、堂々とした(武林の先輩に対して失礼とも言える)態度をとった楊過を気に入り、意気投合している。楊過と小龍女との禁断の愛[1]に対し、儒教の立場から漢人はみな反対したが、儒家の教えの偽善さを嫌う黄薬師だけは賛成し後押しした。この際、楊過に対し「小龍女が師匠であるから問題があるのだ。わしの弟子となって、小龍女と他人になってから、改めて小龍女を娶るのはどうか?」と自分の後継者になるよう促してまでいる。
晩年になっても健在で、第三次「華山論剣」で「東邪」の座を保った。
天下五絶の一人であることから、武術の腕はかなりのもの。だが、むしろ黄薬師の活躍が目立つのは知識の方。桃花島には五行奇門を張っているため、外敵の侵入はかなり困難。また、全真教の「天罡北斗陣」という集団戦法に苦戦すると、それを打ち破るべく光武帝の雲台二十八将を参考に、「二十八宿大陣」を完成させ、対モンゴルの戦争で活用させた。
『射鵰英雄伝』
『神鵰剣俠』
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