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騒乱罪(そうらんざい)とは、多衆が集合して暴行・脅迫を行うことにより公共の平穏を侵害することを内容とする犯罪類型である。刑法106条に規定。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
1882年(明治15年)施行の旧刑法では兇徒聚衆罪(きょうとしゅうしゅうざい)と呼ばれ、元老院の刑法草案審査局の要求により、過激化の一途を辿る自由民権運動や社会運動の鎮圧を目的として、新律綱領、改定律例の兇徒聚衆の規定を継承する形で制定された。1907年(明治40年)制定の刑法で騒擾罪(そうじょうざい)に変わり、1995年(平成7年)の刑法改正で騒乱罪に変わった。
騒乱罪の保護法益は公共の平穏である(判例、通説)。ただし、不特定または多数人の生命・身体・財産であるとする説(平野龍一、前田雅英)もある。
騒乱罪の主体は集合した多衆である。
騒乱罪における行為は、多衆で集合して暴行・脅迫を行うことである。
騒乱罪は多衆犯である。したがって騒乱罪における暴行・脅迫は多衆の共同意思に基づいたものであることを要する。
本罪の予定する範囲の暴行罪・脅迫罪は本罪に吸収されるものの、判例は殺人罪・住居侵入罪・建造物損壊罪・恐喝罪・公務執行妨害罪などとの間には本罪と観念的競合の関係を認める。
破壊活動防止法は政治目的を有する騒乱罪の予備・陰謀・教唆・扇動を罰している。(同法40条)
暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員(警察官等)から解散命令を3回以上受けたにもかかわらず解散しないことを内容とする真正不作為犯である(刑法107条)。暴行・脅迫の目的で集合することを要する目的犯である。騒乱罪が成立する場合はそれに吸収される。権限のある公務員については争いがあり、末端の警察官等の命令で良いのか、それとも警察署長等の警察実務を所掌する権限まで保持する者の命令が必要かの論議がある。さらに、解散命令が口頭によるもので足りるのか、或いは命令書を首謀者に交付することをもって解散命令とするのかの点で実務的な論争がある。
法定刑は、首謀者は3年以下の懲役または禁錮、その他の者は10万円以下の罰金である。
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