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軌間可変(きかんかへん)は、鉄道車両が軌間の異なる鉄道線路へ直通運転するため、走行する軌間に合わせて車輪の左右間隔を変換する機構である。
19世紀に鉄道が出来て以来、様々な軌間の線路が敷設されたが、鉄道車両は軌間の異なる線路には直通運転が出来なかった。対処法としては、乗客の乗換、貨物の積み換え、車輪と車軸の交換、台車ごとの交換等があった。
軌間可変は、線増して三線軌条にすることなしに、軌間の相違(break of gauge)の問題を解決するためのシステムとして開発された。
軌間可変可能な車軸と、車軸をスライドさせるための軌間変換装置からなるシステムであり、世界では複数開発されている。
1992年に開業したAVEの高速新線では1,435mm軌間を採用したため、高速新線と在来線が連絡する地点にも軌間変換設備が設置されている[4]。
中華人民共和国では2017年5月に開催した「一帯一路」の会議で、モンゴルやロシアなど近隣諸国に直通できる最高時速400kmの軌間可変式高速車両を開発すると発表しており、2020年11月にはCRRC長春が完成したプロトタイプの車両を公開し[5][6]、世界の9割の鉄道網で走行が可能と発表した[7]。また、2022年までの営業運転開始を目指すともしている。
ロシア・フィンランドの1520mm・1524mmとスウェーデンの1435mmとの間で軌間変換をするために、タルゴ方式でスウェーデンのハパランダに軌間変換装置を備えて試験を行ったことがある。また、モスクワのロシア連邦鉄道省(当時)の施設でも試験が行われた。
カザフスタンの1520mmと中国の1435mmとの間で軌間変換をするために、カザフスタン鉄道Kazakhstan Temir Zholy (KTZ)はタルゴの軌間可変車両を導入した。しかしながら、カザフスタンでは2006年より標準軌への改軌や新線建設の計画が進み、4年ほどで建設が終わるとされている。
2022年に開業を予定する九州新幹線の西九州ルートでフリーゲージトレインを採用する方針であったが、2018年7月に採用を正式に断念した[9]。
ポーランド南部の大都市クラクフとウクライナの首都キエフの間を、ポーランド国鉄の子会社PKPインターシティーとウクライナ鉄道が、SUW 2000を使った軌間可変車両による夜行列車や貨物列車を直通運行している。ウクライナリヴィウ州の国境の駅であるMostiska II駅に軌間変換装置がある。
ポーランドの首都ワルシャワとリトアニアの首都ビリニュス間を、PKPインターシティーがSUW 2000を使った軌間可変車両により直通運転している。リトアニア西部の国境の駅であるMockava駅に軌間変換装置が設置されている。
1,435mmと1,000mm軌間の区間を有する観光路線のゴールデンパス・ラインへの導入が計画され[1]、モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道(MOB1,000mm軌間)とBLS(1,435mm)の境界となるツヴァイジンメン駅で軌間を変更し、モントルーからインターラーケン・オストまで直通する「GoldenPass Express」が2022年12月11日より運行開始した[11]。
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