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『邪神伝説シリーズ』(じゃしんでんせつシリーズ)は、矢野健太郎による日本の漫画作品。『月刊コミックNORA』(学習研究社(現・学研ホールディングス)にて、1987年から1992年まで不定期に連載された。
クトゥルフ神話を題材とした日本のコミックとしては初期の作品であり、ノーラの誌面がSF作品主流だった時期に連載が始まった。
単行本は全5巻で、1巻が1988年、5巻が1993年に刊行された。
2014年にクリーク・アンド・リバー社より全5巻の同構成で電子書籍版が販売されている。カラーページが再録差し替えとなっている他、書き下ろしの筆者後書きが追加されている。
邪神伝説シリーズはアメリカの怪奇小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトによって描かれた物語を下地にオーガスト・ダーレス達、数多くの作家によって築かれたシェアードワールド「クトゥルフ神話」の1つとして描かれている。
作者の言葉を借りると、土台はダーレス版クトゥルー神話だが、テーマはラヴクラフトの原神話を目指しているとのこと[1]で、そこに作者自身が考えた設定・解釈を加えて独自の世界観を築いている。そのためダーレス神話の例に則り、邪神は地水火風の四大に分けられて相互に対立し、邪神の対抗者としてベテルギウスの旧神がいる。特徴的なオリジナル設定としては、旧支配者や旧支配者を崇拝する邪教徒に対抗する人間達の組織としてケイオス・シーカー(混沌の索求者)なる武装・超能力者集団が登場する。
作品は、旧支配者の一柱ハストゥールの力を使う少女星間渚を主人公とした連作<渚事件簿シリーズ>と、それ以外の短編で構成される。もともと最初の『ラミア』を書き始めた時点ではクトゥルー神話ではなかったが、神話要素が入りシリーズ化に至った[2]。
ラヴクラフトやダーレスなどの有名作家だけではなく、日本のクトゥルフ作家の作品も参考に用いるなど、複数の作品の設定を「過去にあった事実として」描いている。特に大滝啓裕のゲームブック『暗黒教団の陰謀 輝くトラペゾヘドロン』との繋がりが大きい。世界を崩壊させかねない要因として、旧支配者に加えて、過去作品からの流れで核戦争が挙げられ、また時代背景として原発がちらついている。
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