平面波
軸に沿って伝播する音波は1次元波動方程式
を満足し、その一般解は , を任意関数として
と表示できる[5]。これを平面波と呼び、 が 軸正の向きに伝播する平面波、
が負の向きに伝播する平面波を表す[5]。この平面波に対応する流体速度場は
である[5]。より一般に単位ベクトル の向きに伝播する平面波 および対応する速度場 は
により与えられる[6]。
特に、 軸正の向きに伝播する単色平面波は
と書ける[6]。ここに は音波の位相に関する定数であり、 は複素振幅である[6]。また は音波の波数であり、波長 および角振動数 と
という関係にある[6]。
球面波
座標原点から球対称に広がる音波は球面波を形成する[7]。これは球座標系での波動方程式
から任意関数 , を用いて
と表される[7]。 が外向き球面波、 が内向き球面波である。このうち内向き球面波については因果律のため自然には発生せず、音響学では主として外向き球面波だけが取り扱われる[7]。対応する速度場は動径成分 だけがではなく、 の原始関数 を用いて
と表される[8]。
特に波数 の外向き単色球面波については、複素振幅を用いて
と表される( は定数)[8]。その時間平均した強度は
であり、逆2乗の法則に従って減衰する[8]。